EUのデジタル公共サービス(電子政府)のリーダーは、エストニア、フィンランド、オランダ
The Digital Economy and Society Index (DESI)
欧州のデジタル化について2016年度の進捗状況を評価する「2017デジタル経済社会指数(DESI)」が公表されました。総合評価では、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、オランダがEUで最も先進的なデジタル経済国家とされていますが、デジタル公共サービス(電子政府)分野のトップ3はエストニア、フィンランド、オランダとなっています。
エストニアや北欧勢の強さは相変わらずですが、国連の電子政府ランキング2016で1位の英国は平均以下という位置づけです。個人的な感覚でも英国は平均レベルと思いますが、今のやり方でエストニアや北欧勢にどこまで追いつけるかという興味はあります。
個人的に注目しているのは、スペインやポルトガルなどの南欧勢です。eIDや情報交換基盤の整備が進んできたので、今後大きくレベルアップする可能性があります。
関連>>Estonia and Finland best in eGovernment
Digital Economy and Society Index (DESI) 2017
G20が初めて「デジタル大臣会合」を開催 平成29年4月7日
平成29年4月6日、7日にドイツ(デュッセルドルフ)で開催されたG20デジタル大臣会合に金子総務大臣政務官が出席。「グローバルなデジタル化 ― 包摂的成長と雇用のためのポテンシャルの活用」、「成長のための製造のデジタル化」、「信頼性の奨励 ― デジタル世界における信頼の強化」が重要と。
関連>>Digitalisation: Policies for A Digital Future
G20 Multi-Stakeholder Conference and Meeting of the G20 Digital Ministers
マイナンバー情報利用料100億円 健保組合が猛反発
エストニアのX-Roadのように官民で使える情報交換の仕組みが無いと、個別に高価なシステムを作って、維持費も割高で、かつ利便性も高くない。改善しようとすると、別途莫大な費用がかかる、といった典型的な日本型電子政府のパターンに見えて仕方ありません。
100億円あれば、エストニアのIT国家予算が2年弱まかなえますね。
Slovakia amends law to create public record system
スロバキアでは電子政府法を改正して、2020年までに公的記録の中央システム化(義務化)を進めると。シームレスな電子政府の実現を真面目に考えると、データの集約(一元化ではない)は自然な流れですね。日本みたいに各自治体がバラバラに管理することの限界は、東日本大震災でも学んだはずなのですが。。
「さらば福祉大国」、PHR先進国を目指すオランダ
“国王肝いり”のプロジェクト始動
国際社会経済研究所(IISE)情報社会研究部の遊間和子氏が「オランダにおけるPHRを中心とした健康寿命延伸への取り組み」を紹介。民間活用の事例は、日本でも参考になりそうです。2019年末までの目標として
(1)慢性疾患患者の80%、それ以外の国民については40%が、自分自身の医療記録にオンラインアクセス可能となる
(2)慢性疾患患者や虚弱高齢者の75%が血圧やコレステロール値を自己測定し、それらのデータを医療サービス提供者と共有する
(3)在宅ケア利用者は、遠隔介護によりヘルスケアサービス提供者と24時間コンタクトできる
エストニアのeHealthでは、オランダが目指すPHRが既に進んでおり、ガン登録データやゲノムデータを活用した個別化医療の段階へ進もうとしています。
東芝を沈めた原発事業「大誤算」、誰の責任か?
原発推進の理解を得るためには安全と安心、2つの問題がある。政府は福島第1で何が起きたのか、なぜ起こったのか、どうすれば同様の事故を防げるのか、日本全国の原子炉を再稼働するためには何が必要なのか、今日に至るまで国民に面と向かって説明していない。国がそんな姿勢ではいくら安全性が向上しても、「安心」は得られないと。
平成29年度予算 データ利活用型スマートシティ推進事業に係る提案の公募
平成29年4月3日
都市や地域の機能やサービスを効率化・高度化し、生活の利便性や快適性を向上させるとともに、人々が安心・安全に暮らせる街づくりを目的として、複数分野のデータを収集し分析等を行う基盤(プラットフォーム)を整備するとともに、ベンチャー企業などの多様な主体が参画するための体制整備等を行う事業を公募しますと。IoTと並んで、こちらもほぼ何でもあり状態ですね。
関連>>平成29年度予算「情報通信技術利活用事業費補助金(地域IoT実装推進事業)」に係る提案の公募
第11回投資等ワーキング・グループ 平成29年3月30日
電波周波数の調整・共用、税・社会保険関係事務のIT化・ワンストップ化、不動産登記の見直しなど。富士通総研の榎並さんから「電子政府から見た土地所有者不明問題」の資料が出ています。
Introduction of new Danish eID again delayed
