「情報処理への恐怖」の先にある「情報処理がもたらす希望」を目指して

IT先進国・中国で進む恐怖の情報管理社会の近未来 [橘玲の世界投資見聞録]
http://diamond.jp/articles/-/153312
地元の裁判所が資産凍結をアリペイ側に申請。アリペイの金融情報が当然にように国家に利用されている。中国の大手IT企業と中国共産党は「運命共同体」であると。
関連>>国力を握る「宝の山」 データの世紀、光と闇  (日本経済新聞)
中国市場のデータは、良くも悪くもまさにビッグデータ。質でも量でも他国を圧倒してます。データが管理社会を作るのではなく、管理社会がデータを集めて利用するのですよね。
橘玲氏のコラムで触れられているソロブの「情報処理への恐怖」は、デジタル社会を実現する上で避けられない課題です。いわゆるプロファイリング問題の本質も、この点にあります。
その一方で、この種の「恐怖」感情が悪用されるケースが多いことも認識しておく必要があります。
エストニアの電子政府・デジタル政府では、その設計思想において、常に「透明性」の重要性を意識しています。なぜなら、透明性こそが「情報処理への恐怖」への有効な処方であることを理解しているからです。エストニアのデジタル社会には、次のような特徴があります。
(1) 厳格なデータガバナンスと分散管理
政府のデータベース作成には、法的な根拠はもちろん、3つの観点「技術、プライバシー、統計処理」で事前に審査されます。各データベースは独立しており、分散管理されたデータの連携にあたり、特別な中央システムを経由することなく、各データベース間はPtoPで通信を行ないます。
(2) 本人関与とトレーサビリティの確立
データベースへのアクセスは、法令に基づき各データベース管理者の責任で制御され、そのログは改ざんできない形で保存されます。本人は、国民IDカード等を用いて自身の個人情報にアクセスでき、(「どの機関が」だけでなく)「誰が(個人番号単位で)」どのような目的でアクセスしたのかを追跡・確認することができます。
(3) 利用目的等の明示
個人データは、法令または本人の同意により収集・管理されます。明示された利用目的以外に使用することはできません。二次利用についても、同様です。二次利用にあたっての匿名化等については、日本の個人情報保護委員会にあたるデータ保護機関「Data Protection Inspectorate」だけでなく、個々のデータ事情に応じて倫理委員会等のチェックも受けています。医療データの利用に本人のオプトアウトを認めたのも、倫理委員会の助言に基づくものです。
(4) 人権侵害の防止
エストニアのデジタル政府は、「コンピュータによる自動処理」を可能としたことで成り立っています。人間は、最初に命令を指示し、出てきた結果の確認・決裁を行ないます。
データ処理(情報処理)による人権侵害を防止する仕組みがなければ、「情報処理への恐怖」を克服することはできず、「コンピュータによる自動処理」を確立することもできません。
「情報処理への恐怖」を克服しつつ、「コンピュータによる自動処理」を確立するためには、次の3点が重要です。エストニアでは、これらを十分に実施していると思います。
1 より上位の法律で守るべき人権を明確にすること
2 データの品質を保証すること(データの真性・完全性の確保)
3 処理する仕組みや過程を透明にすること(ブラックボックス化しない)
また、実際に人権侵害が起きてしまった場合でも、その発見を容易にし、発生時期や原因等を追求・追跡しやすい仕組みがあれば、迅速な被害回復・救済措置を行なうことができます。
「人権侵害の防止」は、「人間と人口知能(AI)との共存」が進むほどに、重要になります。例えば、尊厳死や安楽死を行なう場合に、「誰のどのような人権に基づいて実施されるのか」を、より上位の法律で明示しておかないと、AIが暴走してしまう可能性があります。
デジタル社会の(あらゆる分野の)法律は、常にAIを意識したものにする必要があります。それは、AIの暴走を防ぐだけでなく、「AIが気持ちよく快適かつ効率的に仕事ができる環境を整える」という意味もあります。
日本が、人口減少や少子高齢化等により「コンピュータによる自動処理」を避けられないのだとしたら、AIに安心して仕事を任せられ、AI自身も安心して仕事ができるような法制度を確立していく必要があります。
私自身は、「より多くの人々を幸せにする」ことを目指して、合理的な意思決定により「情報処理への恐怖」を克服し、「コンピュータによる自動処理」を進めるべきと考えています。「情報処理への恐怖」の先に見えるのは、「情報処理がもたらす希望」だと思うからです。
人工知能を含むコンピュータに対する差別をなくし、コンピュータを信頼して仕事を任せることが、より多くの人々の幸せに繋がると、心から信じています。


ブロックチェーンによるエネルギー取引、エストニアで実施へ
欧州で初めてエネルギーデータの「トークン化」を可能に
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/010910369/
エストニアのElering社と英領ジブラルタルのWePower社が、エネルギーのデータを小単位で処理(トークン化)する大規模な実証プロジェクトをエストニア国内で実施すると。再生可能エネルギー生産者が独自のエネルギートークンを発行することで、資本調達しやすくなりますね。
Elering社はエストニア政府の国有企業で、エストニアでは以前からスマートグリッドを進めています(エストニアは主に化石燃料に依存している)が、公益性や成長性が高い分野なので、ブロックチェーン技術の利用例としては有望と思います。
関連>>Elering Smart grid development
https://elering.ee/en/smart-grid-development
First international project joins Elering’s Estfeed smart grid platform
https://elering.ee/en/first-international-project-joins-elerings-estfeed-smart-grid-platform
セクハラ被害・意識調査 20代は怒りより「恐怖」
「セクハラされても何もしなかった」は3割近く
http://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/011500044/122700130/
