つぶやき電子政府(2015年4月17日):日本でも「記入済み税申告」と「電子処方箋」の早期実現を

マイナンバー制度や番号制度のメリットは?と聞かれることがありますが、残念なことに、「社会全体」としてのメリットはあるものの、これといった住民・生活者視点のメリットを提示できていないのが現状です。
 
番号制度を活用している国で、利用者の満足度が高いのは、「記入済み税申告」と「電子処方箋」と思いますが、日本のマイナンバー制度では、どちらも実現する具体的な予定はありません。「電子処方箋」は、10年以上かけて検討して、最新の健康・医療戦略でも「検討を進める」とのこと。
 
「記入済み税申告」と「電子処方箋」の二つが実現すれば、3周遅れの日本が、2周遅れぐらいになれる可能性もありますが、実現するまでに、他の国がさらに3周ぐらい先へ行ってしまうでしょう。
 

 
マイナンバー制度と徴税の関係
マイナンバー制度導入により、各機関から提出される申告書に個人番号が付記されることから、各申告書が同一人であることの識別作業が容易にできることになりますと。効率的な「名寄せ」ができてこそ、マイナンバーを導入する意味があるのですよね。
 
利用者のメリットについては、企業による年末調整を廃止して、各自で確定申告するようにした上で、記入済み申告制度を導入するのが良いでしょう。納税意識を高めつつ、利便性向上や経済的便益を実感できるからです。
 
スマホから記入済みの税申告書を確認して、修正や追加申告がなければ「確認」をタップして申告終了。これが電子政府先進国のスタンダードになりつつあるので、日本が何年でこのレベルに到達できるか(できないか)で、マイナンバー制度の成否が判断できます。
 
Recip-e
ベルギーでも電子処方箋を開始。医師や患者の他に、薬剤師、理学療法士、看護師が情報共有します。プロジェクト自体は2007年から開始されており、かなり慎重に進めてきたようです。2013年5月に全国展開の実証プロジェクトが開始し、現在に至ります。なお、デンマークやエストニアでは、ほとんどの処方箋が電子処方箋になっています。ベルギーの方式は、エストニアより複雑な仕組みですね。
関連>>Belgium launchs the electronic prescription Recip-e
The Belgian eHealth platform
ベルギーには医療関係者や患者が医療介護情報を交換する基盤(研究等で使えるようデータ匿名化の機能も備える)が構築・運用されており、電子処方箋もこの基盤を最大限に活用しています。
 
 
 
Australia overhauling welfare payments system
オーストラリアの新しい社会福祉給付システムでは、退職者、求職者、家族、障害者等への支払いについて、リアルタイムで他の機関との間でデータを共有できるようになると。データ共有により、市民は同じ情報を何度も提供する必要がなくなります。
関連>>Australian Government Department of Human Services
 
 
 

 
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が発足
世界最高水準の医療・サービスの実現や健康長寿社会の形成を目指して、平成27年4月1日に発足。医療分野の研究開発及びその環境整備の中核的な役割を担う機関として、これまで文部科学省・厚生労働省・経済産業省に計上されてきた医療分野の研究開発に関する予算を集約し、基礎段階から実用化まで一貫した研究のマネジメントを行いますと。
関連>>平成27年度 医療分野の研究開発関連予算のポイント(PDF)
「疾病克服に向けたゲノム医療実現化プロジェクト」では、疾患及び健常者バイオバンクの構築と共にゲノム解析情報及び臨床情報等を含めたデータ解析を実施し、疾患及び薬剤関連遺伝子の同定・検証並びに日本人の標準ゲノム配列の特定を進めると。
 
「地方公共団体におけるクラウド導入の取組(平成26年度改訂版) 」について
「自治体クラウド」のうち地方公共団体の基幹系業務システムについて記述するもので、自治体クラウドの概要や各フェーズ (事前検討、計画立案、仕様検討・システム選定、導入・移行、運用)における作業項目、実施手順、課題及び解決方策等を記載。自治体クラウド・モデル団体支援事業におけるモデル団体を中心に自治体クラウド導入取組事例も紹介しています。
 
「地方公会計標準ソフトウェアの開発及びサポート等の請負業務」における請負事業者の決定について
平成27年4月9日 地方公共団体情報システム機構
日立製作所が落札。
 
「携帯電話番号は個人情報に当たらない」、新経連に真意を聞いた
携帯電話番号は、「家」にひも付く固定電話と異なり「個人」と明確にひも付いているほか、番号ポータビリティ制度によって10数年にわたり同一人物とひも付くようになっているので「個人識別符号」とされるが、携帯電話番号を含む情報が個人情報とみなされるという可能性に、経団連や新経済連盟は反発していると。法改正後も「個人情報」の定義が曖昧な状態は続きそうです。具体的なニーズやリスクを列挙・整理した上で、個人情報保護法の役割を見直す必要があるでしょう。
 
国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する協議のためのワーキンググループ
平成27年3月24日
次世代医療機器開発推進協議会の下に設置。ワーキンググループ設置に至った背景、現状の施策など。
関連>>次世代医療機器開発推進協議会
 
電子行政オープンデータ実務者会議
利活用推進ワーキンググループ(第1回) 平成27年2月24日
利活用推進ワーキンググループの検討課題、オープンデータの利活用に係るヒアリングなど。
 
