つぶやき電子政府情報(2014年11月25日):選挙後の政府は持続可能な未来を実現できるか

平成26年11月18日 安倍内閣総理大臣記者会見
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/1118kaiken.html 
本日、私は、消費税10%への引き上げを法定どおり来年10月には行わず、18カ月延期すべきであるとの結論に至りました。国民生活にとって、そして、国民経済にとって重い重い決断をする以上、速やかに国民に信を問うべきである。そう決心いたしました。
今週21日に衆議院を解散いたします。消費税の引き上げを18カ月延期すべきであるということ、そして平成29年4月には確実に10%へ消費税を引き上げるということについて、そして、私たちが進めてきた経済政策、成長戦略をさらに前に進めていくべきかどうかについて、国民の皆様の判断を仰ぎたいと思いますと。

現政権でも、日本の将来像について色々と検討されています。解散総選挙に、政府が描く持続可能な将来像を実現できるかは、「増税や経済成長等により収入を増やす」と「社会保障費等の支出を減らす」との両方を、持続可能な形で実行できるかにかかっています。

借金の額や歳入・歳出のバランスを考えても、あるいは政府や民間シンクタンク等によるシミュレーションや試算を見ても、社会保障費に手を付けることは政治的に難しく、かなり危ない橋を渡り続けることになりそうです。基本的には、ソフトランディングできる時期は過ぎたと考えて、ショックに備えるための対策を講じておく必要があるでしょう。


持続可能な介護に関する研究会 第2回会合 2014年10月3日
http://www.mof.go.jp/pri/research/conference/fy2014/zk102_02.htm

国立社会保障・人口問題研究所室長の菊池潤氏による「医療・介護のあり方 高齢期の医療・介護サービス利用の実態」と、法政大学経済学部准教授の小黒一正氏による「人口減少・超高齢化を乗り切るための地域包括ケア・コンパクトシティ構想 - 財政の視点から – 」が報告されています。

調査対象となった自治体の高齢者医療・介護費の内訳は8割が医療費、2割が介護費であり、全体の4割が入院費用に充てられている。また、医療・介護費の5割弱を要介護認定者が、5割強を非認定者が使用している構造である。
 
高齢者医療・介護費の1人当たりの費用は、要介護状態の重度化とともにそれぞれ増加している。要介護度が上がると介護費だけでなく医療費も上がり、その中でも特に入院費が上がっている。生活場所の費用は、入院が最も高く月60万円前後、施設で月24万~30万円、居住系は月12万~22万円、在宅は月3万~18万円程度で、入院が際立って高い。
 
対象者の死亡前医療・介護費の状況をみると、65歳以上人口のうち死亡者(死亡当月から死亡の11カ月前までに該当する人)比率は3.2%にも関わらず、医療費全体の16.3%が集中的に投じられ、さらに入院費用の25.1%が使われている。
 
1人当たりの医療・介護費用は、死亡11か月前あたりから増加し、死亡直前には急激に上昇して、最終的には平均1日2万円まで上昇している。入院費用も1年位前から急増し、似たような動きをしている。
 
高齢者医療・介護費の多くは入院費に充てられているが、医療給付の効率化による費用抑制の余地は残されている。一方で入院から介護施設への代替のみでは費用抑制効果は限定的であり、医療から介護、施設から在宅への誘導が不可欠である。
 
結果の一般性を求める上では、NDB(レセプト情報・特定健診等情報データベース)、KDB(国保データベース)、そして両者を接続するキーとなるマイナンバーの整備が今後重要であると。
 
 

 
「選択する未来」委員会報告書 平成26年11月
経済財政諮問会議専門調査会「選択する未来」委員会による報告書が、ポイント図、参考資料集と共に公開されました。副題は「人口急減・超高齢社会を超えて、日本発 成長・発展モデルを構築」とあります。基本的な考え方、数値的な目標、目安と時間軸、いくつかの具体的な取組提案、主な政策の方向性、世界に向かう姿勢、新しい官民の関係等。以前に比べると、描かれる日本の将来像も具体化しつつありますね。個人的には、半分ぐらい賛成かな。
関連>>第13回 「選択する未来」委員会 平成26年11月14日
 
