eGovernment RTD 2020:EUの新たな電子政府ビジョン
EUの電子政府ビジョンとして、「eGovernment RTD 2020 – Visions and Conceptions of European Citizens」が公表されました。日本の 「IT新改革戦略」は2010年度までですが、こちらは2020年までとなっています。
日本が学びたいキーワードとして、次の3つを挙げておきましょう。
community:コミュニティ(共同体)
電子政府は、政府が作って市民に提供するもの(箱モノ)ではありません。
今後は、市民、行政、企業、教育機関などが参加する「電子政府コミュニティ」が形成され、より良い電子政府・電子申請サービスの実現を目指すことが、ますます重要となります。
organisational and social influence:組織や社会への影響
電子政府の成果は、政府全体、社会全体に影響を与え、大きな変化をもたらします。
「最近の役所は変わったなあ」、「住みやすい街になったなあ」といった声が聞かれるようになれば、電子政府の成果が表れていると言えます。「ホント、役所は縦割りだなあ」、「天下りで、税金の無駄遣いばかりしてる」、「こんな社会では、子供の将来が心配。。」なんて声が多いようでは、電子政府は上手く機能していないのです。
risk assessment and quality management:リスク査定と品質管理
日本の電子政府プロジェクトにおいて、決定的に欠落しているのが、このリスク査定と品質管理です。
電子申請などのサービスが、思った以上に利用されないのも、「使われないリスク」と「使ってもらえるサービス品質」を考えていないからです。「根拠の無い楽観主義」では、電子政府プロジェクトは決して成功しません。
上記3つのキーワードを大切にするだけで、日本の電子政府は格段に良くなることでしょう。
どれも、当たり前のことなんですけどね