エストニアの「インビジブル電子政府サービス」とは
低空飛行の電子行政、未だ解けない紙の呪縛
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/mag/nc/18/042700046/042700005/
添付書類をオンラインで提出できるようにしても納税者の手間が軽減しないのは、行政や関係機関が発行する様々な証明書類が「紙」の形式に縛られているからと。
確定申告については、オンライン電子申告だと、源泉徴収関係の書類が添付不要になるので、かなり助かってます。このように、利用者の利便性を考えた場合、目指すべきは「添付書類のオンライン提出」ではなく、「添付書類の省略」であり、さらに言えば「申請届出自体の省略」であることがわかります。
いわゆる「記入済み電子申告」は「申請届出自体の省略」に近い類型ですが、AI時代における電子政府サービスの標準は、この形になります。現在、エストニアの電子政府が進めているのも、「invisible(目に見えないぐらいに意識されない)サービス」の拡大・強化です。2019年7月には、行政機関へのデータ利用(既に行政側で保有するデータを本人に求めない)を義務化する規則が発効します。
All Estonian public e-services to function “invisibly”
https://e-estonia.com/all-estonian-public-e-services-to-function-invisibly/
行政側で保有しないデータについても、取得方法が変わってくるでしょう。本人が申請書等にデータを記入して行政に提出するのではなく、本人からの指示等に基づいて、銀行等の民間サービスにあるデータを再利用すれば良いからです。
こうした「インビジブル(に機能を提供する)電子政府サービス:invisible e-services」を実現するためには、どのような公的データベースや情報システムが必要なのか、どのようなデータ連携基盤が必要なのか、どのようなデータ保護やプライバシー対策が必要なのかを、日本の電子政府でも真剣に考えて欲しいと思います。
1円起業になぜ5万円 公証人手数料、撤廃ならず
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30663300X10C18A5EA1000/
起業の手続きに必要なこんな手数料について、廃止を訴える内閣官房と必要と主張する法務省が昨秋から対立してきたが、結果は存続で固まり、法務省に軍配。多くの公証人は裁判官と検察官のOBで、手数料を減らしたりなくしたりすれば、裁判官や検察官の再就職先の収入が減ってしまう。5万円の手数料すら見直せない現状では、「ビジネスをしやすい国」は遠のくだけと。
エストニアのオンライン会社設立では、手数料2万円ほどで完了ですが、日本だと最低でも20万円ほどかかります。設立後も、エストニアでは日本の法人住民税(均等割)のように会社を維持するために支払う税金はありません。
定款についても、エストニアのオンライン会社設立では、必要事項を入力する自動的に作成されます。定款作成はAIが必要なほどのものではないので、ひな形と入力補助で十分です。実際、以前に経済産業省が立ち上げた会社設立ポータルでは、定款作成の機能がありましたし。
そもそも、日本の公証人による定款認証は内容を精査するものではないので、公証人が認証した定款が、登記申請で登記官により補正を求められることがあります。
ここまでやる中国の地方行政、南京市が提供するスマホアプリ「my南京(私の南京)」の凄さ
http://digital-innovation-lab.jp/mynanjing/
貪欲なまでの市民向けサービスの統合例は、多くの社会課題を抱える日本の自治体に、これからの方向性の1つを示していると。アプリ型のマイナポータルと言えなくもないですが、その機能は全く比べ物にならないですね。副省級市の南京市となれば、人口も経済規模も国家レベルなので、その気になればあっという間に(中央集権型ですが)デジタル社会が実現するのですね。
e-Estonia e-Residency エストニアに居住圏と会社をもつということ
http://jinsei.me/e-estonia-e-residency/
5月10日に開催したe-Residency講演会の様子をご紹介いただきました。
申請手続等の見直しに関する調査
-戸籍謄本等の提出が必要とされる手続を中心として-
<勧告に対する改善措置状況(1回目のフォローアップ)の概要>
平成30年5月11日 総務省行政評価局
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/000111991_0511.html
関係6省庁(金融庁、総務省、財務省、厚生労働省、農林水産省及び国土交通省)からの回答を受けた概要の取りまとめ。遅くとも2025年までには、戸籍と住民基本台帳を統合して、デジタル社会に対応した個人単位の住民登録データベースを再構築して欲しいものです。
★国民からの要望
①戸籍謄本(又は戸籍抄本)の提出に代えて住民票の写しの提出を認めてほしい
②相続時には複数部数の戸籍謄本等が必要となり交付手数料がかさむので、提出した戸籍謄本等を返却してほしい
★改善措置
・14手続全てについて、省令等の改正により本籍記載のある住民票の写しでも本人確認等を行うことができる旨規定
・5手続について、省令改正により試験の申請時から「氏名」等に変更があった者を除き、本籍記載のある住民票の写しでも本人確認等を行う旨等規定
・13手続全てについて、省令等の改正により戸籍謄本等の返却を行う旨規定
・4手続全てについて、関係会議において地方公共団体に戸籍謄本等の返却が可能であることを周知
「戸籍法の改正に関する中間試案」(平成30年4月20日)の取りまとめ
http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04600022.html
戸籍法部会による「戸籍法の改正に関する中間試案」が、各項目ごとに詳細な説明を加えた「戸籍法の改正に関する中間試案の補足説明」と共に公開されました。6月11日まで意見募集もしています。