実態としてはこのぐらいなのでしょうね。法務省でも、統計上の犯罪被害とは別に、統計に出てこない犯罪被害の実態を調査していますが、性的事件(強姦、同未遂、強制わいせつ、不快な行為(痴漢、セクハラなど)、日本の法律上必ずしも処罰の対象とはならない行為も一部含まれる)の被害申告率は1割以上で、実際に被害届が提出されるケースは2割ぐらいかと。
犯罪防止の観点からは、「不快に感じる」という意思表示は有効で、ストーカー行為の大半も警察からの警告等で止めるようです。
関連>>犯罪被害実態(暗数)調査
http://www.moj.go.jp/housouken/houso_houso34.html
犯罪白書
http://www.moj.go.jp/housouken/houso_hakusho2.html
平成28年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等への対応状況について
https://www.npa.go.jp/news/release/2017/20170405001.html
核融合原型炉研究開発の推進に向けて
平成29年12月18日 核融合科学技術委員会
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/074/houkoku/1400117.htm
再生可能エネルギーや原子力等、他の温室効果ガス排出削減技術と比べた経済合理性を重視しつつ、核融合エネルギーが経済発展と温室効果ガス排出の相関を変え得る革新技術として位置づけられるように、その研究開発を進めるべきであると。
エネルギー情勢と社会的要請の変化、原型炉に向けた核融合技術の開発戦略、原型炉に求められる基本概念、技術課題解決に向けた開発の進め方、原型炉段階への移行に向けた考え方など。
法改正や規制緩和が相次ぐ2018年、データ保護や新元号へのIT対応待ったなし
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/346926/010301263/
民泊法やIoT減税は新たなビジネスチャンス。金融関連ではクレジットカードの情報保護を目的とした改正割賦販売法も要注目と。
スマートスクール・プラットフォーム実証事業評価委員会(第1回)会議資料
平成29年11月21日
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/02ryutsu05_04000116.html
スマートスクール・プラットフォーム実証事業と次世代学校支援モデル構築事業の資料が数多く出ています。統合データベース(児童生徒・教員一人一人の変容が捉えられる「パネルデータ」として蓄積)を作るにしても、全国で一つあれば良いと思うのですが。。
E-government promotes empowerment and inclusion in society
http://www.tehrantimes.com/news/420017/E-government-promotes-empowerment-and-inclusion-in-society
イランのTehran Timesから。電子政府は、政府の議論や議事録、予算と支出、主要決定による成果と合理性などを公開することで、意思決定プロセスの透明性を高める。ICTが政府の透明性とアカウンタビリティを強化すると。国連が掲げる「持続可能な開発目標」との関係についても触れています。電子政府が政府や国民を変えるわけではありませんが、変えようとする政府や人々をサポートすることはできるんですよね。
「IoT国際競争力指標(2016年実績)」の公表 平成30年1月5日
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin02_02000119.html
主要10か国・地域(日本、米国、ドイツ、韓国、中国、フランス、オランダ、スウェーデン、フィンランド、台湾)の企業1500社を対象として、IoT市場と従来のICT市場とに分け、2016年のサービス・商品の金額ベースのシェアと、研究開発やM&A等潜在的な競争力の指標を基に、国・地域ごとのスコア及び順位を算出。日本は、総合順位で2位だそうです。
所有者不明マンション問題も今後深刻化へ
2017年12月13日 富士通総研
http://www.fujitsu.com/jp/group/fri/column/opinion/2017/2017-12-2.html
人口減少が進む中、相続未登記や相続放棄が増えていることにより、マンションでも所有者不明物件が増加すると。
すべてのウェブ・ネット関係者に読んでほしい! 及川卓也が解説する「ウェブの進化が支えるデータ社会」全文公開
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/imreboot/column/1098388.html
GoogleマップやGmailを操作するとき、そのブラウザーはもはや「インターネット閲覧ソフト」ではなく、クラウドアプリケーションの重要な一角を占めるフロントエンド技術にほかならないと。ニューラルネットワークとウェブの進化から、「インターネットの人口脳化」の可能性に期待する人が増えているのかな。
仮想通貨の2018年、熱狂に次ぐ幻滅の先に光明はあるか
https://news.yahoo.co.jp/byline/kusunokimasanori/20180104-00080086/
楠正憲さんが、昨年までの動向を踏まえて、今後の展望を解説しています。ビットコインがここまで高騰したのは、日本等で法的整備が進んだことが大きいでしょう。改正資金決済法施行で仮想通貨取引所の登録制が導入され、一般の人たちが参加しやすくなりました。ビットコインの流通量は限られているので、参加者が増えれば自ずと高騰します。2017年にアンダーグラウンドからメジャーデビューを果たしたと。ICOについても規制が進みつつありますが、まだまだ羽陽曲折が続きそうです。エストニア政府によるICO計画は、ベストプラクティスになる可能性もあり、一つの試金石になるでしょう。
ご利用できる行政手続き等 国の機関等
https://www.jpki.go.jp/jpkiguide/admin_proce/index.html
公的個人認証サービスポータルサイトの「ご利用できる行政手続き等」に、マイナポータルへのリンクが無いのは「縦割り」だから?
