2017 新年のご挨拶: データ基盤やマイナンバー制度の見直しに期待
皆さま、あけましておめでとうございます。遅ればせながら、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
年賀状を止めてから何年も経ちますが、毎年のように「私もやめました」とメールやLINEで挨拶してくれる人が増えています。私は、年賀状をもらうのは嬉しいのですが、自分からは返信も含めて送らないという、人としてどうなのかという感じです。。
昨年は、増えすぎたボランティアベースの作業を減らして、その分、少しだけ通常の仕事を増やしました。割合的には、ボ6:仕4ぐらいだったのを、ボ1:仕9ぐらいにしたので、かなり楽になりました。今年も、同じような割合とペースで行きたいと思います。
下記の通り、新戦略推進専門調査会の電子行政分科会で、新たな電子行政の方針が検討されています。サービスデザイン思考による行政サービスやAPI指向は良いと思いますが、現在のデータ基盤やマイナンバー制度では、相当難しいですね。いずれにせよ、根っこの厄介な部分に手を付けていく必要があります。
第20回新戦略推進専門調査会電子行政分科会 平成28年12月22日
新たな電子行政の方針(プラットフォームの高度化・共有化、価値を生み出すITガバナンス)について。
【八幡浜市役所 高倉万記子氏】システムのスペシャリストが創出した役所の外に広がる輪
先日も、「高倉さんは、いいね、すごいなあ」という話で盛り上がりました。
年金個人情報に関する情報セキュリティ対策の実施状況及び年金個人情報の流出が日本年金機構の業務に及ぼした影響等について
平成28年12月16日 会計検査院
28年10月及び同年11月の会計実地検査において、機構は、年金個人情報については専用フォルダに移し替えるなどした上で全て削除したとしていたのに、専用PCのハードディスクに年金個人情報等が保存されていることが確認されたと。
改めて厚生労働省と年金機構の対応のひどさがが浮き彫りになる内容です。改革が進むとは思えないので、年金業務の処理について、年金機構以外の選択肢を作った方が早そうです。
高齢者保険料6億円徴収ミスか 厚労省、5年放置
厚労省は約5年前に不備を認識しながら公表せず、システム改修などの抜本策も取っていなかったと。もはや安定の厚労省。
マイナンバー、トラブル続出の深層
part3 仕様のオープン化を急げ
エストニアは開発者に対して、Webサイトを通じてeIDカード内部のスペックを詳細に公開し、eIDカードで利用する標準ソフトやドライバーソフト向けに、オープンな開発環境を提供していると。
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印鑑レス化最大の障壁は官公庁、マイナンバーカード普及は解決策になるか
銀行の印鑑レス化は時間の問題で、高額取引や契約も実印不要になるが、公的機関の手続きには実印が残ると。日本のデジタル社会への移行を妨げるのは、役所(特に法務省)と公証人なんですよね。法的根拠があるだけに性質が悪いです。
NTTドコモからマイナンバーカード対応Androidスマホが登場
2019年にはiPhoneもマイナンバーカード対応へ
iPhoneのOS「iOS」ではアプリからSIMカードへの書き込みができないため、NTTデータや日本IBMは、iOSに標準搭載されている「Keychain」と呼ばれるセキュアな領域に電子証明書を格納する方法の検証を進めていると。
安倍政権の4年間の実績評価は2.7点(5点満点)
~11分野60項目の評価全文を公表します~ 言論NPO
評価が比較的高いのが、外交・安保。低いのが憲法改正、社会保障、復興・防災 、エネルギー・環境など。電子政府を評価するとしても、2.5ぐらいでしょうか。
ついに成立した官民データ活用推進基本法は“2000個問題”を打ち破れるか
統合型リゾート(IR)法、消費増税の再延期法(軽減税率制度の導入)、改正割賦販売法(加盟店に対し決済端末のICカード対応を義務付)と共に、官民データ活用推進基本法を紹介。「実効性はほとんど期待できないけど、まずは第一歩」という理解が妥当でしょうか。本質的なことを言えば、情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)の改正を含む、国民の権利として位置づけると共に、地方分権のあり方の見直しも同時に行なうべき問題と思うのですが、今の日本にはそれができないのでしょうね。改めて、エストニアにおける法制度設計の優位性を感じます。
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官民データ活用推進基本法の概要
