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電子政府・電子自治体のネットワーク基盤 2005年6月15日

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縦割り行政をなくし、柔軟かつ迅速なサービス提供を実現するためにも、行政機関を繋ぐネットワークは、電子政府・電子自治体の基盤として重要です。

注意しなければならないのは、ネットワークの実現は、国や自治体による情報共有と活用を意味することです。そこには国民の個人情報も、当然に含まれます。複数の機関・部局による個人情報の共有にあたっては、必要に応じて必要な範囲で行われることが望まれます。

この場合、国民がサービスを選択する中で個人情報の共有をOKとすれば、その範囲で共有・利用すれば良いでしょう。例えば、「引越し時の各種変更手続が一つの窓口で済む」などのサービスでは、引越しする本人や家族の情報が、本人の選択により、市町村内の各課・担当間で共有されます。本人が望めば、民間企業・サービスとの連携も可能です。

利用者の意思を尊重し、選択肢を提供しながら、サービスの質を高めること。これは、国民から電子政府・電子自治体への信頼を得るために、とても大切なことなのです。

もう一つ大切なことがあります。それは、物理的にネットワークが繋がっても、組織の文化や人の考え方、仕事の方法が変わらなければ、情報共有・活用もサービスの向上も行われないということです。

世界的に見ても、日本の電子政府・電子自治体のネットワーク基盤は、規模・技術・機能などにおいて抜きん出ています。しかし、構築・維持費用に見合うだけの利用があるかと言えば、残念ながらありません。

行政機関の組織構造や職員の考え方が変わる中で、電子政府・電子自治体の基盤が本来の価値を発揮したときに、電子政府サービスは大きく飛躍することができるでしょう。

 
電子政府・電子自治体のネットワーク基盤
  住民基本台帳ネットワークシステム 総合行政ネットワーク(LGWAN) 霞が関WAN
目的 全国規模で本人確認を効率的に行う。 地方公共団体相互のコミュニケーションの円滑化、情報の共有による情報の高度利用、国の各府省との間の情報交換(霞が関WANとの接続) 国の行政機関相互のコミュニケーションの円滑化、情報の共有による情報の高度利用、地方自治体との間の情報交換(LGWANとの接続)
住民サービスの向上と行政事務の効率化
開始 2002年8月(2003年8月より住基カード交付) 2001年10月(2002年4月より霞が関WANと接続) 1997年1月
所管・運営 総務省自治行政局(住民基本台帳ネットワークシステム推進協議会) 総務省自治行政局(総合行政ネットワーク運営協議会) 総務省行政管理局(霞が関WAN利用機関連絡協議会)
運用 財団法人 地方自治情報センター(指定情報処理機関、住民基本台帳ネットワークシステム全国センター) 財団法人 地方自治情報センター
総合行政ネットワーク全国センター
社団法人 行政情報システム研究所
霞が関WANの設置・運用
この他、政府認証基盤(GPKI)ブリッジ認証局の運用も行っている。
参加対象 市町村、都道府県、指定情報処理機関(地方自治情報センター 地方公共団体(市町村、都道府県) 国の行政機関(平成17年3月現在32機関)
通信 専用回線(認証・暗号技術を利用) 専用回線(認証・暗号技術を利用) 専用回線(認証・暗号技術を利用)
外部接続 既存住基システム(住民基本台帳電算処理システム)
インターネットと繋がらない。
地方公共団体(庁内LAN)、霞が関WAN(府省間ネットワーク)
インターネットと間接的に(庁内LANを経由)繋がる。
省庁LAN(庁舎内ネットワーク)、LGWAN(地方自治体間ネットワーク)
インターネットと間接的に(省庁LANを経由)繋がる。
利用者 市町村の職員等 地方公務員 省庁の職員(地方支分部局、施設等機関等の国の行政機関の職員を含む)
流通情報 4情報(氏名、性別、住所、生年月日)
住民票コード
これらの変更情報
電子メールや電子公文書など役所の事務処理において必要なもの全般(個人情報も含まれるが、住民票コードは流通しない) 電子メールや電子公文書など役所の事務処理において必要なもの全般(個人情報も含まれるが、住民票コードは流通しない)
サービス 住民票の写しの広域交付、転入転出の特例処理、住民基本台帳カードの交付、住基カードを利用した本人確認、国の行政機関等への本人確認情報の提供、公的個人認証サービスとの連携。 電子メール、電子文書交換、情報掲示版、WBT(オンライン)教育、各種行政用アプリケーションサービス(ASP)地方公共団体組織認証基盤(LGPKI)システムの運用、LG.JPドメイン名の運用(2002年10月より) 電子メールシステム、省庁間電子文書交換システム、国会関係事務(日程連絡等)支援システム、共通情報検索システム、統計情報データベースシステム、許認可等・国の関与データベース、国立国会図書館中央館・支部図書館ネットワークシステム
構成 全国サーバ、ネットワーク監視装置、業務端末、ICカードリーダ/ライタ、コールセンターサーバ、住民基本台帳カード委託発行装置、全国ネットワーク接続用ファイアウォールなど。 全国および都道府県ネットワーク・オペレーション・センター、LGWANアクセス回線、LGWANサービス提供設備、IC カード及びIC カードリーダライタなど。 ネットワーク運用センター、各省庁LAN、ファイヤーウォールなど。
ネットワークプロトコルは、TCP/IP。電子メールプロトコルは、X.400(JIS X 5801)
詳細は、霞が関WANの現行体系(PDF)
今後の計画等 住基カードの発行枚数増加、サービスの拡大、利用促進など。

住基カードの交付状況等(PDF:平成17年3月末現在)

ASPサービスの利用拡大、LGPKI認証局設置(平成17年5月12日現在、設置率56.4%)の推進など。 ネットワークの見直し(回線容量の増大)、電子メールプロトコル変更(SMTPに)、セキュリティ強化(政府認証基盤の認証機能を利用した電子署名・アクセス制御・通信経路の暗号化など)

霞が関WAN 及び政府認証基盤(共通システム)の最適化計画(PDF)


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