バフェットとソロス 勝利の投資学
著名な投資家であるが、投資戦略・手法が全く異なるバフェットとソロス。二人に共通する知的習慣を紹介しています。
作者は、投資関連の書籍を読むことが多い。なぜなら、電子政府は、まさに国民の税金を使った「投資」であり、その効果を測定するために、投資の知識は必須と考えるからです。
電子政府を評価する場合、いわゆる「IT投資」の知識も必要ですし、ファンクションポイント法やCOCOMOなんて用語も、知らないよりは知っておいた方が良いでしょう。
しかし、実際に役立つのは投資に関する基本的な考え方だと思います。
本書の中で、「投資のシステムを決定するにあたり考えるべき12の要素」を挙げていますが、電子政府にも役立つので一部を紹介しておきましょう。
1 何を買うか
2 いつ買うか
3 どんな価格で買うか
4 どうやって買うか
6 投資後の監視方法
9 調査の方法
12 システムがうまくいかなかった場合どうするか
これだけでも、非常に効果的な電子政府評価を実施できるでしょう。
電子政府のシステム(簡単に言うとコンピュータのハードウェアとソフトウェア)は、「本来の価値」と「市場価格」に大きな差があります。両者が一致することは滅多にありません。
「市場価格」で買うことは、「法外な値段で買わされずに済んだ」ことを意味しますが、「賢い買い物ができた」ことを意味しません。言うまでも無く、電子政府で必要なのは「賢い買い物をする」ことです。
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現在の日本の電子政府には、ほとんど「投資」という概念がありません。初めから元が取れない(絶対に損をする)とわかっているのに、何十億円もの税金を惜しみも無く使っています。
数百人から千人そこらの利用者のために、1億円のウェブサイト(年間の運用費3000万円)は作りません。千人の利用者全員に対して、年間1万円の価値を提供できても、その効果は1000万円にしかならないからです。
千人の利用者が年平均100万円の買い物や利用料を提供してくれるなら、上記のウェブサイトも「あり」ですが、電子政府ではあり得ない話です。
多くの電子政府ベンダーが提示する価格は、(高コスト体質の)ベンダーでも利益を出せる価格であり、行政や国民が得られるであろう利益とは全く関係がありません。
このことを理解するだけでも、電子政府への投資をより良くしてくれるでしょう。