日本版オープンデータ(官民データ活用推進基本法)から抜け落ちる政治と政治資金の情報公開
国立・マンション訴訟 元市長個人の賠償確定 上原さん「市民自治を無視」
「今回の司法判断は、市民の支持を得て、政治理念に基づいて行動する自治体トップを萎縮させかねない」とありますが、日本は法治国家なので、それを逸脱するような行為に対する司法からの行政への警告とも言えそうです。日本が人口減少や少子高齢化で疲弊していく中で、地方自治のあり方を問われる機会も増えるでしょう。
うっかり生活保護申請させられ、現役世代への社会保障の薄さを思い知らされた件
体験から導き出されたことは、「行政の社会保障制度は、何かあってもほぼ現役世代の役には立たない」、社会保障を支えているのは、言うまでもなく現役世代ですが、彼らが何かしらの理由で働けなくなると、障害年金でも貰わない限り、家を手放し貯金を使い果たすまで助けてくれないのが日本の福祉の現状と。この辺りの実態が理解されると、若い人の投票率も上がりそうですし、年金減額に反対する高齢者も少なくなると思うのですけど。あとは子供たちへの教育ですね。厳しい社会保障時代を生き抜くための知恵が必要ですから。
【千葉市長 熊谷俊人氏】政令市の最年少市長が語る、最高にやりがいのある地方自治体の仕事とその最前線
「具体的に、これだ!」というものがあると言うよりは、不断の行革、事業見直しをずっと一年中やり続けた、積み重ねた結果。
行政は、とにかく凄いものをいっぱい持っていますよね。でも、全部自分達で作って全部自分達で所有したがるんです。など、名言が多いです。
パーソナルブランドの構築に役立つ6つのサイト
GitHub、Behance、LinkedIn、JibberJobberなどを紹介。LinkedInは、私の周りでも使っている人が多いです。
「社会保障」「地方再生」失敗の轍を抜けるには
日本が沈み切る前に、打つべき手を考える賢人会議
森田先生の連載企画で、賢人会議を開催。一番若い木下の話が、一番的を得ている感じです。藤田さんのコメントは手厳しいなあ(笑)
2015年の企業倒産は25年ぶりに9000件を下回りましたが、その裏には2万5000件以上の休廃業・解散があると。この話は、士業の人からも聞きますね。「地方消滅」で一番打撃を受けるのは、実は政治家と行政マンというのもその通りで、役所が消滅して困るのは誰かということですよね。
未来投資会議(第2回) 平成28年11月10日
医療・介護分野において、団塊の世代が75歳を迎える「2025年問題」を解決するため、予防・健康管理と自立支援に軸足を置くパラダイムシフトを通じて、健康寿命を延伸させるとともに、重介護者数を減少させる。
膨大な健康・医療データを、全国津々浦々で、治療、予防に活用するための基盤整備(患者の健康・医療等の情報を医師などの専門職に共有して切れ目ない診療・ケアが受けられる仕組み(Electric Health Record)の整備、患者本人が自らの生涯にわたる健康・医療等の情報を経年的に把握できる仕組み(Personal Health Record)の構築、人工知能を活用した医療診断支援、ITを活用した遠隔診療、健康維持に対するインセンティブ等。
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医療・介護分野におけるICT活用 平成28年11月 厚生労働省
金融庁におけるフィンテックに関する取組み金融庁 平成28年11月
FinTechの進展に伴う情勢変化の例(オープン・イノベーション)、情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律の概要、FinTechサポートデスクの設置と活動状況、決済高度化官民推進会議、決済高度化のためのアクションプラン、オープンAPIに向けた動き、フィンテック・ベンチャーに関する有識者会議など。
関連>>「第4次産業革命(Society5.0)・イノベーション」会合 (第4次産業革命)(第2回)
フィンテックに係る各国の枠組み 平成28年12月 金融庁
「企業関連制度改革・産業構造改革―長期投資と大胆な再編の促進」会合
(規制改革、行政手続の簡素化、IT化)(第1回) 平成28年12月12日
A Corporate InformationManagement Framework for the European Public Sector
欧州公共部門向けに制定された組織情報管理フレームワーク(CIMF)の第2版が公表されました。日本政府にこの種のフレームワークが無いのも、国と地方のデータガバナンスができていないこととや、年金機構のずさんな情報管理が放置されている状況と関係してますね。
関連>>政府情報システムの整備及び管理に関する標準ガイドライン