わたしたち生活者のための「共通番号」推進協議会が発足、求められるのは強いリーダシップと実践力

本ブログでもご紹介した、わたしたち生活者のための「共通番号」推進協議会の発足シンポジウムが開催されました。当日の様子は、配布資料や動画も含めて日本生産性本部のホームページ「わたしたち生活者のための「共通番号」推進協議会 発足シンポジウム」で公開されています。また、既にテレビや新聞でも報道されています。

共通番号制度“早期導入を”(NHKニュース、動画付き)
「共通番号制度」に意欲 野党3党も賛同示す(テレビ朝日:youtube動画)

玄場氏「税と社会保障で与野党協議を」(日本経済新聞)

『共通番号』導入で一致 与野党4党(東京新聞)
『共通番号』導入されると(Q&A形式で解説:東京新聞)

シンポで井上幹事長 与野党協議を早急に(公明新聞)
共通番号シンポ 消費税増税への布石? 首相、与野党協議に意欲(MSN産経ニュース)
首相、共通番号は超党派で議論を 自公も必要性に賛同(北海道新聞)

この中では、産経ニュースが比較的に詳しくまとめていて、「共通番号制度」の用語解説もあります。東京新聞のQ&A形式も良いですね。

関連して、[動画]「時代が要請」 新たな番号制度(テレビ東京)もオススメです。「本人も知らない自治体の番号制度」として、現在の名寄せ処理の実態(非効率さ)が良くわかります。韓国の事例も紹介してます。

「共通番号制度」については、今のところはマスコミも中立的または好意的に受け止めているようです。もちろん、制度に反対する動きもあります。

国民ID制度:「個人情報に影響大」 名古屋の検討委、河村市長に意見書 /愛知(毎日新聞)
国が検討している社会保障・税の共通番号及び国民ID制度が市民生活に与える影響について(意見書)

■シンポジウムの概要

開催されたシンポジウムの趣旨や内容を簡単にまとめると

・政府、民主党としては共通番号を導入したい
・野党3党(自民、公明、みんな)も導入には賛成
・急がば回れで、国民の合意形成に時間をかける
・生活者の視点から安心や利便性を考える
・財政や社会保障などの改革と一体で進める
・わかりやすい言葉でメリットや必要性を説明する
・良いことだけでなく、コストやリスクなども説明する
・共通番号を通じて、国民と政府の関係を作り直す
・共通番号を使い、行政の透明化や効率化を向上する
・セキュリティには万全を期す必要があるが100%安全は不可能
・制度全体として、多数の国民が納得できる安全・安心が必要

また、最後のアピール(PDF)では

1 安全・安心の原則
2 国民本位の原則
3 合意形成の原則

を強調していました。

■求められるリーダーシップと実践力

個人的には、とても良いシンポジウムだったと思います。なぜなら、北川正恭代表が「共通番号制度を導入する」という力強い意志を示したからです。それは、

・「検討した」結果、やっぱり導入できませんでした
・導入したけど、使い物になりませんでした

にはさせないという決意表明です。

共通番号制度だけでなく、今の日本に必要なのは、こうした力強いリーダーシップと決意表明だと思います。リーダーが断固やり抜くという意志を強く示せば、有効な対案の無い反対意見よりも、「どうすれば良いものにできるか」「悪い結果を防げるか」といった建設的な意見が集まってくるでしょう。

加えて、「実践力」も必要です。賛成者も反対者も幹事会メンバーに入れ、政党を超えた議論ができる体制を作り上げたのは、素直に敬意を表します。

今回のシンポジウムにより、良いスタートが切れたと思います。まだまだ先の長い険しい道のりを、いかに持続して乗り越えていくことができるか楽しみです。もちろん、作者も微力ながら協力していきたいと思います。