大前流心理経済学 貯めるな使え!
最新刊のロシア・ショックが売れている大前氏の著書。
大前氏の良いところは、俯瞰(高い所から見下ろすこと)の景色を提供してくれるところです。
物事を考える場合、高いところから見たり、近づいて見たりを繰り返しながら、本質を理解していく必要があると思います。しかし、自分では気がつかないうちに、ついつい近視眼的になってしまうことが多い。
ですから、時々でもいいから、グローバルな視点を持った人の見識に触れることが大切かと。
また、様々なデータ(数字)も提供してくれるので、自分が特に関心を持った分野についての基データを辿り、自分の考えの根拠を確かにするのに役立ちます。
例えば、日本の港湾数の多さ、陸上物流との連携の遅れ、取扱いコンテナ数の国際比較、競争力の低下などを数字と共に理解していると、「シングルウィンドウ」と呼ばれる電子申請サービスが「見せかけだけの電子化&ワンストップ」であることもわかるのです。
こうした問題は、電子申請や電子政府だけを見ていても絶対にわかりません。利用率や利用件数だけを見て、「うんうん、順調に増えているなあ」と評価してしまうのは、とても危険なことです。
日本の競争力を低下させる要因として「行政の縦割り」や「既得権益」があり、それらが電子政府・電子申請の健全な発展を妨げていることも、関係者において理解しているようでも、実はまだまだ認識不足と思います。
本書は1年ほど前に出版されたもので、昨今の経済危機を想定したものではありませんが、今こそ「貯めるな使え」で資産運用を始める時期かもしれませんね。
「認識不足」に関して
むたさんの、
>日本の競争力を低下させる要因として「行政の縦割り」や「既得権益」があり、それらが電子政府・電子申請の健全な発展を妨げていることも、関係者において理解しているようでも、実はまだまだ認識不足と思います。
確かに、認識不足を否めない。ちょい趣旨とは違うかも知れないが、次。
http://www.news.janjan.jp/living/0812/0812012632/1.php
本人申請の権利を奪いかねない、新不動産登記法
北誠2008/12/02
妻の土地の分筆登記と交換登記を代理人申請し、登記官とのやりとりの末、無事分筆登記を完了した。しかし、今回の経験で新不動産登記法は本人申請または業としない代理人申請の権利を大きく制限するものだと感じた。
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これらの声は「点」としてはいろいろ聞くも、面として声になっていないので、なかなか行政側も認識がこうした声に向かわないのではないか、と。
今後は、こうした声が面となって拡がっていくのではないかと思われますが・・・・・
法務局は存続
月曜日の地方分権改革推進委員会で、二次勧告はでますが、法務局は予想どおりそのまま存続です。
ただ、職員は削減させられるでしょうから、さらなる支局、出張所の統廃合は進むでしょう。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/132949.html
ほんとは、この機会に登記オンラインや、イエモリさんご指摘の本人申請阻害の問題も議論されるべきだしたが、ここまでです。
猪瀬さんがもっと関心をもってくれればねえ。2月の法務省ヒアリングでは、統廃合は進んだのに人が減ってないことはかなり追求してましたが。
登記官は民間で
イエモリさん、sagoさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
イエモリさんが紹介されている記事を読むと、登記官が公務員である必要は無さそうですね。むしろ、公務員であることの弊害が感じられます。
公務員改革が遅れれば遅れるほど、骨抜きになればなるほど、そのツケを大きな代償として公務員自身が払わなければならないでしょう。「既得権益」は、麻薬みたいなものなのですから。