つぶやき電子政府(2015年2月20日):これからの電子政府に必要な「信頼」を支える制度作り
マイナンバー制度の利用拡大についての方向性が、かなり具体的なものになってきました。今後は、マイナンバー制度や電子政府の「信頼」を支える制度作りが大切になってきます。
現在の購買行動プロセスは、
1 Attention(注意)
2 Interest(興味)
3 Search(検索)
4 Compparision(比較)
5 Examination(検討)
6 Action(購買)
7 Share(情報共有)
と言われたりします。
10年ほど前の講演で述べたのは、上記に加えて、検討の前後あたりに「理解」や「信頼(信用する)」があるのではないか、というものでした。
特に、電子政府サービスという新しい未知のものに対して、利用者が抱える不安は多く、また行政手続ならではの難しさもあります。
そこで、「理解」を支える「わかりやすい説明」や「手続そのものの簡素化」が必要であり、「信頼」を得るための「プライバシーポリシー」や「(利便性を損なわない)セキュリティ対策」や「保証(責任分担)」などが必要と考えました。
実際には、サービス提供側である行政中心の考え方から脱却できず、多くの電子政府サービスは「理解」や「信頼」を得ることができませんでしたが。。
マイナンバー制度の導入をきっかけとして、個人情報保護制度の見直しが進み、トラストフレームワークも整備される予定です。
これらが、電子政府に必要な「信頼」を支える制度となることを強く願います。
第8回 マイナンバー等分科会 平成27年2月16日
個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号利用法)の一部を改正する法律案(概要)、特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドラインの概要、マイポータル/マイガバメント(仮称)のサービス及びシステムのイメージなど。
番号利用法は、金融分野や医療等分野等における利用範囲の拡充を規定するもので、預貯金座への付番、保健事業(メタボ健診等)に関する事務における利用、予防接種に関する事務における接種履歴の連携等を実現していくようです。
マイナンバー制度については、今回の利用拡大に限らず、運用する中で実情に即した利用ができるよう改善していくことが大切です。その中には、利用拡大だけでなく利用中止も含まれます。ただし、情報提供ネットワークシステムについては、マイナンバー制度にとって大きな「足かせ」になる可能性があるので、運用実績や費用対効果等に関する情報公開と第三者チェックを続けることが大切です。
関連>>マイナンバー、予防接種など医療に活用 :日本経済新聞
銀行の預金口座に共通番号の付与を促し、税務調査などに活用するだけでなく、医療分野での利用も始める。ただ、日本医師会などの反発を踏まえ、当初は、予防接種情報など対象範囲を一部にとどめる方針と。
マイポータル/マイガバメント(仮称)のサービス及びシステムのイメージ(PDF)
「マイポータル/マイガバメント(仮称)」のイメージは、まだまだわかりにくいですが、
・民間が運営する「電子私書箱機能」を通じて
・政府の各種オンラインサービス(情報提供等記録開示システム、電子申告、年金ネットなど)と、
・民間の各種オンラインサービス(引越し、金融機関など)が連携する
という感じでしょうか。「電子私書箱機能」は、実質的に日本郵便株式会社の独壇場になりそうですね。今後については、政府からのトラストフレームワーク案の提示待ちでしょう。
所沢市のエアコン住民投票、賛成多数も有権者の3分の1に届かず
複雑な事情があるみたいだけど、「税金はどこへ行った」にならって、「エアコン設置する費用を捻出するために、どの市の事業の予算を減額しますか?」という住民投票なら、もう少し投票率も上がったのかな。
関連>>防音校舎の除湿工事(冷房工事)の計画的な実施に関する住民投票の開票速報(所沢市ホームページ)
埼玉県所沢市 – 税金はどこへ行った?(日本全国版)
群馬県前橋市 – 税金はどこへ行った?(日本全国版)
同じような人口規模の前橋市と比べると、所沢市は「健康福祉」への配分が多いようです。
簿記もできない日本の大卒者 大学のほとんどを高度職業訓練校に
行政書士に登録した時に、先輩方に強く勧められたのが簿記の勉強で、試験は受けないものの、とりあえず3級レベルの記入式テキストを何冊かこなした記憶があります。実務に必要なのは、ICT、ファイナンス、語学が3種の神器と言われますが、加えて法律の読み方も知っておいた方が良いですね。
みんなで考える情報通信白書2015 平成27年2月13日
-情報通信白書「SNSを活用した読者参加型企画」の実施-
情報通信分野についての関心を高めるとともに、総務省の情報通信政策に対する国民の理解を深めるため、SNSを活用し、国民から幅広く意見を募集。毎年恒例のイベントになったかな。2月2日にサイトを開設し、4月下旬まで、順次、意見を募集予定と。
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第5回 行政イノベーション研究会 平成27年2月13日
内閣官房内閣人事局からのヒアリング(国家公務員の女性職員活躍とワークライフバランス推進に向けた取組)、論点の整理など。行政イノベーションも大切ですが、その前に絶対的な行政の仕事量を減らさないと。
