つぶやき電子政府情報(2013年2月5日):マイナンバーは「忘れられない権利」を重視する

NHKのニュースで「マイナンバー法案」来月にも提出へと報道されたこともあり、ちょっとだけマイナンバー制度に注目が集まったようです。とは言え、実際に法案が成立するかは、まだまだ微妙なところ。内閣官房等では、既存の法案を前提とした関連調達が実施されていますが、本格的なシステム調達については政府CIO制度の確立に合わせる形で、慎重に進めて欲しいと思います。

ネット上の意見を見ると、「国民一人一人に番号を割りふる」といった説明があるため、「(在日問題等を引き合いにして)外国人には番号が振られない」と誤解している人が多いようです。マイナンバーリーフレット(PDF)のQ&Aにもあるように、現法案では、日本に適法に在住する(住民票に記載がある)外国人住民にもマイナンバーが交付されることになっています。

悪質ユーザーを排除!クレジットカード業界の弱点に切り込むベンチャー
http://case.dreamgate.gr.jp/smart-business_detail/id=1548
マイナンバーで実現したいことの一つに「不正受給の防止」がありますが、記事にある企業が提供するサービスは参考になるでしょう。不正ユーザーを自動的に システムで検出し判断する「自動審査機能」と、システムでは判断できない時は人間が調査する「目視審査機能」の2つで構成し、非常に高い検出率を実現。悪 質なユーザーが氏名・メールアドレス・住所などの情報をわざと一字違いで入力したり、旧漢字で入力したとしても、同一人物であると判定する高精度の「名寄せ技術」が同社の強みと。

マイナンバーにより確実に個人を識別・特定し、特定された個人の税・社会保障に関する情報を迅速かつ正確に収集・処理できなければ、わざわざマイナンバーを導入する必要はありません。引越しして住所が変わっても、結婚して名字が変わっても、転職しても、国籍が変わっても、つまり時間と場所を越えて税・社会保障に関する個人情報を追跡・収集・名寄せできることが必要なのです。

そこで重視されるのは、「忘れてもらう権利」ではなく「忘れられない権利」なのです。より重視すべきは「名寄せされない権利」ではなく「正確に名寄せされないことで侵害される権利」なのです。保険料や税金を払ったのに忘れられたり、自分以外の人が払ったことにされたら、やっぱり困りますから。


 

生体認証の利用促進に向けた「生体認証導入・運用の手引き」等を公開
http://www.ipa.go.jp/security/fy24/reports/bio_sec/index.html

バイオメトリクス・セキュリティに関する調査報告書、生体認証導入・運用の手引き、生体認証利用のしおりを公開。利用事例が多く参考になります。厳格なセキュリティ用途よりも、利便性重視の利用形態が増えていくのかな。

「社会インフラとしてのクラウドに求められる信頼性とサービス継続のための条件について
http://www.ipa.go.jp/about/technicalwatch/20130131.html
クラウドの停止リスクの回避及びデータセンター間の移転等の課題に関する整理と提起。クラウドの基盤が停止したときにクラウドの機能やサービスを維持するために相互運用性や移植可能性が必要であり、その実現のための技術標準化が重要と。

第27回医療情報ネットワーク基盤検討会の開催
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002ujcz.html
処方箋の電子化について。平成25年2月20日(水)厚生労働省で開催。一般傍聴も受付。

情報提供ネットワークシステム等の安定稼働に資する要件に関する調査研究の入札公告
平成25年2月1日 
http://www.e-procurement.cao.go.jp/choutatsujouhou/0000020165/1000020165.html
履行期間は平成25年3月13日から平成26年3月31日。技術等提案書等の提出期限は平成25年2月13日。入札及び開札の日時は平成25年3月8日。
関連>>マイナンバー関連の調達情報(内閣官房)
http://www.cas.go.jp/jp/cyoutatu/index.html

国と地方の協議の場 平成25年1月15日
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kyouginoba/2013/dai1/gijisidai.html
経済対策、平成25年度予算編成及び地方財政対策について協議。地方六団体からは、地方交付税総額の確保、地域自主戦略交付金の見直しなどを提言。自動車取得税及び自動車重量税については、道路整備などに対する貴重な財源であることから基本的に堅持すべきであり、具体的な代替税財源を示すことなく見直すことは断じてあってはならないと。

モバイルマルウェアの99%がAndroid標的、Kasperskyが報告書
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/security/20130204_586240.html
安心感という観点では、まだアップルのiOSが優位ですね。