 
 

 
社会保障・税番号制度(社会保障分野) |厚生労働省
内閣官房、国税庁に続いて、厚生労働省もマイナンバー制度の専用ページを立ち上げました。事業主、地方公共団体、医療保険者等と利用者を分けて、情報提供しているのは良いですね。これで、主要関係省庁で専用ページを設置していないのは、総務省だけとなりました(機構まかせ?)。
 
なお、自治体における社会保障分野のマイナンバー関連システムには、生活保護システム、障害者福祉システム、児童福祉システム、国民健康保険システム、後期高齢者医療システム、健康管理システム、介護保険システム、国民年金システムなどがあります。どの機関でも、どのシステムでも、「初期突合」の作業に苦労しているようです。
 
関連>>社会保障・税番号制度について|国税庁
ID連携トラストフレームワーク(METI 経済産業省)
地方公共団体情報システム機構 社会保障・税番号制度 関連情報
 
 
 
 
 
 
 

 
マイナンバーで想定される会計事務所のセキュリティ研修会
税務申告ソリューション「達人シリーズ」
そう言えば、NTTデータさんも会計ソフトを提供してるんでしたね。マイナンバーのセミナーや研修は、自治体から始まり、税理士・社労士さんなど士業向けも盛況で、最近では企業向けが増えています。企業も大中企業、小・零細企業で分かれますし、内容も業務処理・情報管理・セキュリティなど色々あります。
 
 

 
平成25年度における行政機関及び独立行政法人等の個人情報保護法の施行の状況(概要)
平成26年10月31日
国の行政機関(43)と独立行政法人等(205)を対象とした調査。開示請求件数は、行政機関で11万6,253件、独立行政法人等で7,438件と過去最多。漏えい等(漏えい、滅失、き損)事案は、行政機関761件、独立行政法人等1,634件で、いずれも前年度より減少。
漏えい等事案の発生形態で最も多いのは、行政機関が誤送付・誤送信、独立行政法人等が紛失(いずれもその大半が配送事故)。自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で保有個人情報を提供又は盗用したとして罰則が適用された事案はゼロと。
 
行政機関及び独立行政法人等が保有する個人情報の管理状況の点検(調査結果)
平成26年10月31日
ベネッセの顧客情報漏えい事件を踏まえて、各行政機関等に対し、保有個人情報の管理状況(情報システムにおける安全の確保、情報システム室等の安全管理、委託時の管理)の点検を要請。
認証機能の設定等、指針に定める事項については、認証機能の設定割合は9割程度、パスワード等の管理の定めの整備割合は8割程度。アクセス状況に係る記録、同記録の分析等、指針に定める事項については、実施割合が7~8割程度と。
情報システムへのアクセスについて「認証機能を設定していない団体」もあったのですね。
 
 

 
第174回 消費者委員会本会議 2014年10月14日
平成25年度個人情報の保護に関する法律施行状況の概要について、消費者庁から関連資料が出ています。個人情報保護法施行状況の概要、個人情報保護法の体系のイメージ、法執行のイメージなど。
平成26年3月31日現在、各省庁が策定しているガイドラインは、27分野につき計40本。平成25年度中に見直しを行ったものは6本。法に基づく報告の徴収を2件(金融庁)実施。
災害対策基本法の改正を行い、災害時の避難に特に支援を要する者について名簿を作成し、本人からの同意を得て関係者にあらかじめ情報提供すること、災害発生時等には本人の同意なく提供できることなどを定めるとともに、上記改正を受け、「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」(平成25年8月)を策定・公表。
個人情報に関する苦情相談件数及び事業者が公表した個人情報の漏えい事案件数は全体としては減少傾向であるものの、近年は横ばいと。
 
