NHKスペシャル|いま年金に何が~AIJ事件 そして公的年金~
NHKスペシャル「いま年金に何が~AIJ事件 そして公的年金~」を見ましたが、年金の実態を割りと現実的に描いていたことに、ちょっとビックリ&感心しました。
AIJによる虚偽の運用報告はひどいことですが、多くの人が「年金」に対して誤解や幻想があるように思いました。
goo辞書で「年金」の意味を調べてみると、
終身または一定期間にわたり、毎年定期的に一定の金額を給付する制度のもとで、支給される金銭。
とあります。これだけ見ると「まさに夢のような制度」ですが、年金を給付するためには資金が必要です。その資金は税金や保険料だったりで、結局は誰かの負担となっています。
つまり、「年金」も「投資」の一種であり、「投資」である以上は「ゼロ」になるリスク(可能性)が必ずあります。
しかし多くの人は、「自分が払った保険料以上に年金をもらいたい」「できるだけたくさんもらいたい」と思っています。
人間の金銭欲は、最初はささやかなものであっても、それらが集まると「強欲」になり、ついには暴走し始めます。
具体的には、より高い利益を求めて、より危険な手段を選んでしまうのです。
AIJが起こしたことは、国民一人ひとりの欲が積み重なった結果であり、「今さら損きりできない」という判断の先送りが招いた被害の拡大であると、投資の観点からは言えるのではないでしょうか。
公的年金も同様で、現在年金をもらっている人や、近い将来年金をもらうことになる人たちが、「自分が払った保険料以上に年金をもらいたい」「できるだけたくさんもらいたい」と主張し続ければ、必ずそのツケを払う時が来るでしょう。
そして、そのツケを払うのは政府ではなくて、国民自身なのですね