マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)のスケジュール、国民の利用開始は2016年1月を予定
マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)のスケジュールを整理しておきます。
最終更新:2015年9月18日
確認できた情報を参考にして、スケジュールを更新しています。基本的な最新情報は、内閣官房の社会保障・税番号制度で入手できます。
また、厚生労働省が社会保障・税番号制度(社会保障分野)で、国税庁が社会保障・税番号制度(税分野)で情報提供しています。総務省もマイナンバー制度と個人番号カードで情報提供すると共に、個人番号カード総合サイトも開設しました。
まず、スケジュールの全体像(社会保障・税番号制度の導入に向けたロードマップ案)は、広報資料の全体版(平成27年8月版)で確認できます。
同資料の中で、マイナンバー制度導入後のロードマップ(案)も示されました。。
平成27年6月30日改定の世界最先端IT国家創造宣言工程表(PDF)の「公共サービスがワンストップで誰でもどこでもいつでも受けられる社会の実現」に、マイナンバー制度に関する中長期の予定が出ています。
社会保障分野における番号制度の導入に向けて(社会保障分野)~地方公共団体の皆様へ~ (PDF:平成27年3月 厚生労働省)に、「地方公共団体における番号制度導入スケジュール」が出ています。
各府省CIO連絡会議の資料、「マイナンバー関連システムの進捗状況について」などで、主なマイナンバーシステム構築の進捗状況(国機関)がわかります。
以上の資料を参考にして主な事項を整理すると、マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)のスケジュールは次の通りになります。完了したものは★を付けてあります。
★2013年(H25)3-4月:番号関連4法案を閣議決定、国会に提出、審議
★2013年(H25)5月:マイナンバー法、政府CIO法等の成立
★2013年(H25)10月:地方公共団体における番号制度導入ガイドライン策定
★2013年(H25)12月:別表第一、別表第二の事務、情報を定める主務省令の制定
※主務省令はかなり遅れましたが、ほぼ出揃いました。
★2014年(H26)1月:特定個人情報保護委員会の設置、活動開始
★2014年(H26)4月:地方公共団体情報システム機構の発足
★2014年(H26)5月:番号制度に関する情報共有・支援ツール「デジタルPMO(PDF)」の開始
2014年(H26)8月:番号制度導入の業務改革計画の策定(国税、社会保険、雇用保険、労災保険等)
※策定状況を示す公表資料が見つからないので、現状が不明です。
★2014年(H26)10月:特定個人情報保護評価の実施・承認等の開始
★2014年(H26)10月:マイナンバーのコールセンター開設
★2014年(H26)10月:厚生労働省 医療保険者等における番号制度導入の手引き(ガイドライン)の公表
★2014年(H26)10月:特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者、金融業務、行政機関等・地方公共団体向け)の公開
2014年(H26)10月:市町村等によるマイナンバー条例の制定(2015年10月の番号通知までに。施行日は2016年以降)
※各自治体により異なります。2015年9月現在、条例案を公表し意見募集している自治体が見られる程度です。
参考:番号制度に係る政省令と市町村の取組み(PDF)
★2015年(H27)1月:個人情報保護制度(パーソナルデータの利活用に関する制度)見直しの法案提出
★2015年(H27)春:マイナンバー法改正法案の提出(預貯金口座へのマイナンバー紐付け:PDF)
★2015年(H27)8月:DV被害者等への対応として、現在お住まいの居所の登録(平成27年8月24日から9月25日まで)
★2015年(H27)9月:個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律の成立(平成27年9月3日成立、同月9日公布)
※預貯金口座への付番、特定健診・保健指導に関する事務における利用、予防接種に関する事務における接種履歴の連携など
マイナンバーの通知開始まで、もう少しです。
2015年(H27)10月:国税庁による法人番号の指定・通知
2015年(H27)10月:市町村による個人番号の通知(通知カードの送付)
2015年(H27)10月:個人番号の住民票への記載開始
2015年(H27)12月:住基カードの交付終了
2016年(H28)1月:個人番号の利用開始(本人確認義務の開始)(国税、雇用保険・健康保険・厚生年金保険、介護、災害など)
※実際の申告・届出等の提出時期は、分野や手続によって異なります。マイナンバーと基礎年金番号の連結は延期されました。
2016年(H28)1月:個人番号カードの交付開始(希望者へ)
2016年(H28)1月:公的個人認証検証者の民間拡大
2016年(H28)1月:個人番号カードによる自動車OSSでの本人確認開始
2016年(H28)3月:地方公共団体におけるシステム整備完了(運用開始までのテスト期間を考慮して)
2017年(H29)1月:住基ネットによる本人確認情報(4情報、個人番号等)の提供開始
2017年(H29)1月:情報提供ネットワークシステムの運用開始(国の機関から)
2017年(H29)1月:マイナポータルの運用開始(国の機関から)
2017年(H29)1月:法人ポータルの運用開始
2017年(H29)7月:情報提供ネットワークシステムとマイナポータルに地方公共団体も参加
2018年(H30)1月:原則、法人に係る情報を公開する際には法人番号を併記
2018年(H30)10月:マイナンバー法の見直し(利用範囲の拡大等)の検討(個人番号通知から3年後を目途に)
2018年(H30)以降:柔軟な「所得連動返還型奨学金制度」による返還開始
2018年(H30)以降:預貯金口座へのマイナンバー紐付け管理・利用開始(社会保障給付の資産調査、税務調査等)
2019年(H31):民間事業者による個人番号カード空き領域利用に係る政令整備
2019年(H31):マイナンバー法改正法案の提出
2019年(H31):自動車関連手続でのマイナンバー利用(住民票提出省略等)
2015年秋に番号が通知されて、2016年1月から番号の利用が始まり、2017年から情報連携等を活用した新しい行政サービスが生まれる可能性があります。マイナンバーの真価が問われる(実際の効果を上げる)のは、2018年以降になるのではと思います。
行政や企業においては、2015年夏頃までにマイナンバーに対応するための最低限の準備を済ませておく必要があり、業務やシステムの変更が求められます。かなりのハードスケジュールになるでしょう。
国民・住民においては、番号の通知を受ける際に、利用上の注意等をきちんと学んで、変なトラブルに巻き込まれないようにしたいところです。
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