つぶやき電子政府(2015年4月22日):マイナンバー制度の国民周知には時間がかかる

上戸彩さんのCM効果もあって、マイナンバー制度の存在が社会に浸透しつつあります。電子政府と全然関係ない知人・友人からも、マイナンバー制度の話題が出たりします。
 
民主党政権の時代から、何年もかけて検討・準備し、何度もパブリックコメントを実施して、マスコミにもたびたび取り上げられていたマイナンバー制度ですが、いざ今年の10月から番号が通知されると聞かされると、「えっ、そんなの聞いてないぞ!」、「こっそり、そんなことを決めていたのか!」と反応する人がいるようです。
 
どんな新しい制度や法改正も、「ほとんど全ての国民が認知し、かつ正しく理解する」ということはあり得ないので、今の時点では、まあこんなものかと思います。10月までには、多くの国民がマイナンバーを認知して、おおよその意味を理解することになるでしょう。過剰な心配を減らすためには、制度を正しく理解することが何よりです。本ブログでも、引き続き情報提供していこうと思います。
 
そう言えば、上戸彩さんのお子さんは、「生まれたときからマイナンバーを持っている世代(マイナンバー・ネイティブ?)」になりますね。そんなスマホ世代ならぬマイナンバー世代が、「日本にもマイナンバーが無い時代があったんだね」と話す日が来ることでしょう。
 
 

 
De-Identification of Personally Identifiable Information (PDF)
個人を特定・識別できるデータの匿名化に関するNISTの報告書案。法令等を根拠としてデータを共有する際に行われるデータの匿名化(非識別化)が、後に再識別化される可能性があると。De-Identification Data Flow Model, Removal of Direct Identifiers, Re-identification through Linkage, De-identifying Genetic sequences and biological materials, Estimation of Re-identification Riskなど。いわゆる4情報(氏名、住所、生年月日、性別)は、直接的識別子と擬似(間接的)識別子の組合せなのですね。この意味では、個人情報から4情報を完全に削除することは、匿名化の第一歩と言えるでしょう。
関連>>米国のHIPAA法における個人情報等の保護に関する規定について(PDF)
個人情報保護における国際的枠組みの改正動向調査報告書(PDF)
平成26年3月28日 消費者庁
 
 
 
 
患者データ25億件が漏洩か、製薬会社に販売の疑い 2015/04/17
医療情報コンサルティングのグローバル企業である米IMS Health社の韓国法人IMS Health Koreaが、2008年以降に韓国人の診療記録と処方箋、計25億件を1件当たり1ウォン(約0.1円)で購入し、米国本社にわたす個人情報侵害を犯した疑いがある。
日本のケースに置き換えれば、2015年秋に始まるマイナンバーと名前入りの電子カルテ、電子レセプトを多国籍企業が安く買い取り、米国にある本社がその情報を使って日本人の年代別・性別の病歴や主に使う薬などを分析。その情報を日本の製薬会社に高い値段で売っていたことに相当すると。
IMS Health Koreaは、「ビジネス相手の国の法律は守っている。診療記録や処方箋などは暗号化して個人を特定できない状態で買い取り、製薬会社に販売したレポートも統計資料であり個人情報は含まれていない」と反論。
データの販売を禁止するよりも、診療記録と処方箋などのデータが正規のルートで円滑に流通する仕組みを考えた方が良いでしょうね。
関連>>韓国の医療法(韓国語)
韓国の個人情報保護法(韓国語)
 
目標管理型の政策評価の点検結果 平成27年3月27日 総務省行政評価局
各行政機関が実施した目標管理型の政策評価について、点検を行った結果を取りまとめ。マイナンバー制度についても、目標管理型の政策評価を実施して欲しいところですが、肝心の目標設定が変なものにならないよう、事前評価が必要になるでしょう。
 
電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン及び解説の改正案に対する意見募集 
平成27年4月18日(土)から同年5月22日(金)まで
個人に関する情報や通信の秘密の対象とされる情報などICTサービスにおける個人情報・利用者情報等の取扱いの在り方について検討し、ガイドライン及びその解説の改正案を作成。適正な取得、安全管理措置、従業者及び委託先の監督、個人情報保護管理者、通信履歴、位置情報について改正。ベネッセ事件の教訓を反映した内容になっていますね。改正案の基になったWG報告書についても意見募集しています。
関連>>個人情報・利用者情報等の取扱いに関するWG「「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」の改正について」(案)に対する意見募集
 