「テレワークセキュリティガイドライン(第3版)」(案)に対する意見の募集
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu02_02000059.html
民間企業等がテレワークの実施に当たって情報セキュリティ上留意すべき点を整理したガイドラインの改訂案。シンクライアントの利用、スマートフォン・タブレット端末の普及、クラウドサービスの登場等の最新事情を踏まえて追記・更新しています。用語集も新たに追加。平成25年3月5日(火)まで意見募集。私の場合、自身のパソコンのセキュリティに配慮する以外は、データのやり取りは「メール+パスワード付きファイル」が主流です。クラウド環境で、勤務者以外が多く参加するような仕事の形態が増えると、テレワーク的なセキュリティ対策では追いつかないでしょう。

オープンデータアイディアボックス
http://opendata.openlabs.go.jp/
総務省と経済産業省が共同で運営する「オープンデータ」の意見募集サイトが、1ヶ月の期間限定で設置されました。「公共データの利活用アイデア」「公開希望データ」「公開や利用のルール」などに分類。2月4日13時現在で登録者は135人、25のアイデアが出ています。
関連>>政府がオープンデータのアイデア募集窓口を開設、行政保有データの活用促進へ
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130201/453521/

英国政府、「ビッグデータ」を支援
http://wired.jp/2013/01/29/government-science-spending/
英国の科学分野への追加支出約854億円のうち、1/3弱がビッグデータ関連と。地球観測や医療などのビッグデータを分析する設備の拡充に1億8,900万ポンド(約269億円)が使われるとあるように、現在はビッグデータやオープンデータ関連の仲介業ばかりが儲かる仕組みになっており、いびつなエコシステムでしかありませんね。
関連>>ICTとデジタル機器で“健康ビッグデータ”利用推進
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130131/453328/

オープンデータ社会(7)公共データへの産業界からの期待
http://blogs.itmedia.co.jp/business20/2013/01/post-4140.html
gコンテンツ流通推進協議会の「官民連携による公共データの戦略的利活用に関する提言」などを紹介。政府のオープンデータを進める具体的なアクションは整理されてきたので、これらの戦略化が求められるのだけど、日本は戦略が苦手なんですよね。
関連>>電子行政オープンデータ戦略のまとめ
http://blogs.itmedia.co.jp/business20/2013/02/post-8ec3.html

“自治体のビックデータ活用”と“政策マーケティング”で自治体の政策や行政サービスは大きく変わる
http://agora-web.jp/archives/1516111.html
オープンデータやビッグデータにおける政府や自治体は、データ提供者としての側面が強調されますが、実際にはデータ利用者としての機会が増えてくるように思います。「攻めの経営」をする自治体や首長にとって、オープンデータの流れは嬉しいはず。

ネット選挙解禁へ、自民党の方針固まる
http://www.jimin.jp/activity/news/119859.html
選挙制度調査会・インターネットを使った選挙運動に関するプロジェクトチームの合同会議が開催され、ネット選挙解禁に向けた自民党の方針が固まり、今後の各党協議での取り扱いは逢沢一郎会長と平井たくや座長に一任されたと。インターネットの選挙利用を政党や候補者だけでなく第三者にも認め、選挙期間中に発信できる文書図画の対象として、ホームページやメールのほか、Facebook、twitterなどのSNSも含めた全面的な解禁を提案。省庁の拡大解釈が国民全体の権利を侵害する事例を一つずつ解消していくことは、政治の大切な仕事です。
関連>>ネット選挙がやっと動き出した
http://agora-web.jp/archives/1516293.html

大震災で明らかになった自治体ICTの課題と教訓[後編]
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20130111/449144/?s2p
避難所開設から震災発生1週間後までの事象と課題を整理し、現状認識と教訓をまとめています。情報共有、情報提供にICTが貢献できる余地は大きいです。生活再建の各種手続については、クラウド・SaaS形式で全ての自治体が共通利用できるようにシステム化して、日常的な情報共有や訓練ができるウェブサイトを国と自治体が共同で開設・運用すれば良いでしょう。国と地方が連携する共通システムの構築は、政府CIO制度に期待されることの一つです。

ソーシャルログインとは?他サイトとの連携進むSNS
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/trend/20130122/1077022/?bpnet
「ソーシャルログイン」という言葉が定着するのかな。基本的に、win-winの関係にあるサービス間では連携が進むでしょう。他方、ソーシャルログインが電子政府サービスと連携する可能性もありますが、まだまだ課題が多いですね。

行政改革推進本部(第1回会合)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/gyoukakusuisin/dai1/gijisidai.html
行政改革推進本部の設置、行政改革推進会議の開催、行政事業レビューの取扱いなど。行政改革推進本部と行政改革推進会議の構成員として政府CIOの参加を決定して欲しかった。まともな電子政府の実現には、行政改革との一体的な推進が不可欠です。

