つぶやき電子政府情報(2014年7月5日):政府の戦略的なIT投資を可能にする「ITダッシュボード」

IT dashboard (ITダッシュボード)
2014年7月4日 内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室
http://www.itdashboard.go.jp/
「国民の一人ひとりがITの恩恵を実感できる、世界最高水準のIT国家となるために」という遠藤政府CIOのメッセージと共に、政府のIT施策の進捗状況を「見える化」するサイト「ITダッシュボード」が運用開始となりました。

構築にあたっては、オープンソースソフトウェアツールを活用し開発コストを抑制するとともに、様々なデバイスを使ったアクセスにも対応できるようにしたと。使用データはCSV、WebAPIでも提供しています。

こうしたサイトの裏には、政府ITシステムの棚卸しを行い、各府省に散在していたデータの交通整理を続けるといった地道な努力があり、政治家が、国民向けの派手なサービスの実現を掲げるのとは対照的です。健全な電子政府の発展には、どちらも必要です。

ITダッシュボードは、構築・運営を工夫しないと、維持管理が負担となり、限られた資源を適切に配分できなくなる可能性があります。今回のITダッシュボードは、オープンソースを活用するなどの工夫が見られます。

ITダッシュボードが定着すると、データに基づく戦略を立案できるようになり、民間からの創意工夫を集めやすくなります。これまでは、いくら使っているのかも良くわからない状況で、システムの維持管理費用ばかり多くなり、新しい価値を生み出すための本来の「IT投資」ができなかったのですが、今後は、「将来を見据えた戦略的IT投資」ができるかもしれません。

具体的な成果が出るのはこれからですが、日本の電子政府にとって大変有意義な一歩として、ITダッシュボードのスタートを歓迎します。

 

 
サイト移転のお知らせ – DIGITAL GOVERNMENT & FINANCIAL TOPICS
http://e-public.nttdata.co.jp/topics_detail1/id=1106
NTT データの「DIGITAL GOVERNMENT & FINANCIAL TOPICS」が、2014年7月10日(予定)より、同社Webサイトへ移転するそうです。定期的に国内外の電子政府情報を発信するサイトとしては、特 にその情報の質において群を抜いており、関係者の間では大変重宝されていたサイトだけに残念です。私も色々とお世話になりましたので、サイト運営に携わっ た皆様には改めて感謝申し上げます。
関連>>広報誌「INFORIUM(インフォリウム)」 | NTTデータ
http://www.nttdata.com/jp/ja/corporate/profile/pr/magazine/index.html
 

 
第57回 各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議 平成26年6月19日
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/cio/dai57/siryou3.pdf
政府標準利用規約第1.0版案(各府省ホームページの新しい利用規約のひな形)、平成26年度政府情報システム投資計画案など。政府の情報システム投資は、かなり整理されてきましたね。
 
マイナンバー関連の「総投資額」を見ると、
・情報提供ネットワークシステム設計・開発 130億円
・情報提供等記録開示システムの設計・開発 54億円
・個人番号付番等システム 101億円
・地方公共団体における番号制度導入に係るシステム整備支援 615億円
・国税庁の社会保障・税番号制度関係経費 196億円
・厚生労働省の社会保険オンラインシステムの改修及び見直し、番号制度の導入に必要な経費 1,833億円
・ハローワークシステムの機能追加 339億円
・社会保障・税番号制度システム整備費補助金 872億円など
マイナンバー制度関連システムの全体図やスケジュールも確認できますが、文部科学省や農林水産省の対応が遅れているようです。
関連>>マイナンバー制度関連システム全体概要図等(PDF)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/cio/dai57/siryou3.pdf
 
 
 

 
国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について(PDF)
平成26年7月1日 国家安全保障会議決定、閣議決定
http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/pdf/anpohosei.pdf
いわゆる「憲法9条の解釈変更による集団的自衛権の行使容認」について。前文に加えて、武力攻撃に至らない侵害への対処、国際社会の平和と安定への一層の貢献、憲法第9条の下で許容される自衛の措置、今後の国内法整備の進め方の4部で構成。バイアスの多い新聞やテレビの報道だけでなく、一国民として原文(8ページ)を自分自身の目と頭でしっかり読んでおきたいところ。
今回の閣議決定の内容の正否は別として、自衛隊という軍隊を保持しながら、頑なに憲法改正を拒み、問題を先送りしてきたツケを国民全体で払う時が来たということでしょう。いくら「臭いものにフタ」をしたところで、現実の脅威から逃れられないどころか、より悲惨な結果をもたらすことを、多くの日本人が東日本大震災から学んだばかりです。
安全保障上の脅威が多様化・現実化する中で、多くの日本人が抱いてきた「水と平和はタダである」といった錯覚が、単なる幻想に過ぎないことを思い知らされるのは、社会保障負担で本格的な財政危機を迎える、まさにこれからなのだと思います。
 
