エストニアのデジタル政府で利用されるブロックチェーンとは
エストニアのデジタル政府におけるブロックチェーンの利用について、簡単に紹介しておきます。
Introducing eesty A Smart Wallet Designed Just for You
https://www.eesty.ee/
エストニア発の仮想通貨を管理する開発中のアプリ。エストニア政府が発行したデジタルIDカードとe-Residency IDをKYC(身元確認)ソリューションとして使用し、不正行為やマネーロンダリングを防止すると。eレジデンシーが仮想通貨やブロックチェーンと一緒に語られるのは、このKYC(身元確認)の手段として便利だからですよね。
e-Residency IDは、実は、日本の住民票や戸籍よりも、信頼性が高く、身元確認手段として優れている面があります。なぜなら、エストニア大使館等での対面によるID登録時に、申請者の生体情報(指紋と顔写真のデータ)を提供しているからです。
仮に、私が運転免許証等の本人確認書類を無くして、日本の住民票や戸籍が他人の成りすましにより乗っ取られたとしても、エストニア政府が保有する私のe-Residency登録情報により、自身の身元を証明することが可能です。これに対して、住民票や戸籍には、私の生体情報は記載されていません。
今後、こうした「自己情報や身元証明手段のバックアップ」の必要性は高まっていくでしょう。
Draft NISTIR 8202 Blockchain Technology Overview
https://csrc.nist.gov/CSRC/media/Publications/nistir/8202/draft/documents/nistir8202-draft.pdf
米国国立標準技術研究所(NIST)より。ブロックチェーン技術の概要や課題を知るのに良いですね。エストニアのデジタル政府におけるブロックチェーンの主な利用方法は、999-1007行目にある「Trusted Timestamping」と考えて良いでしょう。
ブロックチェーンを電子カルテなどの情報基盤に活用 「ビットコイン」の技術は医療にも
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201801/554470_2.html
ブロックチェーンのブロックに具体的に書き込まれていくのは例えば、「医師Aが患者Bの電子カルテに記入した」「医師Cが患者Dの電子カルテを閲覧した」「患者Eが医療機関Fに自身の電子カルテへのアクセス権限を与えた」といった各種の履歴情報である。これにより、電子カルテへの不正アクセスを防ぎ、情報へのアクセスや共有が患者の意思に沿う形で行われていることもシステム上で保証できると。エストニアで実践されていることですね。
エストニアの新興企業CrowdCoinageがe-Residencyとブロックチェーン駆動の革新的金融エコシステムを発表
https://prw.kyodonews.jp/opn/release/201801109754/
透明性があって操作が容易な金融オペレーティングシステムは、集まった投資が意図をもって使用されることを確実にすることでICO詐欺の問題も解決すると。エストニア政府が検討しているエストコインでも、その実施方法について議論が進んでいます。
「セクハラ告発」運動が日本では海外に比べ広がらない理由
http://diamond.jp/articles/-/156387
「ノー」と言う女性・被害者の存在は、保護するべき被害者ではなく「面倒事を起こした当事者」と認識されてしまう。加害者がその状況を作って利用し、怯える男性や傍観者たちが抑圧を強化している。まずは第一声として「よく言ってくれました」と伝えることが、被害者が泣き寝入りするしかない社会を変える小さな一歩になると。
コピー代だけで230万円抑えた ペーパーレス会議システム導入 岡山市
https://www.sankeibiz.jp/smp/macro/news/180108/mca1801081025006-s1.htm
タブレット型情報端末による「ペーパーレス会議システム」の導入費(計約800万円)に対して、一定の効果があったと。その前に、主幹課長級以上の会議(年100回程度)を減らした方が良いですよね。
India’s national ID database is reportedly accessible for less than $10
https://techcrunch.com/2018/01/04/indias-national-id-database-is-reportedly-accessible-for-less-than-10/