施設情報の二次利用とは(金沢市)
http://www4.city.kanazawa.lg.jp/11010/opendata/index.html
石川県金沢市によるオープンデータの試み。市有施設等の公共データを二次利用可能なかたちで提供し、民間事業者等の様々なウェブサービス等に活用してもらい、市民の利便性向上や地域の活性化につなげていきたいと。テキスト(CSV)形式とAPI方式で公開。今後もデータが整備されたものから順次提供していく予定。
関連>>データシティ鯖江(XML,RDFによるオープンデータ化の推進)
http://www.city.sabae.fukui.jp/pageview.html?id=11552

「“自己満足”のオープンデータを改める」遠藤政府CIOが意欲
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130129/452711/?s2p
成果指標や費用対効果を明示しながら、ユーザー視点でオープンデータを進める。これは、申請・届出のオンライン化(多くが失敗)から学んだことなので、税金を投入するのであれば必須の条件ですね。オープンデータポータルの開設は、海外の類似事例に加えて、「クックパッド」など優良な国内民間サービスを参考にすると良いでしょう。
http://cookpad.com/

13年度予算から浮かび上がる政府CIOとマイナンバーの行方
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20130112/449250/?mle
内閣官房、総務省、厚生労働省の概算要求見直し案から、政府CIOとマイナンバーの今後を読み解く記事。IT投資は見える化と共にシステム化・効率化を進めて欲しいのですが、実現には業務改革や人事統合なども含むので難しそう。マイナンバーは今国会中に法案が通ると、各省庁や自治体の対応スケジュールはかなり厳しいはず。

第8回 仮想政府セミナー「米国政府エンタープライズアーキテクチャ再考」
http://www.iais.or.jp/ja/seminar/20130222.html
奥村裕一先生が関わるセミナー。2013年2月22日(金)東京大学(本郷キャンパス)、参加は無料。元米国連邦政府行政管理予算局チーフアーキテクトのリチャード・バーク氏、財務省、経済産業省、金融庁のCIO補佐官もパネリストとして参加予定。

スマートフォンの時代は終わる
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130125/242772/?P=1
スマホに代わる次世代端末の登場は、将来必ず起きることでしょう。とりあえずは、大画面タブレットの軽量化を望みます。iPad4が今より半分の重さなら、画面はもう少し大きい方(11-12インチぐらい)が嬉しい。

白書や統計などの公表データがより一層活用しやすくなります
~オープンデータ実証用サイト「Open DATA METI」(β版)の公開~
http://www.meti.go.jp/press/2012/01/20130128006/20120128006.html
経済産業省が保有している白書や統計などの公表データを、これまで以上にビジネスなどの民間での利活用につなげるため、より加工しやすい形で保有データを公開。
関連>>IT融合フォーラムワーキンググループ
http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/it_yugo/index.html#03

第3回 日本経済再生本部
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/dai3/index.html
成長戦略の策定方針等について議論。新たな成長戦略、第1回産業競争力会議において洗い出された課題等を踏まえて、総理指示を発表。
関連>>【総理指示】第1回産業競争力会議の議論を踏まえた当面の政策対応(PDF)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/dai3/siryou03.pdf
規制改革の推進、イノベーション/IT政策の立て直し等を指示。情報通信技術(IT)政策担当大臣は関係大臣と協力して、省エネ社会の実現、遠隔医療の実現、自宅で働ける環境の整備等幅広い分野でIT技術が活用される世界最高水準のIT社会を実現するべく、IT政策の立て直しを検討すること。

オープンデータ社会(6)日本におけるオープンガバメントの取り組み
http://blogs.itmedia.co.jp/business20/2013/01/post-905c.html
これまでの取組みが解説付きで整理されています。経済産業省が地道に切り開いてきた活動が、国としての施策となり、政府CIO制度等の他の施策や省庁とのコラボへ展開していく段階にあると言えるでしょう。「行政機関における情報分析ツール活用ガイド」は改めてチェックしておきたいです
ね。

オープンデータ社会(5)米国政府におけるビッグデータ関連政策
http://blogs.itmedia.co.jp/business20/2013/01/post-83cf.html
米国政府機関におけるビッグデータの活用状況を概観。政府機関での課題解決におけるビッグデータ活用が進む一方で、まだまだ活用は十分でないと。各機関でデータの活用格差が開きそうです。

Open growth Stimulating demand for open data in the UK
http://www.deloitte.com/view/en_GB/uk/market-insights/deloitte-analytics/bfb570a79416b310VgnVCM1000003256f70aRCRD.htm
英国におけるオープンデータに関する調査レポート。オープンデータのビジネスモデルやエコシステムを考える上で参考になります。実際に公開されているデータセット(供給)と、公開が期待されているデータ(需要)の間に、まだまだ開きがあるようです。