「「電子自治体の取組みを加速するための10の指針」フォローアップ検討会」(第1回)の開催 平成26年11月18日
平成26年3月24日に策定した「電子自治体の取組みを加速するための10の指針」に関する地方公共団体における取組の状況についてフォローアップ等を行い、その結果を踏まえて地方公共団体に対して情報提供・助言等の支援を実施するに当たり、有識者から幅広く意見をもらうと。
こうしたフォローアップはウェブ中心に行うべきで、専用ページで取組み状況をどんどんアップして、関係者が情報・意見交換できるようにするべきですよね。これからの電子自治体を考えるのに、こうしたアナログ型の検討会ではスピードが遅すぎますので。
関連>>GOV.UK blogs
 
データ駆動型(ドリブン)イノベーション創出戦略協議会 中間取りまとめ「分野・組織の壁を超えたデータ駆動型(ドリブン)イノベーションへの挑戦」
平成26年11月5日 経済産業省
今後は分野・組織の壁を超えたデータの活用によるデータ駆動型(ドリブン)イノベーションの創出が重要になるとして、想定される課題と課題への対応策の方向性を提示。事業者間の連携、事業者と消費者の関係、関連する法制度等の整備、担い手の育成・発掘など。
関連>>オンラインサービスにおける消費者のプライバシーに配慮した情報提供・説明のためのガイドライン
 
平成26年(2014年)10月12日付 インターナショナル・ニューヨークタイムズ紙の記事について
平成26年10月31日 文部科学大臣
記事では、「日本はナショナリズムとコスモポリタニズムを同時に信奉しており、教育政策立案者たちの不明瞭な姿勢を助長している。彼らは、彼ら自身が『愛国的』と呼ぶ主義にのっとって教科書を改訂し、その過程でアジアの近隣諸国を遠ざけている」としていますが、それは全く事実と異なっています。
我が国は、ナショナリズムを助長するのではなく、グローバル社会に適応するための人材の教育に大きく舵(かじ)を切って取り組んでいます。その改革のポイントは次の3つです。すなわち、英語教育、大学の国際化、そして日本人としてのアイデンティティの確立のための伝統、文化及び歴史の教育ですと。
中国・韓国以外のアジア諸国を取材すれば、上記のような記事は出てこないでしょう。ニューヨークタイムズも、朝日新聞と同じく記者・記事の質の低下が止まらないようです。
 
「インターネットリテラシー・マナー等向上事例集」の公表 平成26年10月28日
各地の学校や自治体、企業、NPO等が自主的に活動をしている様々な事例を総合通信局等から収集し、「インターネットリテラシー・マナー等向上事例集」として取りまとめ。子供たちが自分で考えて、ルールを作り改善していくのが良いのでしょうね。
 
東芝がゲノム解析事業を始動、日本人向け解析アレイを東北大と共同開発
ジャポニカアレイを用いたゲノム解析を、全国各地のCOI拠点などで実施されているコホート研究などに向けて提供すると。
 
「モバイル創生プラン」の公表 平成26年10月31日
モバイルについて、利用者が、もっと自由に、もっと身近で、もっと速く、もっと便利に利用できる環境の整備が重要と。自由に選べるモバイルの推進、安くて安心して使えるモバイルの推進、モバイルの更なる高速化、新たなモバイルサービスの創出など。「月3-5000円ぐらいで3GBぐらい使えて、最初の2年以後はSIMロックや期間縛りの無い契約」とか実現するのって、そんなに難しく無いと思うのですが、携帯業界だけちょっと異常ですね。
 

 
Why an Open Government? (PDF)
国連の電子政府フォーラムにおける、オランダ政府のオープンデータに関するプレゼン資料。洪水リスクに関するデータのオープン化は、標高が低いオランダでは特に重要ですね。洪水リスクに関するウェブサイトも、わかりやすい内容になっています。小中学校の比較も、データ公開があればこそですね。
関連>>Data.overheid.nl(オランダ政府のオープンデータポータル)
Woon jij in een risicogebied  ? Overstroom ik(洪水リスクポータル)
10.000scholen.nl(小中学校のデータ比較サイト)
全国市区町村 公立学校情報化ランキング 2014
 
 
 
