図解インターネットリサーチがわかる本 [実務入門]、簡単なウェブユーザビリティテストとは
Webアンケート調査、グループインタビュー、2次データ収集検索調査、観察調査、実験やテスト、ウェブサイトのユーザビリティ調査などについて整理されており、手元に一冊あると便利ですね。
情報量が多いので読みこなすのは大変ですが、調査の企画・設計、調査会社選びなどの場面に応じて、必要な箇所を参照するのが良いでしょう。
本書でも取り上げられている「ウェブサイトのユーザビリティ調査(テスト)」について解説しておきましょう。
「ウェブサイトのユーザビリティ調査(テスト)」を実施する場合、費用はまちまちです。業者に依頼すれば、数十万円から数百万円はかかるでしょう。
今回は、ほとんどタダでできるユーザビリティテストを紹介しておきましょう。
(1)必要なもの
必要なのは、
・協力してくれる人(家族、友人、同僚など誰でもOK)
・お礼のお金や品物(友人や同僚ならランチ一回で十分)
・ビデオカメラまたはボイスレコーダー(無くてもOK)
(2)課題の設定
課題とは、利用者にとってのゴールです。
電子申請サイトであれば、
・利用者登録を完了させる
・証明書交付の申請を完了させる
といったものです。
ゴールが決まれば、ゴールまでの最短ルートを明らかにします。この最短ルートを辿る行為が、ウェブサイトの作り手が利用者に期待する行為となります。
実際は、利用者が最短ルートを辿ることは、ほとんどありません。。
(3)テストの実施
テストを始める前に、利用者に対して次のようなルールを説明しておきます。
1)自分の好きなやり方で、ゴールを目指してください。
2)心の中で思ったことを声に出しながら、作業を進めてください。
3)私からは特に説明をしません。本当に困った時にだけ質問してください。その場合も、お答えできないかもしれませんので、あらかじめご了解ください。
2)については、他のウェブサイトで少し練習しておくと良いでしょう。例えば、
『えーと、利用者登録のページは・・・「初めての方へ」とあるから、これかな?>クリック>うーん、ちょっと違うみたいだなあ・・・』
『なんか文字が小さくて読みづらいなあ。。ん?このアイコンはクリックできるのかな?』
といった具合で声に出せればOKです。相手が恥ずかしがり屋さんの場合は、あなたのオヤジギャグで緊張を解いてあげましょう。
あなたは、利用者が辿る実際のルートをノート等に書き記していきます。もちろん、あなとは別の書記がいても良いですし、複数人で記録しておけば、記入漏れも防げます。ビデオカメラ(モニターの画面を記録)やボイスレコーダで記録しておくと、後で再確認できますね。
(4)最短ルートと実際のルートの比較
最短ルートと実際のルートを比較すれば、利用者を迷わせる箇所、その原因が見えてきます。
後は、プログラマーやデザイナーと一緒に具体的な改善方法を考えて、予算や時間に応じて改善策を実施すれば良いでしょう。
『どんなユーザビリティテストも、何もしないよりは、はるかに良い』
これは、ウェブ制作やユーザビリティに携わる多くの人から聞く言葉です。
その気になれば、明日にでもできる。それが、ユーザビリティテストなのです。
参考オススメ書籍>>ウェブユーザビリティの法則 改訂第2版 スティーブ・クルーグ