野田総務大臣閣議後記者会見の概要 平成30年1月5日
http://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/01koho01_02000655.html
まだ、マイナンバー制度自体十分ご理解いただけておりませんし、マイナンバーカードの普及もバトンを受けた段階では10%満たなかったという実態もあり、大切なことは、物事にはメリット・デメリットというのがあって、極力デメリットを排しつつ、メリットを提供していかなければならないのですが、まだまだ、国民、消費者にうんと頷いていただけるようなメリットが発出されていないとするならば、そこをしっかり捉えて、マイナンバーカードというのがいかに自分の生活の利便向上につながるかというものを積み重ねていかなければならないなということは、昨年来、痛感しているところであり、今年も引き続きそれはどんどん積み上げができるよう、皆さん方からもアイデアをいただきながら、貪欲に取組んでいければと思っています。
地域医療の確保と公立病院改革の推進に関する調査研究会報告書 平成29年12月28日
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000176.html
地域医療の確保のため重要な役割を果たす公立病院においては、中小規模の病院を中心に医療需要を踏まえてもなお医師不足の地域がある等の厳しい環境が続いており、持続可能な経営を確保しきれていないところも数多く見られると。
うたのお兄さんが薬物依存から再起!松川村、ノンストップ、小藪さんの神対応
http://agora-web.jp/archives/2030467.html
リスクをいとわず、依存症者の再起を心から応援しているのが素晴らしいと。影響力の強い地上波で、こうした番組が増えると良いですね。
平成29年地方公共団体定員管理調査結果の概要(平成29年4月1日現在)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei12_02000088.html
地方公共団体の総職員数は、対前年比で5,333人増加し、274万2,596人。平成6年をピークとして、平成7年から減少していたが、23年ぶりに増加。対前年比で一般行政部門が平成27年以降3年連続で増加。一般行政部門の増加幅が拡大する一方、教育部門の減少幅は縮小。行政分野別に見ると、国が定員に関する基準を幅広く定めている教育部門、警察部門、消防部門、福祉関係が約2/3を占めている。
平成28年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果 平成29年12月26日
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei11_02000088.html
休息時間の廃止の状況、時間外勤務代休時間の導入状況、年次有給休暇の使用状況、1回の病気休暇の上限期間の状況、主な特別休暇等の状況、介護休暇の取得状況、育児休業等の取得状況など。一部の自治体では、運転免許更新休暇や祭り休暇とかあるのですね。
平成28年度における地方公務員の懲戒処分等の状況
(平成28年4月1日~平成29年3月31日)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei11_02000087.html
平成28年度中に懲戒処分を受けた職員数は4,218人、前年度に比べて30人減少。都道府県等では1,548人、市町村等では2,670人。「一般服務違反等関係」40.4%が最も多く、次いで「交通事故・交通法規違反」23.9%、「公務外非行関係」17.1%、「監督責任」13.1%など。種類別にみると、免職501人、停職858人、減給1,276人、戒告1,583人と。
平成28年度中に発覚した汚職事件の件数は76件、これらの事件が発生した団体は66団体、当事者として汚職事件に関係した職員(関係職員)は78人。横領事件が55件、収賄事件が13件、両者で全体の89.5%を占めている。
iPhone電池交換、8800円→3200円に 日本でも
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25267460Q7A231C1TJC000/
電池の劣化状況を把握できるようにする基本ソフト(OS)の更新も、18年の早い段階に実施すると。3200円は嬉しいですね。電池の劣化状況を把握できるのも助かります。透明性って、やっぱり大切ですね。
総務省における医療・介護連携、介護予防等に関する取組 平成29年12月14日
認知症対応型IoTサービス(H28補正)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/suishinkaigo2018/health/dai3/sankou1.pdf
IoTデバイス(バイタル・環境)、音声・タップ入力(介護記録)された情報を処理し蓄積された過去の認知症ケアデータと相関を求め、認知症の症状の特定を容易かつ的確に行い、顕著にみられる特有の行動・心理症状(BPSD)の適切な対応方法を事前予測し介護者に提案する。これらにより①認知症高齢者へのより的確な対応②症状緩和③介護者の負担軽減を実現すると。対象地域が高知市だけで事業費5000万円とは、日本は本当にお金余りですよね。
円滑なインターネット利用環境の確保に関する検討会(第2回)平成29年12月22日
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/smooth_internet/02kiban18_02000023.html
対応の方向性(案)、サイバーセキュリティ等に係る現状と課題、平成29年8月に発生した大規模なインターネット接続障害に関する検証報告など。