関連>>国の行政に関する意見・提案の募集 平成27年2月5日
行政イノベーション研究会の検討を深める参考として、国の行政に関する意見・提案を広く募集。3月2日まで。
こ、これは…。今日の産経新聞の一面コラムに、背筋が凍る思い
けっこう前から話題になっている産経新聞らしいコラムですが、ここで指摘される「報復感情」の類は、自然なものと言えるでしょう。日本でも、私刑の一種である仇討ちは、江戸時代には政府公認の制度でした。現在でも、被害者感情を重視した厳罰化の流れを受けて、交通事故等の厳罰化が進み、最近の世論調査でも死刑制度の支持が8割を超えています。
北アイルランド紛争のような復讐の連鎖による事態の悪化は避けるべきですが、「報復感情」への対応は国家運営や法制度における基本事項の一つであり、「臭いものにフタ」的に処理することで事態の更なる悪化を招く恐れもあります。つまり、産経新聞のようなコラムが出てくることは正常な反応であり、こうしたコラムに賛成・反対の意見を言えることが大切なのですね。
関連>>基本的法制度に関する世論調査
死刑制度に関して,「死刑は廃止すべきである」,「死刑もやむを得ない」という意見があるが,どちらの意見に賛成か聞いたところ,「死刑は廃止すべきである」と答えた者の割合が9.7%,「死刑もやむを得ない」と答えた者の割合が80.3%となっている。
死刑制度に関して,「死刑もやむを得ない」と答えた者(1,467人)に,その理由を聞いたところ,「死刑を廃止すれば,被害を受けた人やその家族の気持ちがおさまらない」を挙げた者の割合が53.4%,「凶悪な犯罪は命をもって償うべきだ」を挙げた者の割合が52.9%などの順となっている。
ギリシャとEUが正面衝突?
怖いのは、経済危機の飛び火よりポピュリズムの台頭
有権者たちはついに堪忍袋の緒を切って、極左・極右のポピュリストたちを政権につけた。ギリシャの最大のネックの1つは、税務署が機能していないこと。特に外国に持ち出された資産に関する調査は、大幅に遅れていると。どんな独裁者よりも大衆の方が怖い思うのですが、ギリシャの現状はそれを体現していますね。マイナンバー制度が期待される効果を考える上でも、良い材料になるでしょう。
情報通信技術が変える経済社会研究会【中間報告】
2015年2月17日 日本経済研究センター
経済社会の革命的変化への岐路に立つ日本 技術進歩と向き合う改革への覚悟を
ICTの利活用による生産性の向上を実現するには、日本の古い組織や制度の仕組み(ルールや慣行)を見直すことが急務。日本のICT投資は一周遅れと。「マイナンバーは徹底的に利用」として、「マイナンバーとレセプトデータを組み合わせて分析すれば、社会保障の効率化が可能」と提言しています。
【多摩市立愛和小学校】公立小とベンチャーがタッグ、タブレット使いマンツーマンで英会話、児童がネイティブスピーカーと1対1でオンライン学習
東愛宕小学校時代の2013年10月に民間の協力を得て、児童1人に付き1台のiPadを貸与。校内には無線LAN環境が整備され、英会話に限らず、あらゆる授業にタブレットを活用している。ICT教育を推進する中心人物は松田孝校長で、校長自ら積極的に新しい学びを体験し、民間企業や大学と協力しながら動向のICT教育を推進していると。ICT教育のキモも「人」ということでしょうか。ついつい、佐賀県のICT教育施策と比較してしまいます。
職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策・心身両面にわたる健康づくり(THP)
平成27年12月より施行となるストレスチェック制度の解説が追加されました。定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善につなげる取組ですと。
関連>>2015年12月からストレスチェックの実施が義務になります
政策と予算との対応について|厚生労働省
総括表と個別表(一般会計、労働保険特別会計、年金特別会計、東日本大震災復興特別会計)があり、社会保障分野でどのような分配や増減が行われているかわかりますね。基本的には、高齢者向けのサービスや支援が自然増加するに伴い、子育てや障害者向けの支援の充実は難しい状況にあります。
Estonia plans 5G mobile network pilots in 2016
エストニアで、5Gモバイルネットワークの実証テストを行うと。エストニアに限らず、電子政府先進国では、モバイルありきの電子政府サービスへの移行が急速に進んでいますね。既に4.4Gbpsの速度を記録しており、理論的には100Gbps級のダウンロードが可能ということで、私の16GBしかないiPhoneでは耐えられそうにありません。。
Malta to start government software repository
電子政府の先進地域であるEUの中でも、最上位に位置するのがマルタ共和国であることは、あまり知られていません。そんなマルタが始めるのが、行政が使用する情報システムをオープンソースで構築し、EU全体で共有・再利用できるレポジトリー(情報資源の保管庫)に格納するというもの。こうした行政情報システムの保管庫があると、国レベルで同じような情報システムを構築しないで済むことになります。
Is Portland’s New Paperless Building Permit System Doomed?