10億人以上の個人データを保持する政府のIDシステム(Aadhaar)が侵害されたというニュースに対して、政府はフェイクニュースだと。記事を読む限りでは、権限管理の問題のようですね。
The Estonian Presidency has concluded
https://www.eu2017.ee
英国のEU離脱によって予定より半年早く始まった(2017年7月1日から)エストニアの議長国としての務めが、2017年12月31日に無事に終了しました。
関連>>Tallinn Digital Summit
https://www.eu2017.ee/political-meetings/tallinn-digital-summit#media
myGov Access
https://youtu.be/ybmmfmzJSiI
オーストラリアの電子政府ポータル「myGov」が、認証用アプリ(ワンタイムパスワード)の提供を始めました。インターネット環境さえあれば、SIMカード無しでもOKなので、アクセスしやすくなりますね。私が利用する民間オンラインサービスでも、携帯のショートメッセージサービス(SMS)を使わず、アプリで認証や決済を行なうことが多くなりました。
関連>>モバイルクラウド対応の電子認証・署名を実現するエストニアの「Smart-ID」
http://www.manaboo.com/wordpress/?p=1748
「安倍首相/日韓関係/朝鮮半島情勢~安倍首相が、バルト三国訪問で本当にやるべきだったことは?」 大前研一 ニュースの視点
http://www.lt-empower.com/ohmae_blog/viewpoint/2239.php
エストニアであれば、電子政府の技術は世界最先端を誇ります。日本のマイナンバーなど比べ物になりません。なぜ、エストニアに行ってそれを学ぼうとしないのか?私には理解できません。さらに言えば、エストニアをベンダーとして考えて、ライセンス提供を受けて電子政府の立ち上げを任せるくらいのことを検討するべきだと。
関連>>世界10大リスク/中国情勢/日中関係~中国はまだ「大国」としての立ち振る舞いが板についていない
http://www.lt-empower.com/ohmae_blog/viewpoint/2235.php
AIなど最新テクノロジー分野において中国が世界的に影響力を行使する機会が増えると予測
個人情報等の種類整理
http://www.miyauchi-law.com/f/171226pii_shurui.pdf
水町雅子弁護士による整理。生の個人情報、抽象化情報、非識別加工情報、匿名加工情報、統計情報の5つに分類。エストニアだと、個人情報、匿名情報(非個人情報)、統計情報の3種類でしょうか。匿名情報は基本的に再識別可能で、用途に応じて法令に基づき許可されると。
オンライン診療システム「YaDoc」提供開始、インテグリティ・ヘルスケア
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/010910376/
初期費用は無料で、月額利用料が3万円。「モニタリング」「オンライン問診」「オンライン診察」の3機能があると。
「デジタル・レーニン主義」で中国経済が世界最先端におどり出た
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54087
情報の偏在(情報の非対称性)を解消すると。透明性のない監視社会が、今後どうなっていくのか興味深いですね。
総務省の未来予測、2030年以降の情報通信技術はどうなっているのか
https://www.sbbit.jp/article/cont1/34390
デジタル分野での競争力強化とデータ活用がカギになると。
ソサエティ5.0
https://www.gov-online.go.jp/cam/s5/
Society5.0(超スマート社会)では、高度な先進技術の導入であらゆる課題が解決されていくと。WEB限定ムービーも公開。政府広報オンラインのキャンペーンサイトなので、一時的なものなのかな。
メール誤認防ぎ、行政注目 佐賀県情報監がソフト開発 100自治体が採用
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180125-03173529-saga-l41
川口さんの「サニタイザー」が紹介されています。3月に任期を終了し、4月以降、ソフト販売会社の事業を本格化させると。楽しみですね。
関連>>ファイル無害化の方法、佐賀や奈良など各自治体が披露
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/17/121500582/121500002/
自治体セキュリティのクラウド移行、ネットワーク強じん化の課題は?
