電子行政に関するタスクフォースが発足、電子政府に詳しい人材を集めウェブ上で議論しよう
電子行政に関するタスクフォースが発足し、平成22年9月15日に第1回会合が開催され、配布資料が公開されています。
タスクフォースでは、次のような調査方針が定められています。
1 電子行政推進の基本方針の策定
2 行政サービスのオンライン利用に関する計画の策定
3 行政ポータルの抜本的改革と行政サービスへのアクセス向上
4 国民ID制度の導入と企業コードの導入
5 全国共通の電子行政サービスの実現
6 行政情報の公開、提供と国民の政策決定への参加等の推進
構成員を見る限りでは、官僚が策定したものを追記・修正するという形で作業が進められることになるでしょう。
●官主導の電子政府では、新たな展開は望めない
企画委員会の設置について(PDF)を見るとわかりますが、現在の電子政府推進体制は
1.IT戦略本部(総理大臣、国務大臣、有識者)
2.企画委員会(副大臣クラス)
3.電子行政に関するタスクフォース
4.各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議/CIO補佐官等連絡会議
といった感じです。
ところが、民主党にはITや電子政府に詳しい人材が少ないとされており、そうした数少ない人材も若手に多いため、IT戦略本部等に関与する政治家の知識・能力不足が指摘されています。
つまり、企画委員会における判断に不安があるのです。
さらに、先述したように、電子行政タスクフォースも官主導で作業が進められることが想定されるので、新しいチャンレンジや本気の行政改革は期待できないでしょう。
●行政改革、電子政府の専門家で新しい電子政府像を作れ
作者が担当大臣であれば、
・行政改革や電子政府やITの専門家を
・民間(企業、シンクタンク、学者、実務家など)や政府(国、地方)から
・国内外を問わず
・若手を中心に
集めます。人数は30-100名ぐらいでしょうか。民間の割合は多い方が良いでしょう。
議論は、基本的にウェブ上で行います。
霞ヶ関で開催する月に一度あるかないかの会議では、電子政府のスピードに対応できるわけもありません。
アイデアボックスなどの試みでもわかるように、ウェブ上で行えば、意見の集約や整理が効率的に行えます。厳選した人材であれば、荒れることも無いでしょう。
このウェブ組織を、仮に「日本の将来に必要な電子政府を作る会議」としましょう。
ここでは、官が作った案を土台にしません。現状の分析から課題の抽出まで、本会議で行います。
もちろん、優秀な官僚には、必要なデータの収集、資料の作成などをお願いします。
「日本の将来に必要な電子政府を作る会議」は一つの案ですが、今後の日本に必要な電子政府は、政治家にも官僚にも多くを期待せず、国民自身が中心となって考え作り上げていくものであることは間違いないと思います。
電子行政に関するタスクフォースにおける検討課題を整理した資料(PDF)は良い内容だと思いますが、これらの課題にどう対応するかは、民主導で考えていくべきです。
しかし、最終的に実践し変わっていかなければいけないのは、省庁や自治体であり、そこで働く公務員であることは、言うまでもありません。