「スマートフォン プライバシー アウトルックIIの公表 平成27年4月17日
スマホのアプリにおけるプライバシーポリシーの作成・掲載に係る実態調査と、当該アプリがプライバシーポリシーどおりに利用者情報を取り扱っているかを検証するための実証実験を実施した結果の取りまとめ。スマホを使わない人も、Facebookやツイッターのアプリ設定は、定期的に確認した方が良いですね。
・プライバシーポリシーの掲載率は向上しているが、記載内容が不十分なものが多い。
・Androidの人気上位100位までのアプリのうち、何らかのプライバシーポリシーの掲載があるものは86%に達したが、個々のアプリ専用のものがあるものは19%
・平成26年度、申請のあった64のアプリについてアプリの解析を行い、プライバシーポリシーの内容との突合を行った結果、プライバシーポリシーに利用者情報の外部送信に関する記載がないにもかかわらず、利用者情報が外部に送信される不適正なアプリが9つ(約14%)確認された(多くは位置情報)。
 
第5回 産業競争力会議課題別会合 平成27年4月15日
大学改革、サービス産業の活性化・生産性向上について。サービス産業チャレンジプログラム案では、医療分野において、
・日々の診療行為、治療効果及びアウトカムデータ(診療行為の効果)を一元的に蓄積・分析・活用するための「臨床効果データベース」の整備に向け、関係学会等の取組を引き続き支援し、精緻な診療ガイドラインの作成等を支援する。また、各診療領域のデータベース間の連携に向けた方策を平成27年度中に検討する。
・医療保険のオンライン資格確認のできるだけ早期の導入を目指し、検討を進める。また、医療等分野の情報連携に用いる番号のあり方について、オンライン資格確認で実現されるインフラの活用も含め、個人情報保護を含めた安全性と効率性・利便性の両面が確保された情報連携の仕組みを検討すると。
 
 
ロシアの脅威が生んだ電子大国エストニア
エストニアの新興企業が海外の投資家から資金調達する例が増えている。ある創業者が会社を立ち上げるのに必要としたものは、電子IDカード、1台のパソコン、クレジットカードのみ。デスクに向かって、たった数分間で登記手続きを済ませたと。
バルト三国の地政学リスクが高まっていますが、エストニアのベンチャー王国としての地位も、まだまだ高まりそうです。
 
アンテナショップもゆるキャラも、実は地方活性に貢献などしていない! |週プレNEWS
補助金のほうに頭がいくと、「自分たちの仕事をより良くする」とか「付加価値を見つける」という、本来取り組むべきことに関心が払われなくなりますと。マイナンバー制度の自治体活用も、補助金頼みにならないと良いのですが。。
 
マイナンバー制度に対応 「個人番号カードの交付予約・管理システム」提供
~交付業務を軽減!交付通知書・宛名の出力から各種進捗情報管理まで~
2016年1月より希望者に交付されるマイナンバー制度の「個人番号カード」は、国の試算では、初年度は人口の7%、次年度に人口の20%強への交付が想定されていると。自治体向けに「個人番号カードの交付予約・管理システム」を、今秋をめどにクラウド型・ASP型で提供するそうです。
 
マイナンバー商戦がセキュリティ市場に波及、自治体向け専用機も
政府が自治体に対し、サンドボックス(不審なファイルを検査するための隔離された仮想マシン)を使って、未知のマルウエアを検出することを求めているのを受けて、トレンドマイクロが、2015年6月に自治体専用のセキュリティ対策アプライアンスサーバー「Trend Micro マイナンバー向けサンドボックス」を発売すると。
 
4月27日にe-Taxホームページをリニューアルします
新着情報を見つけやすいように改善、必要な情報を見つけやすいように改善、申告・申請等の態様に応じたソフトが利用しやすいように改善しますと。
 
 
 
