マイナンバー制度の誤解、情報連携で問題は解決されない
「ふるさと納税」の足引っ張るマイナンバー制
事務簡略化のはずが、自治体の作業が殺人的に
ふるさと納税の申請書にマイナンバーを付記することが義務づけられたが、マイナンバーは電子データでやりとりすることが法令上禁止されているため、ポータルサイトがシステム化することが現状ではできない。ワンストップ特例制度の申請者は、紙の申請書に免許証とマイナンバー通知書のコピーを同封したものを郵送で各自治体に送るしかないと。
「マイナンバーは電子データでやりとりすることが法令上禁止されている」というのは、マイナンバー法19条(特定個人情報の提供の制限)のことを言っているのだと思いますが、情報提供ネットワークシステムが稼動していない現状では、ふるさと納税ポータルサイト経由でマイナンバーを受け取ることは難しいでしょう。
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ワンストップ特例制度を利用するためには、自治体へ紙の申請書を郵送する必要があります。※一部の自治体で電子申請を受付けておりますが、基本的にWEBからの申請方法はありません。
これに対して、ネット証券へのマイナンバー提出はウェブ経由で割りと簡単にできたのですが、それもスキャンした通知カードに記載されているマイナンバーを、ネット証券側で手入力等により電子データ化する作業が発生するので、受付側の事務負担は避けられないところです。
ところで、マイナンバー制度では、その設計思想に根本的な誤解があるように思います。
その代表が「情報連携による効果への期待(仮定)」です。
マイナンバー制度の情報提供ネットワークシステム等により、国や地方の役所間の情報連携ができれば、「役所の縦割りが解消される」、「行政の事務が効率化する」、「住民サービスが良くなる」という期待は、残念ながら間違いなのです。
「役所の縦割り」は、そもそもガバナンスの問題であり、情報連携はほとんど関係ありません。
「行政事務の効率化」は、マイナンバー制度により、むしろ行政の事務負担が増えるので、マイナス効果として働きます。
「行政事務の効率化」が実現されないのですから、本当の意味での「住民サービスが良くなる」ことはありません。莫大なコストをかけて赤字覚悟で多少のサービス改善ができる程度でしょう。
マイナンバーをもう少し利用しやすいものにしたり、利用範囲を拡大することは、マイナンバーの実績を踏まえながら、必要な法改正をすれば良いので、比較的容易と言えます。その気になれば、3年ほどでできるでしょう。
ところが、マイナンバーに関連する情報システムについては、どうすることもできません。少なくとも、今後7-10年間は、数千億円の税金をかけて作られた情報システムと付き合っていかざるを得ないからです。
今後、たくさんの優秀な人たちが、「情報連携の改善」を目指して、マイナンバーに関連する情報システムの改修を行い、追加の税金が投入されていくことになるでしょう。
しかし、その延長線上にエストニアのようなデジタル政府・社会は存在しないので、日本のデジタル政府は7-10年間の遅れが決定してしまったということです。
規制改革推進会議 第1回行政手続部会 平成28年9月20日
規制改革、行政手続の簡素化、IT化を一体的に進めるために設置。規制・行政手続コストの削減にかかる経緯と現状、諸外国における行政手続コスト削減に向けた取組(英国、デンマークなど6カ国)など。ジェトロによる外国企業アンケートでは、「日本の行政手続・許認可等の煩雑さ」が、対日投資の阻害要因の1位になっていると。2017年4月までに議論取りまとめ(削減手法・目標、重点分野の決定)を予定。
平成26年所得再分配調査結果について 平成28年9月15日
年金等の社会保障や税による再分配後の所得のジニ係数は前回調査(平成23年)より若干減少し、ジニ係数でみた格差は拡大していない。
再分配による改善度は、社会保障・税の再分配機能の拡大により、格差の拡大を防止している。
再分配前の当初所得のジニ係数は前回調査より増加しているが、これは高齢者世帯や単独世帯の増加が要因。
別の見方をすれば、高齢者世帯と単独世帯の増加が続くと予想される日本では、格差の拡大は避けられないということでしょう。
「個人情報の保護に関する基本方針の一部変更案」に関する意見募集
意見・情報受付締切日:2016年10月07日
個人情報保護法に基づく監督権限の一元化及び個人情報保護委員会の独立性に鑑み、基本方針の中で示すべき内容を整理する。個人情報保護委員会の独立性を踏まえた上で、関係機関の連携・協力を明確化する。
