売れ続ける理由~一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法、成熟型社会の電子政府サービスを考える
売れ続ける理由~一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法 | |
佐藤啓二 | |
ダイヤモンド社 |
電子政府サービスを考える上で、リアルな現場のサービスから学ぶことは多い。
本書でも、「ただ売っているのでは、絶対に売れないのです」とか「お客様あっての商売だから、まずお客様に喜んでもらえる商売をやりましょう」といった、電子政府サービスの基本としたいような格言がたくさんちりばめられています。
日本が成熟社会へ移行し、高齢化や人口減少が進む中で、いわゆる拡大型のビジネスモデルで成長を続けていくことは難しくなってきました。コンビニ業界などが、その例でしょう。
電子政府サービスも同じで、アクティブなネットユーザーを対象にしたサービスよりも、高齢者やその家族を支援するようなサービスの方が、ニーズが高くなってくるでしょう。
社会保障と税の番号制度、国民ID制度、アイデンティティ連携、議論がかみ合わない理由(後編)で
『しかし、今の日本にとって、どちらが必要か。優先順位はどちらにあるのかと問われれば、「識別番号連携」つまり「番号制度の導入」であると思います。少子高齢化が進む中で、一定の行政サービス水準を維持していくためには、本人の要求や同意ではなく、法令に基づいて行政のバックオフィスで粛々と処理される「識別番号連携」が欠かせないと思うからです。オフラインや紙情報との親和性の高さも、行政の現場では大きなポイントとなります。』
と書いたのも、日本の現状や将来を見据えてのものです。
成熟型社会の電子政府サービスを考えた場合、やはりシンプルで使いやすい設計が大切と思います。
機能や選択肢は最小限にして、迷いようのないサービス。
免許の更新サービスなら、もうそれだけしかできなくて良いと。
追加の機能については、利用者が増えて、要望が多くなってきてから考えれば良いと。
iPadのように、高齢者にも優しいタブレット型端末が充実してくれば、電子政府サービスアプリも増えてくるでしょう。
必要は発明の母なり。
韓国やシンガポールに先駆けて、日本が「成熟型社会の電子政府サービス」先進国となることも、夢ではありませんね