今回の閣議決定と、武力に頼らない日本らしさで世界平和に貢献していくことは、無理なく両立できることと思います。私自身は、国民に認められた権利の範囲内で、しっかり政府を監視しながら、上記のような両立を支援していくつもりです。
関連>>日本国憲法|国立国会図書館
http://www.ndl.go.jp/constitution/etc/j01.html
集団的自衛権、安倍流「普通の国」とは、どんな国か
http://president.jp/articles/-/12753
集団的自衛権の行使容認に関する閣議決定
http://blogos.com/article/89710/
国際政治学者の細谷雄一教授による解説。私も勉強になりました。「子供が徴兵されるから反対」とか妄想する人には、この解説ぐらい読んで欲しいけど、たぶん読まないだろうなあ。
日本の自衛隊のPKOに参加する隊員は、助けを求めに来た目の前でレイプされている現地の少女を助けることも、武装集団に襲われて助けを求めるNGOボランティアの人を助けることも、現行の内閣法制局が判断した憲法解釈ではできません。憲法にはそれらの救助活動ができないなどとは書いていないのに、内閣法制局は勝手にそれらを「憲法上できない」と過剰な拡大解釈をして、禁止してしまったのです。また侵略を受けて多くの犠牲者が出ている国に、医療品を提供することもできませんと。
 

eガバメント閣僚会議(第1回) 平成26年6月27日
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/egov/dai1/gijisidai.html
世界最先端のIT国家実現を目指し、 行政のIT化と業務改革の同時・一体的改革を機動かつ強力に進めることを目的した会議。内閣官房長官を議長として、副議長はIT政策担当大臣と総務大臣。構成員は、内閣府特命担当大臣(経済財政策)、財務大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、政府CIOとなっています。配布資料として、行政のICT化-世界最先端のICT国家の実現(総務省)、「世界最先端IT国家創造宣言」の改定について-政府情報システム改革を中心に(IT政策担当大臣)、災害情報の収集・共有の現状と今後の方向性(内閣府)など。

第21回 特定個人情報保護委員会 2014年7月1日
http://www.cao.go.jp/bangouseido/ppc/conf2014/conf2/conf140701.html
出張報告(マケドニア、フランス、韓国)について。第55回情報通信分野におけるデータ保護に関する国際ワーキンググループ、フランス共和国出張報告、第41回アジア太平洋地域プライバシー機関フォーラムなど。

住民基本台帳ネットワークシステム(PDF)
http://www.cao.go.jp/bangouseido/ppc/conf2014/conf2/pdf/siryo1.pdf
マイナンバー制度の導入により、住基ネットが保有する「本人確認情報」として、これまでの4情報(氏名(通称)・住所・生年月日・性別)、住民票コードとこれらの変更情報に加えて、個人番号(マイナンバー)とその変更情報が加わります。

 

地方分権改革事例集
http://www.cao.go.jp/bunken-suishin/sonota/jirei.html
実効性、地域性、先進性、波及性等の観点に立って、特色のある事例を整理。地方公共団体の職員向け資料では100事例を紹介。子育て・福祉・健康、まちづくり、教育・文化、生活・安全、環境・衛生、産業・雇用・観光、住民自治、議会、推進体制など。ICTを活用した事例もありますね。
関連>>地方分権改革推進本部(第6回会合) 平成26年6月27日
http://www.cao.go.jp/bunken-suishin/honbu/honbukaisai/honbudai06/honbu06gijishidai.html
個性を活かし自立した地方をつくる ~地方分権改革の総括と展望~
平成26年6月24日 地方分権改革有識者会議決定
http://www.cao.go.jp/bunken-suishin/kaigi/kaigikettei/kaigikettei-index.html
従来からの課題への取組に加え、地方の「発意」と「多様性」を重視した改革を推進。提案募集方式、手挙げ方式を導入。

民間事業者等が行う保存、作成、署名等、縦覧等、交付等で電磁的記録による方法を認めていない事例(平成26年1月時点)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/tetsuzuki/
126事例のうち、「今後、電子化を容認する」は8例だけ。「今後も電子化を容認しない」が93事例となっています。

世界最先端IT国家創造宣言改定の用語集(参考)(PDF)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20140624/sankou_yougo.pdf
「パーソナルデータ」の説明は、
個人に関する情報。個人情報保護法に規定する「個人情報」に限らず、位置情報や購買履歴など広く個人に関する個人識別性のない情報も含まれる。
「情報提供等記録開示システム(マイポータル(仮称))」の説明は、
国民一人ひとりが個人番号カードによる公的個人認証を利用することでアクセスできるポータルサイト。自分の情報提供等記録開示システム(マイポータル(仮称))にアクセスすると、行政機関等が情報提供ネットワークシステムを利用して自分の情報をやり取りした際の記録を確認することや、行政機関等が持っている自分の(マイナンバーに紐付いた)情報について確認すること、世帯構成や所得といった個人の状況に併せて抽出された行政からのお知らせを閲覧することなどが期待される。