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/17/121500582/121500001/
第73回 各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議 平成29年12月27日
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/cio/dai73/gijisidai.html
デジタル・ガバメント実行計画(案)、政府情報システム改革ロードマップ(改定案)、平成29年度政府情報システム投資計画(案)など。番号制度に係る投資が一段落し、既存のシステムの刷新等を除くと、29年度において大規模な投資の追加はない状況と。
政府の情報システムは、以前に比べると、かなり見える化されました。ITガバナンスの体制は、改善する余地が多そうです。
eガバメント閣僚会議(第4回) 平成30年1月16日
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/egov/dai4/gijisidai.html
デジタル・ガバメント実行計画(案)について。政府・地方・民間全てを通じたデータの連係、サービスの融合を実現し、世界に先駆けた、日本型の「デジタル・ガバメント」の実現を目指すと。
刷新される国家IT戦略、成否を握る意識改革とは?
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/watcher/14/334361/011200991/
IT総合戦略室は2019年初めの通常国会にはデジタルファースト関連一括整備法案を提出する意向であり、早ければ2018年秋以降の臨時国会への提出もあり得ると。
先駆的ICTに関する懇談会 平成30年1月16日
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin01_02000242.html
人口減少等の「静かなる有事」に直面しているわが国の次世代社会の 方向性について、新進気鋭のベンチャー経営者等との意見交換を行うことを目的として、「先駆的ICTに関する懇談会」を開催。主な検討項目は、日本、アジアや世界が抱える課題、課題解決に向けたICTの可能性、先駆的な技術の社会的受容性のための方策、日本の次世代社会の姿など。
第1回先駆的ICTに関する懇談会(平成30年1月18日)
http://www.soumu.go.jp/photo_gallery/02koho03_03002283.html
ICT分野における技術戦略検討会(第2回)平成30年1月16日
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/technical_strategy_ict/02tsushin03_04000284.html
2050年以降の世界について、情報通信技術をめぐる現状と課題など。運用自動化の加速(Operation as a Code)は重要ですね。
AIネットワーク社会推進会議 第8回 平成29年12月19日
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ai_network/02iicp01_04000120.html
事務局からの説明(国際的な議論及び海外の議論の動向)と構成員からの発表が多数。
関連>>AI「思ったほど使えない」は本当か
http://bizgate.nikkei.co.jp/article/155572215.html
今普及しているAIは基本的に単機能で、得意とするのは、主に「分類」「識別」「予測」の3つであり、活用できる場面は自ずと限られてくると。
Innovation Nippon 2017年度報告書
http://www.innovation-nippon.jp/?p=681
人工知能と日本、社会課題解決×人工知能活用事例集など。
FacebookはAIなしに存在しない
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/030800018/122600442/
Facebookの利益とは別に、AI技術の底上げを図ると。
「サル軍団」にシステム障害を起こさせる、Netflixの驚異的なトラブル撲滅法
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/17/122800596/010500003/
カオスエンジニアリングは、ネット動画配信企業に限らず、大規模な金融機関や製造業、ヘルスケア業界などでも適用されていると。電子政府を考える上でも、Netflixには学ぶべきことが多いです。
患者第一ならルール無視していい? 医師であり弁護士、「医療法学」大磯教授が直面した両者の違い
http://news.nicovideo.jp/watch/nw3229660
医療行政には「科学に基づいた議論」が必要。サイエンスやエビデンス(科学的根拠)に裏打ちされた政策決定をしなければならないが、ここ10数年、『利害調整型』が幅を利かせていると。
デジタルによるスマートシティを目指す会津若松市
https://dcross.impress.co.jp/docs/column/column20171122-01/000193.html
未来につながる、まちづくりに向けて「デジタル化」「スマートシティ化」を選択したと。「デジタル化」「スマートシティ化」を目指すことが決まれば、自ずとオープンデータやオープンガバメントが進むことになりますね。自治体のデジタル化を進める上で、ITに強い大学が近くにあることは、かなり重要と思います。
量子コンピュータが共通鍵暗号の安全性に与える影響
http://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/18-J-02.pdf
量子コンピュータが共通鍵暗号の安全性に与える影響を、最新の研究動向に基づき整理し、共通鍵暗号の安全性低下に対して、金融機関がどう対応していくべきかについて考察。エストニアでも、量子コンピュータの影響には注目しています。