米国ポートランド州のペーパーレス建築許可システムの構築完了が、当初の計画よりも7ヵ月遅れの2016年冬になり、予算も820万ドルから1180万ドルに増加すると。ペーパーレス建築許可システムは、早期に実現したシンガポールのワンストップサービスが有名ですが、手続が複雑なまま電子化してはいけないことを、ポートランド州も実感しているようです。
関連>>CORENET e-Submission System (シンガポールの建築手続ワンストップサービス)
税還付のコストは20兆円!
確定申告が映し出す複雑怪奇な米税制
米国は電子申告の利用率はそこそこあるのですが、いかんせん税制度が複雑で、困っているようです。日本が電子政府の先進国を目指すのであれば、「フラット税制を基礎とした記入済み申告制度」へ移行して欲しいと思います。
オープンデータ先進国イギリスの主要都市のオープンデータの状況を調べてみた
イギリスにおいてもオープンデータについては課題が多い。地方自治体がオープンデータを公開する場合は、最初はできるだけ既存のデータを使った方がいい。オープンデータは、オープンソースと同じで協力して育てていくことが重要と。
戦略アプリはPaasで作る
次世代の電子政府で鍵となるのが、デジタル社会のスピードと多様性に対応したアプリ開発環境の整備ですね。
第189回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説 平成27年2月12日
経済再生、復興、社会保障改革、教育再生、地方創生、女性活躍、外交・安全保障の立て直しについて。農家の視点に立った農政改革、患者本位の医療改革、エネルギー市場改革、改革推進のための行政改革など。
平和国家としての歩みは、これからも決して変わることはありません。国際情勢が激変する中で、その歩みを更に力強いものとする。国民の命と幸せな暮らしは、断固として守り抜く。そのために、あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする安全保障法制の整備を進めてまいりますと。
農林水産業・地域の活力創造本部(第14回) 平成27年2月13 日
農協=農業者が自主的に設立した協同組織。農協組織における主役は農業者、次いで地域農協。中央会・連合会は、地域農協の自由な経済活動を制約せず、適切にサポートすると。
平成26年度 地方公共団体における公共事業等の施行状況の公表
平成27年2月13日
全体の契約率は70.5%、支出済額の割合は32.2%に。契約率、支出済額の割合とも、前年同期比で増加しています。
高齢者の社会的孤立の防止対策等に関する行政評価・監視
<勧告に対する改善措置状況(2回目のフォローアップ)の概要>
平成27年2月13日
内閣府、総務省(消防庁)、厚生労働省、経済産業省からの回答を受けて。市区町村において、災害時要援護者名簿の作成、避難支援者への提供が進まない(個人情報の利用・提供に対する住民感情への懸念など)状況に対しては、避難行動要支援者名簿の作成の義務付け等を定めた災害対策基本法の改正内容等について、地方公共団体に周知徹底すると。
今年秋の「マイナンバー」で漏洩企業に罰則、経営者は今すぐ認識し対策を
仮に既に流出している情報と特定個人情報が紐づくと、その情報が一つの完成形となって、家族構成といった完全に個人を特定できるほどの質の高い情報になり、ピンポイントで狙い撃ちして“オレオレ詐欺”を仕掛けるといったことも容易になると。具体的な悪用例(想定される罰則適用例)を上げた解説は珍しいですね。実際には、「マイナンバーを含む特定個人情報の取得や維持管理にかかるコストやリスク」と、「マイナンバーを含む特定個人情報を利用することで得られる犯罪収益の増加」との兼ね合いで判断することになるでしょう。
“マイナンバー制”秒読みへ 鶴見区 タウンニュース
導入にあたっては、国民が懸念する個人情報保護や、任意となる個人カードの利用促進、広報周知などの課題があると。地域情報誌にも「マイナンバー」が顔を出すようになりました。こうした草の根的な広報活動も大切ですね。
誰でも簡単!オープンデータアプリを公開しよう
LinkData.org のウェブサイト機能を紹介。LinkData.orgの活動は、次世代電子政府の方向性を示していますね。