マイナンバー制度で企業が得られるメリットを説明しよう
日経BPガバメントテクノロジーの井出さんによる解説。マイナンバー制度の導入に伴い、源泉徴収票と給与支払報告書の様式は統一されて、企業は、地方税ポータルシステム「eLTAX」1カ所に情報を送信すればよくなると。マイナンバーと法人番号の活用で、企業の申請・届出が不要・省略化される手続を増やすと良いですね。
クラウド等を活用した地域ICT投資の現状(PDF)
「法人番号」活用の具体例として「法人番号を活用した入札参加資格申請の効率化」を提示。
 
第4回経済財政諮問会議 平成27年4月16日
経済の好循環実現(賃金・雇用)に向けて、経済再生・財政健全化に向けたインセンティブ改革等。社会保障分野で、インセンティブ改革により「個人の努力を支援する例」「保険者機能の強化を促す例」「医療サービスの提供体制を改革する例」が出ています。
 
第5回 まち・ひと・しごと創生本部会合 平成27年4月3日
今後の地方創生の取組方針について(案)、地方創生のための取組例など。
関連>>地方創生コンシェルジュ
 

 
資源配分のあり方に関する有識者懇談会(第1回)平成27年4月1日
再生可能エネルギーの技術動向については、次の通り。潜在能力の高い地熱に期待でしょうか。
 
太陽光:シリコン系・化合物系・有機系に加え、有機無機ぺロブスカイトの新型太陽電池や集光型太陽電池などの開発が盛ん。
 
太陽熱:かつて家庭用太陽熱温水器の普及が進んだが急速に縮小。集光型は香川県で実証試験が行われたが終了・解体。海外ではタワー集光型・ダウンビーム集光型・トラフ型などの利用構想が拡大。
 
風力:陸上が主体であったが今後は洋上を中心に導入が図られ実証試験実施中(福島県沖・茨城県沖では浮体式)。
 
地熱:環境アセスメントに加え、地熱資源採掘リスク、設備設置のリードタイムが長い。90年以降発電プラント新設ゼロ、近年研究開発予算が措置、最大のネックである国立公園の規制も一部緩和され府省横断の取り組みが決定。地熱発電用タービンの世界シェアは日本メーカーが約7割。
 
海洋エネルギー:小規模な実証試験開始。商用導入には時間を要する。現在導入量ゼロ、研究開発予算が措置され府省横断での取り組みが決定。
 
バイオマス
・木質系:収集、転換の困難さ
・草本系:賦存量少(海外では食糧との競合が問題視)
・食品廃棄物・厨芥:含水率高く熱量が低いため発酵が主な利用
・黒液:古くからボイラー炊きによるエネルギー回収に用いられてきたが、古紙回収率向上に伴い減少
・海洋系バイオマス・淡水系油産藻類:研究開発が進められているが実用化には遠い
 

 
コンビニエンスストアの経済・社会的役割に関する調査をまとめました
平成27年3月25日 経済産業省
「行政サービスの代行」では、「今後、マイナンバー交付による制度改正にあわせて、自治体がコンビニでの住民票等の交付サービスを活用することで、住民の利便性向上、行政コストの削減にますます寄与できる」としていますが、同じ税金を使うのであれば、住民票そのものが不要となる社会へ投資して欲しいと思います。 
経済的役割(雇用/人材、地産地消/農業、商店街、健康産業化、インバウンド対応、海外展開)、社会的役割(防犯、買物弱者、高齢者見守り・認知症対応、防災、行政サービス代行、物流・環境)、フランチャイズシステムのそれぞれに関し、
①各社の経営の中で対応すること
②コンビニエンスストア業界として対応すること
③個社や業界だけでなく多様なステークホルダーも含めて対応していくこと
について今後の方策をとりまとめ。
 
 
Webサイト等による行政情報の提供・利用促進に関する基本的指針及び政府情報システムに係るネットワークの再編方針の決定
平成27年3月27日 行政管理局
平成16年に策定された「行政情報の電子的提供に関する基本的な考え方(指針)」を廃止し、各府省のWebサイト等により提供する情報、その際の留意事項等について指針を新たに定める「Webサイト等による行政情報の提供・利用促進に関する基本的指針」と、政府情報システムに係るネットワークの再編について、政府全体で共用可能なネットワークの将来的な実現に向けて、その目指すべき方向性及び当面の取組事項を定める「政府情報システムに係るネットワークの再編方針」を決定。
政府の情報ネットワークの非効率性については、10年以上前から指摘されていましたが、ようやく改善されるようです。Webサイトは、オープンデータ対応へ。
 
