「未来型国家エストニアの挑戦」出版記念セミナー、エストニア首相スピーチ, e-Residency, Fintech など

4/6(水)13:00:「未来型国家エストニアの挑戦」出版記念セミナー開催
http://www.jeeadis.jp/information–press-release/461300
エストニア共和国 首相スピーチ/eSparQ 代表 小森氏による e-Residency,Fintech,ブロックチェーン最新状況報告!

日本・エストニア/EUデジタルソサエティ推進協議会 (JEEADiS)で、「未来型国家エストニアの挑戦」出版記念セミナーを開催することになりました。出版記念セミナーは無料ですが、定員数が少ないので、早めにお申込みください。
 
サブタイトルにある通り、エストニア共和国のロイヴァス首相(まだ30代です)から、応援スピーチを頂けることになりました。また、すでに有名な電子政府だけでなく、小森努ガブリエル氏からFintech,ブロックチェーン等の最新状況もご報告いただきます。
 
エストニアとフィンテックやブロックチェーンは、何か関係あるの?と思われるかもしれませんが、下記の日経BP社の記事にあるように、エストニアの政府や企業は、FinTech革命の実行者であり、当然ながらブロックチェーン技術の活用にも積極的です。
 
エストニアの国民IDカード制度がFinTechと融合してとんでもないことになっていた
プラスチックカードを発行せず、モバイルアプリ内に銀行独自のバーチャルなクレジットカードを即時発行。本人情報や年収などの情報は、エストニア政府が運営する公的データベースでユーザーの申告と照合され、瞬時に審査が完了すると。XロードとeIDカードの信頼と実績があればこそのビジネスモデルですね。
 
エストニアのこうした動向は、政府の戦略的なものと考えた方が良さそうです。
 
エストニアでは、電子政府で行政のデジタル化や効率化を一通り済ませてしまい、大きな効果を上げていますが、やり尽くした感があります。絞りきった雑巾のようなものですね。
 
そもそも電子政府は内向的なものであり、積極的に外貨を稼ぐようなものではありません。もちろん、電子政府システムを海外に売るというビジネスは一部でありますが、大きな市場には育っていません。
 
そこで考えられたのが、e-Residency(電子居住)という仕組みです。エストニアでは、国民IDカードやXロードを基礎とした信頼のフレームワークが確立しており、これを世界中に拡大していくものがe-Residencyです。
 
信頼のフレームワークは、eコマースにおける大切な要素ですが、特に金融サービスでは法令上の義務として本人確認等が必要なことがあるので、グローバルで使える信頼起点のニーズは高いと言えるでしょう。
 
電子政府と異なり、金融市場は規模も大きく、グローバルな展開がしやすい面があります。FinTechの登場により、未開拓な成長市場としての期待も高まり、投資が集まりやすくもなっています。ですから、e-Residencyを進めるエストニアが、FinTechに目を向けるのは自然なことと思います。
 
ブロックチェーンという言葉も、「未来型国家エストニアの挑戦」の序文でエストニア政府CIOのコトカ氏が普通に使っています。エストニアでは、かなり早くから改ざん検知の用途でブロックチェーンが使われていますし、日経BP社の記事にあるようにプライベートブロックチェーンはe-Residencyと相性が良いと言えるでしょう。
 
今回の出版記念セミナーは、エストニアのデジタル社会、エストニアとFintech,ブロックチェーンとの関係性などを知るための入門セミナーと考えていただければ幸です。
 

 未来型国家エストニアの挑戦 電子政府がひらく世界 (NextPublishing)

ラウル アリキヴィ (著), 前田 陽二 (著)
インプレスR&D

 
地方税ポータル「eLTAX」はなぜActiveXを採用したのか、地方税電子化協議会に聞いた
地方税の電子申告そのものには、ActiveXは不要。ActiveXが必要になるのは、eLTAXの新規利用届出を受け付けるシステムで、これは初回登録として1回だけ使うもの。公的機関ごとに異なる電子署名モジュールを採用しているのは問題で、セキュリティと利用者の利便性向上を考えながら、対応を考えたいと。エストニアから学べることは多いですね。
関連ブログ>>日本の電子政府サービスが「時代錯誤」にならないために
マイナンバーカードと公的個人認証を官民ID連携のインフラにしたいのであれば、エストニアにならい、国(政府CIO室または総務省)が責任主体となって、官民で使える電子署名モジュールを提供し、どの汎用ブラウザでも電子申請・申告等のオンラインサービスが快適に利用できるようにするべきでしょう。
 
保育園問題とは、不足よりも認可/無認可の格差 — 筒井 冨美
日本には「補助金をたっぷり使って、設備が充実して低額な認可保育所」と「わずかな補助金で、設備もイマイチで高額な無認可保育所」が存在する。多くの親は前者を希望するが競争が激しく、入園選考に不合格となって仕方なく後者を選ぶか、それもダメなら待機児童になると。私の友人にも、給与が安すぎて辞める保育士さんがいました。
関連>>待機児童を生み出す「保育園社会主義」
待機児童がなくならないのは、公立の保育料が安すぎ、保育園が参入を阻止しているから。問題は、公立の保育料がコストを大幅に下回っていること。公立だけに多額の補助金が出ているからで、公立保育園の収入の8割以上は国と県と市町村の補助金と。
 
千代田区長「保育に欠ける」という言葉が気に入らない
14年間で年少人口が41.9%も増加。待機児童数の少なさや医療費無料化などが魅力
保育園は厚生労働省、幼稚園は文部科学省が担当していますが、この区別は行政の都合による制度の縦割りの象徴にすぎませんと。0歳児から5歳児までの育児環境の整備は、もっとも効率の良い教育投資なのですから、もっと優先順位を高くして国のお金を使って欲しいと思います。消費税2%増税の全てを幼児教育へ投資しても良いぐらいかと。
 