行政情報処理用漢字コードの現状 – 第1回 漢字コードの基礎、JISコード:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20140616/564463/
東アジア人文情報学研究センターの安岡孝一氏による連載解説。総務省系の「住民基本台帳ネットワーク統一文字」、法務省系の「戸籍統一文字」「入国管理局正字」、経済産業省系の「文字情報基盤(IPAmj)」を取り上げています。
漢字コードについては、政府CIOが中心となって、 「JIS X 0213」のように民間を含めて広く利用されているものを「行政情報処理共通文字」として定めて、国と地方で共通に利用するルールを義務化すれば済むと思います。
各システムや分野で個別の文字を使っても良いけど、他の機関や分野と情報交換する際には、必ず「JIS X 0213」に変換することを義務付けます。各組織やシステムで「JIS X 0213」に統一するか、独自文字コードと二重管理するかは任せます。本当に必要であれば、独自コードは残るでしょうし、不要なら効率化・共通化が進む中で淘汰されていくことでしょう。いずれにしても、漢字コードの乱立は、日本の「決められない縦割り電子政府」の象徴で、こうした問題を解決できないようであれば、本来の電子政府を実現することはできません。

第10回 税制調査会(2014年6月27日)
http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2014/26zen10kai.html
法人税の改革、国境を越えた役務の提供に対する消費税、欧州におけるサービスへの付加価値税課税など。法人税の改革については、租税特別措置、欠損金の繰越控除制度、受取配当等の益金不算入制度、減価償却制度、中小法人課税、公益法人課税、地方法人課税(法人事業税)、国際課税などの見直しが必要と。
国境を越えた役務の提供に対する現行消費税制度の課題対応として、現行「役務の提供を行う者の事務所等の所在地」となっている内外判定基準を、「役務の提供を受ける者の住所・居所又は本店・主たる事務所の所在地」に変更すると。

 

選べる広域連携-自治体による戦略的パートナー選択の時代へ- | NIRA
http://www.nira.or.jp/outgoing/report/entry/n140423_731.html
「医療・福祉を軸としたまちづくり」では、医療体制等を共有する圏域での広域連携のもとで、地域包括ケアを目指した構造的な改革を行えば、地域の経済・社会の発展との両立も不可能ではないと。
「連携による公共施設の再編」では、わが国では人口減少が加速し、今ある施設の一部が必要なくなる、維持できなくなる地域が生じる。既に公共施設等の総量を縮減し、人口構成に適した配置へと再編する動きもあるが、それでも近隣自治体間で施設の共同利用までには至っていないと。

NHK NEWS WEB ビッグデータ大綱 識者の見解
http://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2014_0626.html
野村総研の小林慎太郎さんと、筑波大学図書館情報メディア系准教授の石井夏生利さんの見解を紹介。大綱の「機微情報」については、確かに含めるデータの範囲に違和感がありますね。医療や健康、金融や情報通信に関わるデータも「機微情報」とした上で、利用についての公共性を考慮して、データ利用方法を定めるのが良いかと。

市販薬 「薬局で購入=安心 ネットで購入=危険」は本当か
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140629-00000012-pseven-soci
本当に薬局で確認したら安全で、インターネット販売なら危険なのだろうか。むしろ薬局の店頭でこれら項目をすべて確認することのほうがよほど困難。インターネット販売ならチェック用の画面を設けて個別に確認できるから、より適しているはずと。
もともと「薬のネット販売」は法律で禁止されていないので、改正薬事法は「薬のネット販売解禁」ではなくて規制強化ですね。薬の購入や服用には常にリスクがあって、それはネット購入でも薬局購入でも、変わるものではありません。

平成26年版通商白書 平成26年6月24日
http://www.meti.go.jp/press/2014/06/20140624001/20140624001.html
経済の安定的な成長のためには構造改革や成長戦略の重要性が増しているとの認識のもと、欧州の労働市場改革、米国での製造業回帰の動向、アジア各国における産業高度化に向けた取組など、各国の政策動向について分析し、日本の成長戦略としての国際展開戦略の重要性を指摘。貿易赤字が3年連続で赤字を計上し、経常収支の黒字幅が縮小する中、我が国産業の競争力強化に向けて、国内外のビジネス環境整備がますます重要と。対内直接投資を増やす余地は、まだまだありそうです。

「認定個人情報保護団体の認定の申請等の手続についての指針」を改訂
平成26年6月26日 経済産業省 商務情報政策局
http://www.meti.go.jp/press/2014/06/20140626004/20140626004.html
APECのアカウンタビリティ・エージェントとして認められる条件となる、国内の審査基準及びその手続を定めるための改訂。
関連>>認定個人情報保護団体一覧表
http://www.caa.go.jp/planning/kojin/ninteidantai.html

障がい者が自立すれば、みんなが元気になれる | 東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net/articles/-/34321
国は、「社員の何%は、障がい者を雇いなさい」みたいに、すぐ義務化するでしょ。そんなふうに形だけやるんじゃなくて、総社市では、企業が彼らを「戦力」として考えているんですよ。この市は、障がい者は貴重な戦力だと考える、そんな社会に変わり始めていると。

ICT街づくり推進会議地域懇談会@九州 平成26年6月26日
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ict-town/02tsushin01_03000267.html
福岡県糸島市 「ICTを活用した見守りの街糸島」、佐賀県武雄市 「オープンデータシティ武雄の見える化とエコシステムによる農業活性化、佐賀県唐津市 「唐津ブランド戦略支援型、防災・減災システム」など。