着々と進められる国民と外国人のID管理、外国人も住基ネットに追加

総務省から、公的個人認証サービスの電子証明書の発行状況について発表がありました。

電子証明書の発行件数が、累計100万件を突破したとのこと。

肝心の「現在有効な電子証明書が何枚あるか」が公表されないのは、「日本の電子政府における情報公開」の未熟度を示しています。

見栄えの良い情報だけを公開する」という役所的な考えを止めるのは、まさに電子政府の重要な役割なのですから、電子政府自身が率先して都合の悪い情報でも公開していくことが大切です。

ところで、現在の「公的個人認証サービスの電子証明書」は、日本人だけを対象としており、外国人には発行されません。

というのも、公的個人認証サービスの基データは、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)から来ているので、住民基本台帳の対象外である外国人には発行したくてもできないのです。

しかし、社会保障カードなど国民のID管理に関する議論が活発になる中で、外国人のID管理についても強化されつつあります。

その一つが、現在国会に提出されている「住民基本台帳法の一部を改正する法律案」です。

この法改正により

・外国人住民を住民基本台帳法の適用対象に加える

となります。

つまり、住基ネットや住基カードの規定が、日本人と同様に外国人住民にも適用されることになります。

この法改正が実現すれば、外国人も、日本人と同様に住基カードがもらえて、恐らくは電子証明書も発行してもらえるようになるでしょう。

なお、上記の法改正は、法務省における
・現行の外国人登録制度を廃止して
・適法に在留する外国人に対して在留カードを発行する
ための法改正が成立することを前提としています。

けっこう重要な法改正だと思うのですが、マスコミではあまり取り上げていないようですね。

ということで、日本で暮らす住民のID管理は、着々と進んでいるのでした

“着々と進められる国民と外国人のID管理、外国人も住基ネットに追加” に4件のコメントがあります

  1. 住基台帳法改正、入管法改正と着々と
    >記の法改正は、法務省における
    ・現行の外国人登録制度を廃止して
    ・適法に在留する外国人に対して在留カードを発行する
    ための法改正が成立することを前提としています。

    はい、法務省は入管法改正案を国会に提出しています。

     http://www.moj.go.jp/HOUAN/houan41.html
    出入国管理及び難民認定法及び日本との和条約に基づき日本の国籍を離脱した者の出入国管理に関する特例法の一部を改する等の法律案

  2. 流れとしては
    イエモリさん、こんばんは。
    情報提供ありがとうございます。

    外国人管理の強化については、以前から続いていた流れなので、それほど違和感はないですね。

    私の周囲を見ても、外国人の態様は変わってきています。

    フィリピン人家族が両親だけ強制退去になった事案も、人道的な問題は残りますが、全体の流れを裏付けるものかと。

    日本国民(政治家や公務員も含めて)が、どこまでID管理を受け入れるかはわかりませんが、ボーダレス化やサイバー化が進む状況を考えると、受け入れざるを得なくなるように思います。

  3. 住基カードと在留カード
    >この法改正が実現すれば、外国人も、日本人と同様に住基カードがもらえて、恐らくは電子証明書も発行してもらえるようになるでしょう。

     住基カードと電子証明書の取得は任意ですよね。

     ただし、在留カードについては、特別永住者を除き、外国人に強制して発行します。在留カードにも券面情報をICチップ内に入れ込みするようです。在留カードは常時携帯の義務。

     このあたり、住基カードと在留カードで混乱しそうですよね。

  4. 在留カードと住基カード
    イエモリさん、こんばんは。
    情報提供ありがとうございます。

    在留カードと住基カードの目的は、それぞれ「管理」と「行政サービス提供」が主と思いますので、統合は難しそうですね。

    在留カードの詳しい仕様が出て来るのを待ちたいと思います。

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