電子政府の総合窓口(e-Gov)の検索機能が改善、民間活用で費用をかけずに利便性を高める

日本の電子政府ポータルサイトとして機能する「電子政府の総合窓口e-Gov[イーガブ]」にある「行政機関等ホームページ検索」の使い勝手が格段に良くなりました。

「行政機関等ホームページ検索」は、国の行政機関や独立行政法人等のホームページを横断的に検索できる機能ですが、これまでは「検索結果に欲しい情報が表示されない」といった印象があり、作者自身もあまり使っていませんでした。

ところが、試しに「番号制度」で検索してみると、まさに欲しい情報がピンポイントで表示されるではありませんか。続けて「社会保障改革」や「震災ボランティア」などで検索してみましたが、同様に有益な情報へたどり着けました。

イーガブの注記を見ると、「当サイトのウェブ検索は、Yahoo!検索カスタムサーチを使用しております。」とあります。つまり、これまで自前で構築・運用していた検索機能から、多くの人に利用されている民間提供の検索サービスを採用しているのです。

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政府ウェブサイトのユーザビリティ(使い勝手、使いやすさ)やアクセシビリティ(利便性、利用しやすさ)の向上は、電子政府が抱える課題の一つですが、その一つの解決方法として民間サービスの活用があります。民間サービスを活用することで、「最小限の費用で、より大きな効果を上げよう」という考え方です。

今回の震災では、政府や公務員の活躍と共に、地域コミュニティ・企業・ボランティアといった民間パワーが大きな役割を果たしています。これまで以上に、政府機関によるAPI公開のニーズも高まっているようです。

民間の活用は、「最小限の費用で、より大きな効果を上げる」だけでなく、もう一つ大切な効果(期待)があります。それは、国民や企業等が、行政・公共サービスの「お客様」から「パートナー」になってくれることで、新しい信頼関係・協力関係を構築していけるということです。

政府の財政や人材に余裕があれば、国民や企業が「お客様」であっても良いでしょう。しかし、これから労働人口が減り公務員も削減され使える予算も縮小していくことを考えると、国民や企業が一緒になって行政・公共サービスのことを真剣に考えてくれる「パートナー」になってくれないと、サービスを維持・向上していくことは難しいと思います。

そうした視点からも、電子政府におけるますますの民間活用を期待しています