平成21年度の電子政府評価委員会が開催、オンライン申請ではなく行政サービスの評価を
電子政府評価委員会(平成21年度 第1回)議事次第が、配布資料と共に公開されています。
作者は、今年度から委員ではありませんが、今年度の委員を見ると
・自治体からの参加委員が増えた(市川市の井堀氏、横須賀市の廣川氏)
・電子政府のエンドユーザーが参加している(電子政府推進員の柳田氏)
・電子政府の専門家が参加している(早稲田大学の小尾先生)
となっており、バランスの取れた良い人選と思います。
議題になっている「社会保険オンラインシステム最適化評価」については、社会保険の制度自体が見直しとなる可能性もあるので、慎重に進めて欲しいですね。
また、「正確な記録の管理」に加えて、「組織自体のガバナンス」を支えるシステム構成を考えることも大切です。
「オンライン申請等手続システム評価」については、評価の対象として、あまり好ましくないでしょう。
オンライン申請システムだけを対象にした評価は、国民の視点から離れ、行政やシステム構築サイドから見た評価となってしまうからです。
特定の分野や利用者を対象とした「行政サービス」として評価する。あるいは、「オンライン行政サービス」として評価することで、初めて国民の視点を取り入れることが可能となります。
「申請」行為自体は、単なるプロセスの一つであり、サービスの本質ではありません。
国民が望むサービスを追及するのであれば、
・わかりやすく役に立つ情報提供
・窓口や民間サービスとの連携
・プリントアウトや携帯転送を活用したサービス
なども対象として、サービスあるいはウェブサイトとして、どれだけ国民のニーズを満たし実際の役に立ったかを評価する必要があります。
電子政府の評価は、常に「行政の自己満足」となる危険と隣り合わせです。
謙虚さと絶え間ない学習だけが、「行政の自己満足」を防止してくれるのです。