「使いにくいマイナンバー制度」は国民自身の選択、将来に渡り社会全体でそのツケを負うことになる

「法的にグレー」こそイノベーションの源、日本が米国に負ける理由
「目的がマイナンバーカードの発行枚数を増やすことになっていて、おかしなことになっている」と言う企業関係者もおり、マイナンバー制度の目的である「国民生活の利便性の向上」よりも、マイナンバーカードの発行枚数や利活用拡大という手段が目的化する恐れがあると。
 
手段が目的化することは住基カードでも見られましたが、本質的な問題は、現行のマイナンバー制度が「国民生活の利便性の向上」を実現できるものではないということです。マイナンバーも使いにくいし、マイナンバーを券面に記載するマイナンバーカードも同じぐらい使いにくい。中に入っている電子証明書にはマイナンバーは含まれず、やはり使いにくい。こうした状況では、「マイナンバーカードの発行枚数や利活用拡大」という手段が目的化するのは、ある意味、仕方の無いことと思います。
 
やっかいなのは、「マイナンバーを使いにくいものにしたのは、他ならぬ国民自身である」ということです。マイナンバーが使いにくいものになった背景には、国民総番号制に反対する人たちとそれを煽るマスコミが引き起こした「住基ネットの最高裁判決」があります。マイナンバー制度を導入する際にも、一部の国民や専門家・有識者から同じような反対があり、多くの妥協を経て、現在の複雑なマイナンバー制度があります。その複雑なマイナンバー制度を実施するための業務や情報システムも、同じように複雑化して、様々な社会コストを生み出しています。そうしたコストの大半は、本来の共通番号制度では不要なものばかりです。
 
国民自身が「マイナンバーを使いやすいものにする」ことを選択しない限り、マイナンバー制度における手段の目的化は、今後も続くことでしょう。

 
マイナポータルはどうすれば改善できるか、専門家が示す二つの道
ラング・エッジの宮地さんが解説・提案されています。米RSAセキュリティが策定・公表した公開鍵暗号標準のうち一般的な暗号化ができるPKCS#11という規定のAPIが提供され、WindowsやMac、Linuxなど全ての環境で使える。J-LISの利用者クライアントソフトが提供しているCSPは独自に記述され、PKCS#11などのモジュールには推奨されていない実装があるために、エストニアのようにFirefoxなどのブラウザーには組み込めないと。
こうした現状を踏まえて、「エストニアのように、独自仕様のモジュールを作り直してスタンダードなAPIを使える仕組みを提供する」、「スマートフォン向けアプリを優先して開発する」を提案されています。マイナンバーカードの電子証明書には、まだ他にも問題がありますが、まずは認証の仕組みに関する政府の対応が待たれます。
 
確定申告の煩雑さはマイナンバーとAIの活用で格段に楽にできる
公共サービスとして「税理士のAI」を提供し、マイナンバーを使って、税務申告を自動化してほしい。確定申告用の書類が着く時には税務申告に必要な数字が全て埋まっていて、納税者は、これを確認し、異議のある部分だけ訂正を申し立てたら、それで確定申告が終わるといった形が望ましいと。エストニアや韓国では、既に実現してますよね。
関連>>e-Tax – e-Estonia
20151年からは、アマゾンばりの「ワンクリック申告」を実現しています。 
 
マイナンバーカードの取得メリット 
2017年1月21日放送:政府広報オンライン
マイナンバーカードを取得することで、今年7月から本格運用されるWEBサイト「マイナポータル」を通じて、子育てサービスなどの行政手続ができるようになりますと。
 
OGP Toolbox 
オープンガバメントのツールボックス(カタログサイト)のベータ版が公開されています。今のところ、1,266のツール、189のユースケース、515の組織がリストにあります。世界中の機関が開発し使用しているデジタルツールを集め、ソフトウェア・ソリューションの共有と再利用を促進し、よりオープンな民主主義を進めていくと。このポータルサイト自体がオープンソースなのですね。
関連>>The OGP Toolbox is a collaborative platform to find and share digital tools used throughout the world for open government initiatives.
 