Government as a Platform: the next phase of digital transformation
英国では「GOV.UK」を起点として「プラットフォームとしての政府」を実現しようとしています。エストニアでは、「情報交換基盤、共通認証基盤、ポータル」の3つで「プラットフォームとしての政府」を実現していると言えるでしょう。
・トレーサビリティを確保した安全な環境の下
・標準化されたデータセットを必要な範囲で共有し
・ポータル上の共通アプリケーションで業務処理する
「ネット環境さえあれば、エストニアの公務員や議員は、いつでもどこからでも仕事ができる」ということです。
関連>>Introducing GOV.UK Verify
官民連携にOpen Identityは有効ですね。日本でも、「法令に基づく本人確認を行った上で、2要素以上のログイン認証を提供している金融機関等」であれば、たいていの電子政府サービスで問題ないと思います。
 
第3回厚生労働行政の推進に資する研究に関する委員会 平成27年3月25日
医療分野においてはビッグデータの活用が重要な課題となる。健康・医療戦略推進本部のもと、次世代医療 ICT 基盤協議会が設置され政府一体となった推進が図られようとしているところであり、厚生労働科学研究においてもその役割と必要性に応じて、これを踏まえた課題の設定を検討する必要があると。
 
ストーカー総合対策 平成27年3月20日
「すべての女性が輝く政策パッケージ」に基づき策定された総合対策。ストーカー事案に対応する体制の整備、被害者等の一時避難等の支援、被害者情報の保護、被害者等に対する情報提供等、ストーカー予防のための教育、加害者に関する取組の推進など。
 
財務省所管分野における個人情報保護に関するガイドラインを改正しました
平成27年3月27日
「個人情報保護に関するガイドラインの共通化の考え方について」(平成26年11月消費者庁一部改正)等に基づく改正。平成27年4月1日から施行。
 
情報活用能力調査の結果について
小・中学生を対象にコンピュータを用いた情報活用能力調査を平成25年10月から平成26年1月にかけて実施。
小学生について,整理された情報を読み取ることはできるが,複数のウェブページから目的に応じて,特定の情報を見つけ出し,関連付けることに課題がある。 また,情報を整理し,解釈することや受け手の状況に応じて情報発信することに課題がある。
中学生について,整理された情報を読み取ることはできるが,複数のウェブページから目的に応じて,特定の情報を見つけ出し,関連付けることに課題がある。  また,一覧表示された情報を整理・解釈することはできるが,複数ウェブページの情報を整理・解釈することや,受け手の状況に応じて情報発信することに課題があると。
 
農林水産省 Japanese Food Information
日本食・食文化等に対する海外の関心の高まりを踏まえ、新たに、日本食・食文化や食の安全確保に関する情報等を分かりやすく海外に発信する英語版ポータルサイトを開設。
関連>>日本の食に関する英語版ポータルサイト「Japanese Food Information」の開設について
平成27年3月26日 農林水産省
 
性犯罪等の被疑者の取調べを録音・録画した記録媒体の取扱いについての検討結果
平成27年3月 法務省
性犯罪等の被疑者の取調べを録音・録画した記録媒体の適切な取扱いを確保するため、考えられる運用上の措置等についての検討結果を取りまとめ。
公判廷において,性犯罪等の被害者等のプライバシーを著しく害する内容の供述が記録された記録媒体の証拠調べを行うことが真に必要であると判断される場合には,プライバシー保護の観点から,証拠調べの方法について十分な対応・配慮がなされるべきであると。
 
「世界一安全な日本」に向けた不法就労等外国人対策の推進について
平成27年3月27日 警察庁、法務省、厚生労働省
「世界一安全な国,日本」を創り上げるため,三省庁が一層協力して不法就労問題に取り組んでいくことを確認。マイナンバー制度の導入で、不法就労問題も少なからず影響を受けそうです。
・平成16年から,三省庁が中心となって不法滞在者の縮減のため各種の取組を行い,当時約25万人に上ると見られていた不法滞在者を大幅に縮減。
・いわゆる偽装滞在者の存在が深刻な問題となっており,その手口も悪質・巧妙化するなど,不法就労等外国人を巡る問題は依然として看過できない状況。
・安心して外国人と共生できる社会の実現に向けて,水際対策,外国人労働者の就労状況の適切な把握,不法滞在・偽装滞在対策等の推進及び情報収集・分析機能の強化などを行うことによって,「世界一安全な国,日本」を創り上げる。
関連>>「在留カード等仕様書の公開について」
法務省入国管理局 在留カード等番号失効情報照会
偽変造在留カードにご注意ください(PDF)
世界一安全な日本 – 法務省(PDF)
「世界一安全な日本」創造戦略(PDF)
 
知的財産に関する調査結果の公表について
2013年度においては,ドイツ連邦共和国を,2014年度においては,米国と英国をそれぞれ対象に,その国の知的財産訴訟制度について実情調査を実施し、調査結果を公表。
 
経済産業省の「国民保護計画」を変更しました
感染症法で定める1~4類感染症に係るウイルス、細菌、毒素、真菌及び原生生物、輸出貿易管理令別表第一及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令で定めるウイルスの名称変更に伴い、関係省庁がそれぞれの国民保護計画を変更。
 
投票率が9割を超える訳は 「屋台」やネット投票も
投票所は一カ所に指定されておらず、自分の選挙区内ならどこでも投票できる。投票所が小学校なら、児童の親たちが寄付金集めをかねてソーセージを焼いていて、投票所は祭日の神社のような雰囲気になっている。「iVote」と呼ぶ電話やインターネットの投票方式も選択できると。日本でも参考になりそうなことが多いですね。