「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート
「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)コリン ジョイス日本放送出版協会このアイテムの詳細を見る |
英国人の著者が、様々な視点から日本を紹介してくれる楽しい本。
作者がボランティアとして参加している日本語教室では、欧米人を見かけることは、滅多に無い。
アジアや南米からの外国人は、より良い仕事、より良い暮らしを求めて日本語を勉強する。
これに対して、欧米からの外国人は、すでに良い仕事と良い暮らしを手に入れていることが多く、日本語学習への強いインセンティブが働かないようだ。
日本人と結婚しても、相手が外国語に堪能だったりすると、日本語無しでもあまり困らないし。。
それでも、ごくまれに、日本語を勉強したいという欧米人に出会うことがある。
彼らは、日本語や漢字、あるいは日本語文化といったものを、単純に面白いと感じて、楽しみながら勉強しているようだ。
本書の著者は、日本語学習に苦労しながらも、英国人ならではの楽しみを見つけ、初めは苦痛だった勉強を、楽しいものに変えていったらしい。
かくいう作者も、日本語教室で日本語を教えるようになって、日本語や漢字の面白さ、奥深さ、いい加減さと緻密さなどに気がついた次第である。
日本に住んでいる外国人と話をすると、日本人より、よっぽど日本文化的な生活をしていることに気がつく。
本書の著者も、池上梅園・池上本門寺、水月ホテル鴎外荘の天然温泉など、かなり通好みのスポットをお気に入りとしている。
銭湯大好きで、常に小さなタオルと石鹸を持ち歩いているというのも、面白い。
トイレのセンサーに驚くのは、外国人共通らしい。
小便器の前に立つと自動洗浄し、事を済ませて立ち去ると、再び自動洗浄してくれることに、日本へ来た外国人が驚いているという話を、よく聞く。
その理由も様々で、
・さすがハイテク先進国だ
・日本人の「オモテナシ」文化は素晴らしい
・なんて無駄なことにお金をかける国なのだろう
日本に来たことが無い外国人に、
『日本の公衆トイレでは、小便をしようとすると、ロボットの手が出てきて、尿が飛び散らないように支えてくれる。さらに、小便を出し終わると、ロボットの手がやさしく動いて、しずくを切ってくれる。』
と話しても、たぶん信じてくれる
日本人としては気がつきにくい「日本人の国民性」「日本の良いところ、悪いところ」などを知ることで、日本が直面する問題への解決アプローチも見えてくるんじゃないのかなあ