着実に進化する日本の電子申告サービス

何かと文句を言われる?国税の電子申告・納税サービス「e-Tax」ですが、実は毎年きちんと改善されており、利用率こそ少ないものの、既に数十万件の利用実績があります。

参照>>開始届出書の提出状況及びe-Taxの利用件数e-Tax、確定申告書等作成コーナー等の利用件数(財務省:平成16事務年度 国税庁が達成すべき目標に対する実績の評価書より)

申告・納税は、毎年多くの国民や企業が義務として行っており、年中行事のようなもの。法改正も、これまた毎年のように行われます。

このような手続きを取扱う電子政府・電子申請サービスは、毎年のようにシステム変更を余儀なくされるため、行政側にその気があれば、定期的に改善することができます。

「e-Tax」も、昨年と比べて次のような点が改善されています。

1 利用可能時間とヘルプデスク受付時間が拡大した(土日も利用可能に)
2 利用できる電子証明書が増えた
3 開始届出から利用開始までの期間が短縮した(2ヶ月→最短10日~最長1ヵ月)
4 開始届出書をオンラインで提出できるようになった
5 開始届出の書類が簡素化した(本人確認書類の添付が不要に)

この他にも、ヘルプデスク等の利用者支援や申告・納税以外の税務手続きの充実などが挙げられるでしょう。

また、紙のサービスとして定評があり、利用件数も多い「確定申告書等作成コーナー」についても、モノクロプリンタで利用できるようになったことに加えて、電子申告用データの作成機能が追加され、利用者の視点で改善が進められています。

この調子でいくと、近い将来、電子署名も不要となるかもしれませんね。

電子申告が行政に与える影響

電子申告サービスが行政に与える影響は少なくありません。

電子申告サービスをきっかけとして、行政と国民が接触する機会も増え、今までにない関係作りが促進されるからです。

国税庁の場合、そもそも「税金の徴収・見張り係」という嫌われ役を担っているので、利用者との間に良好な関係を築くことは難しいのですが、電子申告やウェブサイトを通じた各種サービスを提供する中で、国民の声を聞く機会も増え、次第に対応や考え方が変わっていくのですね。

電子申告で国民も変わる

電子申告を利用することで、行政と同じように、国民も少しずつ変わります。

参照>>続 e-Tax

例えば、始めは国税庁のウェブサイトから申告に関する情報だけを利用して、次年度は申告書作成・印刷サービス、次々年度はe-Taxに挑戦するという具合です。

インターネットを始める時も、最初はメールとウェブ閲覧から。その後、会員登録サービス、ショッピング、オンラインバンキング、オンライントレード等々、少しずつステップアップするのが普通と思います。

この流れは、電子政府でも変わらないと言えるでしょう。

そのためには、充実したコンテンツを提供することで、様々な人が自分のレベルに合わせて利用できることが望ましいと言えます。国税庁のホームページは、コンテンツが充実していますので、国民が学習しながらステップアップできると思います。

ポータルサイトとの連携を

電子申告サービスは、この調子で改善して行って欲しいと思いますが、それと同時に民間サービスとの連携も進めて欲しいですね。

例えば、大手ポータルのヤフーでは、次のようなサービスを提供しており、e-Taxの解説もあります。

参照>>Yahoo!ファイナンス – 税金情報確定申告情報税理士紹介

民間ポータルは、サービス提供と情報整理に関して、やはり一日の長があります。うまく連携・協力することができれば、電子申告の普及やサービス改善の大変心強い味方となるでしょう。

“着実に進化する日本の電子申告サービス” に2件のコメントがあります

  1. e-Taxで申告しました
    牟田さん、いつもお世話になっています。七條です。
    いつもの年は確定申告をすることもないのですが、昨年は医療費の支払いが多かったものですから、先日、医療費控除の還付申告をe-Taxでやってみました。周りの詳しい人に聞きながら、また、ヘルプデスクに問い合わせもしながら、おそるおそるやってみました。
    印象としては、エラーメッセージなど少し分かりづらいな、という点などはあったものの、全体としては、事前準備さえしてしまえば、意外と便利だと思いました(これまで、使い勝手が悪い・・・というお話を聞くことが多く、使い勝手が悪いものという思い込みが少し強すぎたのかもしれませんが・・・)。

    これからも、いろいろ電子政府サービスを使ってみたいと思っています。

  2. 楽しみながら
    七條さん、こんばんは。コメントありがとうございます。

    まさに、百聞は一見に如かずですね。

    様々な電子申請がありますが、実際にやって見ると、思っていたほど難しくなかった。便利だった。という意見が多いようです。電子申告も、来年はもっと使いやすくなっていると思いますよ。

    電子政府サービスは、種類もバリエーションも豊富なので、仕事や生活の中で役に立つものが、誰にでも必ずあると思います。

    同じ税金を払うのであれば、積極的に活用したいですね。

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