Use of FACe, Spain’s eInvoicing tool, on the up
スペインでは、10万社を超える企業が、中央政府が提供するeInvoicing(電子請求書)ツール「FACe」を使用していると。eInvoicingシステムは、バスク州を除くすべての自治体と8,000を超える国の行政機関が採用しています。「FACe」は、これまでに1,400万件の請求書を処理してきましたが、その50%は地方公共団体向けのものであったと。紙の請求書や領収書って、ホントに無駄ですよね。
関連>>e-Invoicing – European Commission
島根県あて請求書等について
愛媛県あての請求書等について
 
再度、図書館問題について 貸し出しは販売に影響を与えるか
2012年には、政策研究大学院大学の院生が統計解析して「図書館における書籍の貸出によって、売上が総計としては増加していることが分かり、貸出が売上を減少させているという主張は正確ではない」との結論を報告。浅井明治大学教授の論文「公共図書館の貸出と販売との関係」の結論も、「市場全体でみる限り、公共図書館は販売市場に大きな影響は与えていない。」であったと。これは初めて知りました。
 
「クレジットカードに関するデータ標準化ワーキンググループ」の報告書
加盟店所在地情報の標準化、加盟店業種情報の標準化などを進めると。
 
我が国初のAPEC越境プライバシールールシステム(CBPRシステム)認証取得事業者が誕生
認証機関である一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)から審査を受け、インタセクト・コミュニケーションズ株式会社(法人番号:6010001125005)が認証を取得したと。
 
保険医療機関等管理システムの抜本的見直しに向けた基本方針書(案)
クラウドサービスを採用し、データベースの見直しにあたっては、まず移行要否を識別して不要となるテーブルを廃止とし、今後も利用するテーブルについて、リレーショナルデータベースを前提としてデータ構造の見直しを実施。そのうえで、刷新に伴う処理方式の見直しを前提としてデータベースの最適化を図ると。
 
行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律第10条に基づく公表について(平成27年度における行政手続のオンライン化の状況)
厚生労働省が所管する行政手続等の平成27年度におけるオンライン化の状況について。平成27年度中にオンラインでの利用が可能な申請・届出等手続の年間申請等件数は、1億7,948万9,560件(昨年度1億7,486万4,529件)であり、このうちオンラインを利用した申請等件数は、2,002万2,978件(昨年度1,414万7,281件)で、オンライン利用率は、11.2%(昨年度8.1% )だったと。
 
サイバーセキュリティタスクフォース(第1回)平成29年1月30日
サイバーセキュリティの現状及び総務省の対応、政府におけるサイバーセキュリティ政策の現状、最近のサイバーセキュリティにおける脅威動向など。
 
NISTが警告、SMSでの二段階認証が危険な理由
SS7の脆弱性によって、SMSメッセージのインターセプトは私たちが考えているよりもずっと容易になっていると。
 
6年前のモデルがまだ使える、7周年を迎えたiPadは低迷を抜けられるか
一度買ったら5年も6年もストレスなく使えてしまうその“優秀”さは、現在のiPadの販売台数低迷を招いている原因でもあると。我が家の初代iPadも、バリバリ現役で家族が使っています。アップルIDの紐づけ無しの初期設定、ウェブ閲覧だけに使い、特に野球シーズンには大活躍しています。
 
我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算
2016年11月の集計結果を公表。ブロードバンドサービス(FTTH、DSL、CATV及びFWA)契約者の総ダウンロードトラヒックは、推定で約8.3Tbpsであり、前年同月比52.2%増と。
 
「防災等に資するWi-Fi環境の整備計画」の公表 平成28年12月26日
平成29年度から31年度までの3か年における「防災等に資するWi-Fi環境の整備計画」を策定。平成31年度までの整備目標数として設定した約3万箇所の整備状況について、各年度、その進捗状況を把握し更新すると。
 
平成27年度における行政手続オンライン化等の状況(国、独立行政法人等関係)
平成28年12月22日
登記や税の電子申請・申告は、オンライン利用の集計の仕方がめちゃくちゃなので、社会保険・労働保険の8.9%が「実際のオンライン申請利用率」と考えて良いでしょう。オンライン申請の成功例は、国土交通省の「特殊車両通行許可申請」ぐらいですね。
 
平成28年度地方公共団体間の事務の共同処理の状況調の結果の公表 平成28年12月20日
・共同処理の総件数 8,876件 (640件の増)
・関係団体数 延べ22,120団体(864団体の増)
情報基盤整備に関する事務は、自治体システムの共同運用に係る連携協約等の増加により55件増加していると。
 
図書館は「無料貸本屋」ではない!全国の「本気の図書館」を知ろう
日本で最も人口の少ない鳥取県の県立図書館なのに、資料購入費は全国4位を維持しており、ヒット商品をも生み出すビジネス支援により予算が通ると。