アップルが健康管理プランの記録や症状・投薬治療の追跡を簡単にするソフトウエア『CareKit』を発表
『CareKit』では、医師、看護師や家族と情報を共有することも可能なため、あらゆる人がより積極的に健康管理に関わることができるようになると。
 
クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画を取りまとめました 平成28年2月23日
2020年までに、クレジットカード及び加盟店の決済端末の「IC対応化100%」を実現しますと。実行計画本文を読むと、クレジットカードの利用セキュリティ対策の現状がわかりますね。私が日常で使うスイカ機能付きクレジットカードも、次回の更新時にICチップ付きになるそうです。
 
地方自治情報管理概要(平成27年4月1日現在)の取りまとめ結果 平成28年3月28日
地方公共団体(都道府県47団体、市区町村1,741団体)を対象に実施した調査結果として、電子自治体の推進体制等、電子自治体の基盤の整備、行政サービスの向上・高度化、業務・システムの効率化、情報セキュリティ対策の実施状況をまとめています。
 
Denmark to accelerate eHealth technology
電子政府サービス利用の義務化を進めるデンマークですが、健康医療分野でも、その流れを加速させるようです。社会福祉が充実した国だけに、それらがデジタル化した時の効果も大きいです。
関連>>Information in English on key policies, initiatives, and solutions
 
Precision Medicine Initiative: Draft Data Security Policy Principles and Framework 
February 25, 2016
米国ホワイトハウスから。精密医学・イニシアティブに関するデータセキュリティのフレームワーク草案を提示。万能薬は無いと。
 
堺市個人情報流出事案検証委員会報告書 2016年2月25日
本事案を引き起こした大な原因は、情報セキュリティの面において「所属長の承認を得ることなく、業務上データを外部に持ち出すができた」点にあるとの認識ですが、再発防止策を見る限り、あまり期待はできなそうです。。各自治体や部署ごとに個人情報を管理している状況が続く限り、予算がいくらあっても足りないですし、対症療法の域を出ることは難しいでしょう。
 
Netherlands begins eID pilots
オランダでは、電子政府サービスへのログインには共通のID・パスワード「DigiD」を使っていますが、より安全なeIDカードへ移行するためにパイロットテストを実施していると。今後のデジタル社会では、IDカードとスマートフォンの2方式を提供して、どちらを使っても官民サービスへ安全にアクセスできるという流れが進みそうです。
関連>>DigiD
 
痛みに耐え、花開く 同一賃金オランダの改革 
フルタイムとパートの差別を法律で禁じたオランダの様子を紹介。ワークシェアリングでも有名なオランダですが、労働者・企業・政府で痛みを分け合った結果、雇用形態の多様化が進み、女性の労働参加率も増え、労働時間短縮による生産性向上も進みました。日本の場合、官製格差が既得権益化して、政府自身がサービス残業やって、痛みは先送りですから、さてどうなることやら。。
 
マイナンバー(個人番号)ヒヤリハットコーナー 個人情報保護委員会
マイナンバーを提出しなかったことによる不利益については、個人情報保護委員会は関与しない(管轄外)というスタンスですね。
番号制度ヒヤリハット事例集:マイナンバーを取り扱う時の基本的な注意点
転ばぬ先の事例集:マイナンバーの取得や保管・管理の場面で、トラブルが起きそうな事例
注意喚起文:自分のマイナンバーを公開したり、ウェブサイト等に入力することがないように
関連>>マイナンバー制度に便乗した不正な勧誘や個人情報の取得にご注意ください!
個人情報保護委、「マイナンバーがなければ解雇する」などトラブル事例を公表
 
クラウドストレージ採用を断念した理由、愛媛大学病院
外資系クラウドベンダーではAmazon.com社だけが日本国内に自前のデータセンターを持っていたが、契約の場所はAmazon.com社の本社所在地である米国ワシントン州であり、「国内法の適用が及ぶ」という要求事項を満たすことができなかった。かといって、国内ベンダーのクラウドストレージでは、利用料金が一気に跳ね上がってしまう。
 
ここまで来た! 韓国の最先端“IoT”病院
センサー付きモバイル聴診器の臨床試験も実施中
2014年からは、「IoT(Internet of everything)病院」をキーワードに病院のスマート化が進んでいると。韓国の場合、医療カルテの共有については道半ばですが、一部の病院におけるウェアラブル端末やスマートフォンの活用は非常に進んでいる印象がありますね。
 
トッパン・フォームズ、「6億人の情報、預かります」
「国民カードの印刷で毎日とても忙しい」、工場はほぼフル稼働状態が続いていると。一定年齢以上の国民にIDカードを配布する国が、それを廃止することは考えにくいので、今後もICカード特需は続きそうです。
 
乗客予約記録の提供を拒んだ欧州、何も言わず提供した日本
欧州は「尊厳」、米国は「自由」を理念にルールを形成したように、日本も独自の理念を問い直す必要があると。合意形成が苦手な日本で、どのような理念が生まれるか。。時間がかかりそうです。
 
国立病院の医療データを活用できる?行政機関個人情報保護法改正案
国立病院などの医療データを加工して企業が活用できるようになるか、まだ不透明と。
 
GoogleやFacebookの強さの源泉、「プライバシーシールド」の舞台裏
「プライバシーシールド」という新たな合意合意によって、GoogleやFacebookなどの米企業は、欧州の個人データを域外に持ち出して利用できる。米国務省にオンブズマン(行政監視員)という新しいポストを設けて、FTCが必要な権限を行使していないと欧州市民が懸念を持った場合、仲裁を申し立てられるようになったと。米国の戦略と交渉は巧妙ですが、TPPも絡んで熾烈な争いは始まったばかりですね。