電子行政研究会公開セミナー「マイナンバーの活用はどんな未来を拓くか」の議事要旨と講演資料

本ブログでもご案内させて頂きました、電子行政研究会公開セミナー「マイナンバーの活用はどんな未来を拓くか」議事要旨と講演資料が公開されました。ご関心のある方は、ぜひご覧ください。

http://www.egyousei.jp/seminar/02/houkoku.html

■基調講演:大串 博志 氏 (内閣府大臣政務官)

日本では個人の情報が得にくく、生活困窮や生活保障のニーズに関する情報が極めて少ない。財源が限られる中で社会保障を効率的に届けるために、番号制度は重要である。

■講演:自治体はマイナンバーをどう活用するか
 足立 祥代 氏 (国際公共政策研究センター 主任研究員)

今の行政サービスは、人生を点で支えるものが多い。マイナンバーの導入によって、どんなライフステージでも市民を見失わず、切れ目なく支えることが可能になる。

■講演:マイナンバーの先に見える未来
 榎並 利博 氏 (株式会社富士通総研 主席研究員)

国民の健康や生命を守るためには、医療介護分野で統一的な番号による情報の連携が必要。災害時の被災患者支援でも、マイナンバーを民間が利用できれば迅速な対応に役立つ。

■パネルディスカッション
 山田肇東洋大学教授(司会)
 講演者(足立氏・榎並氏)
 内閣官房参事官の阿部知明氏・奈良俊哉氏
 東京大学大学院の須藤修教授
 高井崇志衆議院議員

自治体では今後、データベースを軸にした業務、プッシュ型サービス、総合窓口への転換、さらにクラウドの共同利用が進む。法案成立後、こうした動きを全国的に進めることになる。

災害時に個人情報をどのように読みだすかについては国民的な議論が必要。災害時の安心安全と情報セキュリティがトレードオフの関係になる。戸籍情報も連携できれば、被災者の親族関係を確認し、適切な遺産相続や資産管理が実現できる。

米国では、行政機関が保有する個人の情報を外部提供し、官民が協力して公共的役割を担う「Government2.0」の考え方が進んでいる。そのためには、守るべき情報、匿名化して活用する情報、新しい公共の在り方等について番号制度をからめて議論する必要がある。

マイナンバー法案の成立は早くても5月といった状況で、関連する国民ID制度や医療分野における活用など、まだまだ不透明な部分が多いですが、社会保障制度と税の一体改革に必要なインフラ整備としてしっかり進めて欲しいところです。