 
Northern Ireland studying re-use of Estonia’s e-gov services
北アイルランドが、エストニア電子政府サービスの利用を検討していると。エストニアの情報交換基盤「X-Road」をフィンランドが採用することを表明していますが、次の候補は英国と北アイルランドになりそうです。
 
情報システム調達計画書の公表   財務省
財政融資資金電算機処理システムの債務償還能力の分析等に係る設計・開発業務と、財政融資資金電算機処理システムの地方貸付金の貸付条件の見直しに係る設計・開発業務の調達計画書が追加されました。
 
第19回経済財政諮問会議 平成26年11月18日
現下の経済状況について。配布資料として、最近の経済動向(内閣府)、経済の好循環の拡大に向けて(有識者議員提出)、「今後の経済財政動向等についてのアンケート調査」の結果(内閣府)、政策コメンテーター報告(第3回)の概要など。
消費税増税が無くても、円安・原発停止によるエネルギー消費の増加や実質賃金の低下があるので、一般市民の消費が鈍くなるのは当然ですね。社会保障の現状維持さえ持続不可能な中で、このまま円安が進み、借金による公共投資が行き詰れば、本格的な景気後退が起きるでしょう。
 
 
低い断熱性なぜ放置、世界に遅れる「窓」後進国ニッポン
『窓』先進国の欧州に比べればもちろん、日本と気候が近い中国や韓国にも劣っている。日本メーカーなのに、中国に向けては日本国内向けよりも性能の高い窓を出荷している会社があるほどと。基準を強化すべきところは、しっかり強化するのが本当の規制改革ですね。
 
健康・医療戦略推進本部(第五回) 平成26年11月14日持ち回り開催
平成26年度 第2回医療分野の研究開発関連の調整費の配分について。
 
 
健康・医療戦略推進本部(第四回) 平成26年10月29日
「健康・医療戦略推進会議の開催について」の一部改正、「健康・医療戦略参与会合の開催について」の一部改正、医療分野の最近の研究開発動向など。安倍総理からは「政府としても、来年4月には日本医療研究開発機構を設立するなど、健康・医療戦略を着実に推進し、本日発表していただいた、再生医療、認知症、がんを始めとした、医療分野の研究開発を力強く推し進めてまいります」と。「健康長寿の延伸を目指した大規模認知症コホート研究」は重要ですね。
関連>>第3回医療国際展開タスクフォース及び第2回ASEAN健康イニシアチブWG合同会合 平成26年11月5日
第1回 健康・医療戦略ファンドタスクフォース 平成26年10月30日
第8回健康・医療戦略推進会議 平成26年10月27日持ち回り開催
第1回次世代医療機器開発推進協議会 平成26年10月28日
第3回 創薬支援ネットワーク協議会 平成26年10月6日
原則非公開から公開へ変更。
 
平成26年版ICT国際競争力指標 平成26年10月28日 総務省
平成26年版における世界全体の市場規模は2兆5,375億ドル(対22年版比較で9.8%増)で、日本企業の市場シェアは10.8%と。指標の対象となっている全38品目中、日本の企業競争力が強い品目(シェア25%以上)は7品目、企業競争力が弱い品目(シェア5%以下)は10 品目。日本の競争力が強い品目は、近い将来無くなるか、市場規模が急激に縮小しそうなものが多いような。。
 
まち・ひと・しごと創生会議(第3回) 平成26年11月6日
「長期ビジョン」及び「総合戦略」の骨子、各府省提出資料、小泉政務官説明資料(地方創生に関する現地視察と東北被災地の復興から学ぶべきこと)など。
関連>>地方創生担当大臣と地方六団体の意見交換会
 
行政改革推進会議(第13回) 平成26年11月6日
秋の行政事業レビューの進め方(行政改革推進会議有識者議員提言)、行政事業レビューシート最終公表後の点検(案)、平成25年における「秋のレビュー」等指摘事項に対する各府省の対応状況など。各府省の対応状況を見ると、今のところは、行政事業レビューが効果を上げているとは言えないように思います。