わかっちゃいるけど、痩せられない―メタボの行動経済学

わかっちゃいるけど、痩せられない―メタボの行動経済学 (生活人新書)
古川 雅一
日本放送出版協会

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心理学という学問は、他の学問や分野にこそ、その利用価値があると思います。

行動経済学も、そうした試みの一つ。

考えてみれば、たいていの分野で人間の関与があるわけですから、人の心(脳)や身体、そこから生み出される行動や運動を考えること無しには、机上の空論となってしまう可能性が高いでしょう。

それにしても、人間の行動は面白い。

合理的に行動しない・できないからこそ、人間は面白いし、ビジネスや文化を生み出していけるのでしょう。

勇者たちの戦場」で、『イラク侵攻におけるブッシュ政権は、戦略性に欠け、極めて情緒的な理由や根拠で重要な場面における判断が下されていく』と書きましたが、追い詰められると、どんなに優秀なエリート集団であっても、合理的な選択をすることは極めて難しいみたい。。。

本書では、後知恵バイアスやコミットメントなどにも触れており、行動経済学の基礎を楽しく学べます。メタボに無縁でも、自分で決めた目標をなかなか達成できないという人は、一読の価値ありと思います。