人口負荷社会

人口負荷社会(日経プレミアシリーズ)
小峰 隆夫
日本経済新聞出版社

「人口負荷」とは、「人口オーナス」を言い換えたものだそうです。

「人口オーナス」は、「人口ボーナス(人口に占める働く人の割合が高まること」に対する考え方で、働く人の割合が低下すること。

つまり、「人口総数」や「人口減少」が問題なのではなく、「人口構成」に注目しましょうと。

人口ボーナスの終焉や人口構成の変化によって、経済や社会保障が影響を受けることは、日本でも1980年代頃から指摘されていたようです。

しかし、問題の先送りを続け、あれよあれよと言う間に、ここまで来てしまったと。

本書における分析は、一般的とまでは言えないものの、多くの人が理解しており、対応策についても出揃っているように思います。

問題は、「実行するのが非常に難しい」ということでしょうか。

若者だけでなく、高齢者も負荷を実感し、国民全体が危機感を持ったときこそ、そのチャンスだと思うのですが、それは果たして何年後のことなのか。

ところで、史上最速と言われる日本よりも、速いスピードで少子高齢化が進んでいる韓国も、人口オーナスへの対応を急いでいるようです。

関連>>人口オーナス社会における少子高齢化対策:韓国の「少子高齢社会基本計画(セロマジプラン2010)」を中心に(PDF)

韓国で戸籍が廃止され、個人登録へと移行したのも、人口オーナスへの対応だったのかもしれないなあ。

つまり、「子供を作る=結婚」という価値観や常識からの脱却として。

考えてみれば、欧米の映画やドキュメンタリーを見ていると、シングルマザーはもちろん、同性愛カップル2組(男男、女女)が協力して子供を作ったりする場面とかも出てくる。

アジアに比べると、「子供を作ること」への間口が広いんだろうな。

“人口負荷社会” に1件のコメントがあります

  1. 日本は既に詰んでいるかも:人口負荷社会
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