 
 
 
地域の生活コスト「見える化」システムを作成しました。~地域の暮らしやすさを貨幣価値で比較できます~
平成27年3月30日 経済産業省
市区町村別に、地域の家計収支や地域の暮らしやすさを貨幣価値で示すことにより、生活に係わる様々なコスト・ベネフィットを比較・検討することができると。エクセル版で提供していますが、ウェブ上で動くようにして欲しいですね。
関連>>日本各地の生活コストを算出して暮らしやすさを比較できる「生活コストの『見える化』システム」
人口動態に応じた政策対応(PDF)
 
「全国移住ナビ」及び「公共クラウド」の供用開始 平成27年3月24日
居住・就労・生活支援等に係る総合的なワンストップのポータルサイト「全国移住ナビ」と、公共データの閲覧や公開API機能を備える「公共クラウド」の供用を開始。「全国移住ナビ」のようなサービスは民間に任せれば良いことで、税金で作るものではないですね。
関連>>全国移住ナビ
公共クラウドシステム
現在は、全国自治体の観光情報をオープンデータとして提供。
 
日EU・ICT政策対話(第21回)及び日EU・ICT戦略ワークショップ(第1回)の結果
平成27年3月24日
「高齢化社会におけるICT活用」では、将来的な研究開発分野における協力を目指すことで一致。「青少年保護・パーソナルデータの利活用とプライバシー保護に係る政策協調」では、EU側から個人データ保護規則案を巡る欧州理事会での審議状況等を説明。スマートフォンアプリの利用者等のプライバシー確保について国際協調が図られるよう、今後もベストプラクティスの共有を行っていくこと等を確認したと。
 
「地域における生活支援サービス提供の調査研究事業報告書」の公表
平成27年3月25日
高齢化による生活機能の低下、人口減少・過疎化による集落の生活支援機能の低下が進む中、コミュニティビジネスを活用しながら生活支援サービスを継続的に展開する取り組みの調査研究。生活支援サービスの評価にあたっては、採算性が高いことよりも、地域の課題解決に役立つ事業が、有効に、かつ継続して行われているかどうかが重要であると。
 
公立病院改革の推進 平成27年3月31日
地域の医療提供体制の確保等の観点から、公立病院改革を推進するため「新公立病院改革ガイドライン」を策定。
依然として、医師不足等の厳しい環境が続いており、持続可能な経営を確保しきれていない病院も多い。また、人口減少や少子高齢化が急速に進展する中で、医療需要が大きく変化することが見込まれており、地域ごとに適切な医療提供体制の再構築に取り組んでいくことがますます必要になっている。このため、引き続き、経営効率化、再編・ネットワーク化、経営形態の見直しとの視点に立った改革を継続し、地域における良質な医療を確保していく必要があると。
 
「公営企業の経営のあり方等に関する調査研究会」報告書 平成27年3月25日
公営企業に係る広域化や民間活用の方策等を検討。市町村等による水平連携、都道府県による支援、民間主体(民間事業者・第三セクター)を活用した広域化、包括的民間委託等による効率化(民間活用)などを提言。自治体クラウドと共通するものが多いですね。
 
「暮らしを支える地域運営組織に関する調査研究事業報告書」の公表 平成27年3月27日
「地域運営組織」とは、地域の生活や暮らしを守るため、地域で暮らす人々が中心となって形成され、地域内の様々な関係主体が参加する協議組織が定めた地域経営の指針に基づき、地域課題の解決に向けた取り組みを持続的に実践する組織のこと。
○活動範囲は「小学校区」(概ね昭和の大合併で消滅した旧村エリア)
○全国の1/4の市町村に1600を超える組織があり、さらに8割を超える市町村が必要性を認識
○約7割が法人格を持たない任意団体で、残り約3割の大半がNPO法人
○主な活動内容は高齢者交流、声かけ・見守り、外出支援、配食支援、買い物支援など幅広い
○主な収入源は市町村補助金、会費、利用料であり、財政基盤が脆弱
○地域の有志や組織、団体で構成される地域に根ざした組織であり、人材不足が課題