「医療機器等における情報化進捗状況調査」の結果公表
バーコード表示割合については、販売包装単位、個装(最小包装単位)とも、昨年度と概ね同程度の割合と。データベース登録は義務化した方が良いですね。
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保育所等関連状況取りまとめ(平成28年4月1日)及び「待機児童解消加速化プラン」集計結果を公表
平成27年度までの3年間で約31.4万人分の保育の受け入れ枠拡大を達成しているものの、待機児童数は23,553人で前年比386人の増加していると。待機児童の問題は、官製渋滞みたいなものですよね。
入札公告(医療保険制度におけるオンライン資格確認に関する調査研究業務一式)
入札書及び総合評価に関する書類の受領期限及び提出場所 平成28年9月30日(金) 12時00分まで
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入札公告(医療等分野におけるネットワークの相互接続の実現に向けた調査研究業務一式)
日本年金機構の平成27年度の業務実績の評価結果について
平成28年8月29日 厚生労働省年金局
平成27年度の評価においては、平成27年度計画の達成状況に加え、平成26年度の業務実績の評価において対象とならなかった①不正アクセスによる情報流出事案発生後における機構の対応と、②その後の業務改善計画に基づく機構の取組状況を評価。
年金制度改正等への対応、内部統制システムの有効性確保、情報公開の推進、個人情報の保護に関する事項などがC評価(年度計画をやや下回っている)だったと。
国際的な存在感が希薄すぎる日本のブロックチェーン業界
ブロックチェーンの最新動向がよくまとめられています。日本国内の動きは、世界的な動向からみれば非常に限られた動きにみえると。プライベートブロックチェーンが注目されているのは、なんとも日本らしいですね。
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Ethereumを利用するが、Mijinについても以前から研究に取り組んでおり、今後並行して実証実験を行う可能性もあると。これもプライベートブロックチェーンですね。
マイナンバーカードを活用した住民サービスの向上と地域活性化の検討について(依頼)
平成28年9月16日
総務大臣から各都道府県知事宛ての依頼。民間事業者も利用できる「マイキー」部分(「公的個人認証機能による電子証明書」と「ICチップの空き領域」)を積極的に使ってくださいと。マイキーIDの仕組みが「利用者無視?」「まじか?」と言いたくなるくらいに面倒くさいと思うのは私だけでしょうか。。
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自治体ポイント管理クラウド等仕様検討会議 平成28年7月7日
児童手当てや保育施設申し込みを電子化、2017年7月以降マイナポータルで
児童手当ての手続きは自治体の窓口で申請するか、郵送する必要があったが、2017年7月からオンラインで申請できるようにして、毎年6月の現況届も2018年6月以降、オンライン申請が可能に。所得証明書などの添付書類も省略できると。
産業医が構想する未病促進の健康保持サービス。
チャットで健康相談できる「オンライン保健室」
予防医療を徹底できれば病気になるまで病院は不要なわけです。私はテクノロジーを活用して、病気になる前に予防できる専門の病院をつくりたかったと。企業においては、生活習慣病よりもメンタル不全の方が脅威なのですね。
平成29年度経済産業政策の重点、概算要求・税制改正要望について
シェアリングエコノミー推進に関するガイドライン整備、健康データの集約・分析による健康関連サービス創出、クレジット決済のIC化を通じたセキュリティ対策強化、電力等の制御系インフラのセキュリティ強化・他分野への展開など。
国産クラウドがグローバル展開できないたった一つの理由
「欧州の個人データは日本で管理したら厳しく罰せられるので国産クラウドは提供できない。でも、米国クラウドはOK」と。エストニアのeレジデンシーにとってはビジネス機会の拡大ですね。
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横浜市のHP刷新が頓挫 システム業者とトラブル
横浜市ぐらい大規模な都市のサイトとなると、大変な作業ですね。「44の区局統括本部ごとにサイトを管理・運営している」状況の原因を解消してから、HP刷新計画を立て直した方が良さそうです。