ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる、若い世代が作る電子政府に期待
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)梅田 望夫筑摩書房このアイテムの詳細を見る |
「霞ヶ関クラウド」を考える際に、一度は読んでおきたいのが本書。
本書で指摘される「チープ革命」は、3年ほど経過した現在も着実に進んでいます。
電子政府における情報システム調達も、この「チープ革命」からは逃れられないのです。
ところが、電子政府ベンダーにとっては、この「チープ革命」が受け入れられません。
その流れに一生懸命に逆らおうとするものの、いたずらに体力を消耗してしまいます。
また、電子政府では、本人確認などを「より厳格に」「決して間違いのないように(そんなことは不可能ですが・・・)」と、ガチガチに固めようとする傾向があります。
それらは、ことごとく失敗し、電子政府サービスへのアクセスや利用を妨げる障害物となっています。
そもそも、インターネットは確実性の低い仕組みなのだから、厳格にすればするほど、使いにくいものになってしまいます。
で、そうした「使いにくさ」で迷惑を被るのは、大多数の善良な一般ユーザーであり、彼らは、「使わない」「離れていく」ことになります。
他方、抜け道や回り道はいくらでもあるので、一部の悪い人たちは、あまり困りません。
インターネットは、「そこそこ」で良いのです。
「そこそこに信頼できる」「そこそこに安心できる」「そこそこにお金になる」で十分であり、あんまり欲張るとろくなことがありません。
先日、アニメ業界で働く友人と久しぶりに会いました。
彼は、アニメ業界でも川上の方で働いているので、過酷な労働・賃金条件に苦労しているわけではありません。
しかし、2年ほど前に会ったときと比べて、一段とDVDの売上げが減っていると嘆いていました。
デジタルの高画質・高音質で放映されたアニメが、あっという間にネット上にアップロードされ、いくら削除要求してもキリがない。
そんな状況では、もはや、以前の(といっても5年ほど前ですが)ビジネスでモデルを続けていくことはできないでしょう。
「テレビ放映とほぼ同時に有料でネット配信する仕組みがあれば」といった考えも、無料で放送されるコンテンツに、どこまで効果があるかわかりません。
印象的だったのは、友人が
「利用者の立場に立てば、ネットでダウンロードできるのが便利に決まっている。もし、俺が高校生だったら、お金を払わずに無料で閲覧できる方法を選ぶだろう。」
と語ったこと。
実際、作者も友人も、テレビで見逃した番組をYouTubeでチェックしているのだから。。
これからは、物心ついた時から、ネットも携帯も当たり前の世代が育ってきます。
そうした世代が電子政府を手がけるようになれば、少しは電子政府も「インターネットらしく」なれるかもしれないなあ
なにしろ、今の電子政府を「あーでもない、こーでもない」と検討しているのは、作者も含めて「いい年のオッサンばかり」なのだから、これでは新しいアイデアや工夫が生まれる余地も少ないのである
座布団 5枚
>なにしろ、今の電子政府を「あーでもない、こーでもない」と検討しているのは、作者も含めて「いい年のオッサンばかり」なのだから、これでは新しいアイデアや工夫が生まれる余地も少ないのである
もう、仰るとおりです。(汗)
同じ顔ぶれが
イエモリさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
ここ十年ぐらいで、顔ぶれがほとんど変わってないんですよね。。若い人はもちろん、女性も少ないし。。
ベンダーの人も、久しぶりにお会いしたら、「部長さん」とかすごくえらくなってたりで。。。
「新鮮な空気がどんどん入ってくる仕組み」を作っていきたいですね。
外国人向けの電子政府も欲しい
例えば、お隣韓国の、
http://www.hikorea.go.kr/pt/main_ja.pt
外国人向けの電子政府webサイトです。
これは韓国内外の外国人向けとなっており、利便性が高い。
日本にも、同様な外国人向けの電子政府サイトの構築が望まれる。
まぁ、日本人向けの電子政府の総合窓口をもっと整備してからになるか。