社会人になったら読む 新「経営学」のきょうか書、電子政府でも進む迅速性・機敏性の重視

社会人になったら読む 新「経営学」のきょうか書―世界でいちばん簡単な
宮崎 哲也 (著)
秀和システム

一般向けに書かれた経営学の入門書。

こうした誰でも読みやすい本は、誤解もされやすいのですが、けっこう勉強になります。

難しいことを簡潔にわかりやすく伝えることは、電子政府にとっても大切な要素だからです。

内容も、経営学の基本から、経営管理、組織・人事管理、生産管理、経営戦略、マーケティング、財務管理と多岐に渡っています。「社会人になったら」よりも「公務員になったら」読みたい内容と言えるでしょう。

「マーケティング3.0」や「CSR(企業の社会的責任)3.0」とか、時代はバージョン3.0に突入しつつありますが、注目したいのは「アジル・コンペティション(迅速性や機敏性を重視した競争)」などの動きです。

電子政府の分野では、大きな動きがいくつかあります。

一つは、市民参加や他業種によるコラボレーションの動き。

オープンデータにも、コラボレーションから新しいビジネスやイノベーションを生み出せないかといった視点があります。

もう一つは、環境の変化に柔軟かつ迅速に対応していける組織作りです。

ここには、迅速な意思決定と試行錯誤(トライ・アンド・エラー)などが含まれます。アジャイル開発やリーンスタートアップなども、その一例ですね。

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これからの電子政府で必要なのは、「Aglie(敏捷な、機敏な)」であること。

別の言い方をすれば「adapt and transformation(適合と変革)」が、行政(組織)、公務員(人)、業務(仕事のやり方)の全てに求められています。

自民党政権において電子政府を進める際にも、上記2つの動きも上手く活用することが有効でしょう。

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