2010年に開始されたNemID(官民で使える電子認証・署名)の後継となるデンマークの新しいeIDシステム「MitID」の導入が、2017-2018年から2019-2020年に延期。MitIDの技術要件はまだ開発中と。現在のNemIDは400の民間デジタルサービスで利用されています。電子政府先進国では、次世代eIDシステムへの移行を模索中ですが、これから作る国では初めからモバイルクラウド対応のeIDになるのかな。
関連>>モバイルクラウド対応の電子認証・署名を実現するエストニアの「Smart-ID」
関連>>MitID Digitaliseringsstyrelsen
FinTechの課題と今後の方向性に関する検討会合(FinTech検討会合)(第6回)
平成29年3月28日
FinTechビジョン(FinTech検討会合 報告書)素案、FinTech社会の実現に向けた道筋など。
FinTech のユーザーが、金融サービスの流れをデジタルで完結して利用できるようにするためには、行政機関も FinTech の「サービス・レイヤー」として捉えて環境を整備することが必要である。
行政手続のデジタル化、電子政府に向けた取組は重要な課題だが、特に FinTech との関係では、納税や登記の手続が API を通じて金融サービスの提供者と接続することで、申告手続や融資等の手続までが円滑に行われることが望まれるという意見があった。
また、FinTech サービスを提供しようとするベンチャー企業等の事業者が政府の支援制度を利用する際の申請手続等をデジタル化することも有益と考えられる。
関連>>FinTechの課題と今後の方向性に関する検討会合
共通鍵暗号型の検索可能暗号の処理性能について
検索可能暗号は、代表的な高機能暗号の1つであり、データを暗号化したままで検索を可能にする技術である。同技術は、クラウド・サービス上でデータの機密性を確保しつつ、大量のデータの中から必要なデータを効率よく取得することを可能にするものとして期待されていると。
関連>>公開鍵暗号型の高機能暗号を巡る研究動向
「続けてパスワード送付」欧米でまったく使われないワケ
単純で最大の理由は、「面倒くさい」から。機密でないデータは、暗号化はもちろん、zip圧縮もせず、そのまま普通にメールに添付して送る。他方、機密ファイルについては日本以上にしっかりしており、パスワードをかけて伝えるということは少なく、閲覧者を明示的に指定できる仕組みを用いると。
書評「医者の稼ぎ方」
06年、福島県立病院での死亡事故で産科医が逮捕(後に無罪確定)されたことをきっかけに、産科志望者は激減し、一部の有能な医師に業務が集中することとなった。全国的に分娩施設は効率的に集約され、産科勤務医には相応の報酬が支払われるようになり、それを見た若手研修医の中で産科志望者が回復、結果的に産科はきわめて筋肉質な組織に再生したと。
新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会 報告書
平成29年4月6日
医療・介護従事者の過重労働が恒常化している状況を直視し、実効的な変革を推進するには、医療・介護分野が「高生産性・高付加価値」構造へと転換することにより、その専門性を高め続けるプロフェッショナリズムの下で、住民・患者の価値を最大化できる「働く人が疲弊しない、財政的にも持続可能なシステム」を確立することが必要であると。
・能力と意欲を最大限発揮できるキャリアと働き方をフル・サポートする
・地域の主導により、医療・介護人材を育み、住民の生活を支える
・地域を支えるプライマリ・ケアの確立
・高い生産性と付加価値を生み出す など。
CGS研究会(コーポレート・ガバナンス・システム研究会)-報告書
「CGS研究会報告書-実効的なガバナンス体制の構築・運用の手引-」と「コーポレートガバナンスに関する企業アンケートの調査結果」を公開。
1. 形骸化した取締役会の経営機能・監督機能の強化
2. 社外取締役は数合わせでなく、経営経験等の特性を重視
3. 役員人事プロセスの客観性向上とシステム化
4. CEOのリーダーシップ強化のための環境整備
人々の暮らしと社会の発展に貢献する持続可能な社会教育システムの構築に向けて 論点の整理 平成29年3月28日
社会教育の現状、社会教育を取り巻く環境の変化と課題、今後の社会教育の在り方と留意すべき点、持続可能な社会教育システムの構築に向けた主要な視点など。
私が地域おこし協力隊を辞めた理由
地域にはたくさんのいいものが眠っています。都会の人たちには知られていないものがたくさんあります。これを今までとは違うアプローチで実施することが私の業務ではないのであれば、地域おこし協力隊でいる必要はないので、3月末で辞めさせてもらうことにしましたと。行政に限らず「現状を変えないこと」が通常なので、地域を選ぶ際に「現状を変えたい意志」がどれぐらい関係者で共有されているかの確認が必要ですね。
「民営化」から「再公営化」へ。パリ、市民参加で45億円のコスト削減、ウェールズ、非営利法人による運営
一足先に水道民営化を進めた国々では、むしろ水道の「再公営化」が進みつつあると。「運営主体が官であるか民であるか」という議論は昔の話で、「持続可能な形で機能させる」ために最良と思われる手段を考えるのですよね。この際に重要なのが「透明性」というキーワードです。