アフリカを変えよう ~ガーナ NGO成功への軌跡~ (BS世界のドキュメンタリー)

BS世界のドキュメンタリーで「アフリカを変えよう ~ガーナ NGO成功への軌跡~」放映されました。大変興味深い内容で、「本当の自立とは何なのか?」という意味で、日本の失業者問題を考える際の参考にもなりますね。

トップダウン方式の援助から、ボトム・アップ方式へ。キーワードとして、スキルの伝授、持続可能性、責任と信頼など。

作者が感心したのは、NGOが成長する中で、「人材」だけでなく「資金」も「現地調達」できるようになってきたことです。

これこそ、まさに「自立」の第一歩で、企業で言えば「自己資本力の強化」や「下請仕事に依存しない体制作り」ですね。

行政で言えば、地方自治体が国からの交付金に頼るのではなく、自前で資金を調達できるようになる、ということ。

日本における、非正規雇用者の失業者問題で、解雇した企業を責めるのは、ちょっと違うように思います。

企業は、慈善事業をしているわけではないのですから、違法性の高い解雇(期間満了前の一方的な解雇など)を除けば、別に悪いことをしているわけではありません。

企業は、従業員やマスコミと異なり、先を見据えて経営されますから、これからもっと大変になることを見越して、早めの対応をしているだけです。決断を先送りすれば、もっと大きな解雇を生み出すことになるでしょう。

作者が必要と考えるのは、次の3つです。

1 失業者に対して、政府が住居・必要物資・生活費を支給する

失業者に対するセーフティネットが機能していないのは、政府の責任であり、「官製不況」ならぬ「官製災害」です。地震時の被災者と同じように、最低限の生活が確保できるようにするべきです。

中・長期的には、「機能するセーフティネット」を実現するべく、グランドデザインを描いていく必要もあります。

2 雇用を生み出しそうな企業を支援する

円高や不況の煽りをまともに受けている企業に対して、「雇用を維持せよ」というのは無理があります。それよりも、この不況時をチャンスと捉え成長できる企業を支援して、新しい雇用を生み出す方が理にかなっています。

倒産しても仕方が無いような企業に対して、税金を投入し無理に延命させるのだけは止めましょう。

3 失業者に「お金」や「ビジネス」の訓練をする

失業者に対しては、「職業訓練」が必要で、就職するために必要なスキルを身に付けるべきだと言われます。

確かに、それも一理ありますが、それだけでは不十分と思います。

なぜなら、「職業訓練」だけでは、「政府や企業に依存する」という体質が変わらないからです。

今回の解雇問題を通じて、「政府や勤務先は当てにならない、助けてくれない」ことがわかりました。実は、そんなことは以前からわかっていたのですが、従業員自身がその問題から目を背けていたのです。

ガーナにおけるNGO事例を見ると、地域の人々が自ら考え、変わり、他の人々を変えていくことの大切さがわかります。

従業員自身が、「政府や企業に依存する」という考え方を変えていかない限り、彼らの現状は改善されず、一時的に改善されたとしても、いずれまた同じ問題に直面することになるでしょう。

「政府や企業に頼らない生き方」を実践するためには、「お金」や「ビジネス」に関する知識・リテラシーが必須となります。

「お金」については、「金持ち父さん貧乏父さん」や「バビロンの大富豪 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか」などを読むと良いでしょう。

ビジネスについては、以前紹介した「はじめの一歩を踏み出そう-成功する人たちの起業術」がオススメです。