関連>>戸籍法の改正に関する中間試案の補足説明
http://www.moj.go.jp/content/001258136.pdf
「戸籍法の改正に関する中間試案」に関する意見募集
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080165&Mode=0
戸籍事務にマイナンバー 法制審試案、個人情報漏洩に罰則
2018/5/11付日本経済新聞 朝刊
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO30323060Q8A510C1PP8000/
法務省が災害などに備えて保存している戸籍の副本データと、マイナンバーのデータをひも付けするシステムをつくり、婚姻届やパスポート申請などで、戸籍証明書を取得する手間をなくすと。
「情報銀行」の認定に係る指針 ver1.0(案)に対する意見募集
平成30年5月12日(土)から同年5月31日(木)まで
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin01_02000247.html
情報銀行(情報利用信用銀行)とは、個人とのデータ活用に関する契約等に基づき、PDS(Personal Data Store)等のシステムを活用して個人のデータを管理するとともに、個人の指示又は予め指定した条件に基づき個人に代わり妥当性を判断の上、データを第三者(他の事業者)に提供する事業。
情報銀行は、実効的な本人関与(コントローラビリティ)を高めて、パーソナルデータの流通と活用を促進するという目的の下、本人が、個人情報の第三者提供を本人が同意した一定の範囲において、信頼できる主体に委任する
住民基本台帳法施行令等の一部を改正する政令(案)等に対する意見募集
2018年05月09日
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei02_02000167.html
住民票、個人番号カード及び署名用電子証明書等への旧氏の記載等に関する事項を定める改正。
・住民票に旧氏の記載を求める者から請求書の提出があったときの住民票への旧氏の記載や、住民票に記載された旧氏の消除等について定める。
・個人番号カードに旧氏を併記するため、個人番号カードの記載事項として旧氏を定める。
・署名用電子証明書に旧氏を併記するため、署名用電子証明書の記録事項として旧氏を定める。
Privacy Awareness Weekの設定について 個人情報保護委員会
https://www.ppc.go.jp/enforcement/cooperation/privacy_awareness_week/
個人情報保護委員会では、改正個人情報保護法の全面施行の日を含む平成30年5月21日から同月31日までを、「Privacy Awareness Week」として設定する。今年度のプライバシー及び個人情報の保護の重要性に対する認識の向上を目的とした取組みは
・座談会を通じた個人情報の保護に関する消費者の問題意識の共有
・小学校向けの個人情報の保護に関する出前授業
・中学・高校生向けの個人情報の保護に関する周知啓発リーフレットの作成・頒布
新社会人、新人公務員に向けた周知啓蒙もお願いします。
GitHub – jpki/myna: マイナンバーカード・ユーティリティ・JPKI署名ツール
https://github.com/jpki/myna
できること
・券面確認AP・券面入力補助APの読み取り
・公的個人認証の各種証明書の読み取り
・公的個人認証の署名
・各種PINステータスの確認
・各種PINの変更
ナショナルサイバートレーニングセンターにおける
若手セキュリティイノベーター育成の取組みについて ~SecHack365~
国立研究開発法人 情報通信研究機構
http://www.soumu.go.jp/main_content/000551097.pdf
セキュリティマインドを持ち,既存ツールを単に「ユーザー」として利用するだけではなく,革新的なセキュリティソフトウェア等を自ら「研究・開発」していくことができるハイレベルな人材を育成。
関連>>ICT分野における技術戦略検討会(第7回)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/technical_strategy_ict/02tsushin03_04000303.html
電波有効利用成長戦略懇談会 成長戦略WG(第7回)平成30年4月26日
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/dempayukoriyo/02kiban15_04000323.html
成長戦略WG 中間とりまとめ(案)、ワイヤレスの進展等による経済・社会的効果、IoT新時代の未来づくり検討委員会中間とりまとめなど。
人々の身の回りの機器や人体内機器がワイヤレス化し、バイタル等あらゆるデータの収集・AIによる解析により、MEMSやバイオ・医療技術との融合もあいまって、健康管理のみならず、予防医療、投薬開発、介護支援、難治疾患治療等の新たなサービス・市場が創出されると。
「郵便局×市町村」でもっと地域を元気に!
平成30年4月19日 一宮市長 中野正康
http://www.soumu.go.jp/main_content/000551063.pdf
郵便局キオスク端末の設置
■開始日:平成29年10月2日(平日9時~17時)
■サービス:
①マイナンバーカードや住民基本台帳カードを利用して
・住民票
・印鑑登録証明書
・戸籍事項証明書
・戸籍の附票 等の取得
②コピーサービス
活用の可能性として
・「本人限定受取郵便」など対面での認証を活用
・郵便局での市窓口事務の取り扱いをひろげる
・ゆうちょ × LINE Pay 利用料金の支払いで、ゆうちょが受け皿に
・電子行政支援事業
郵便局に行政用PC/タブレット/キオスクを設置。高齢者などの利用を支援
関連>>情報通信審議会 郵政政策部会 郵便局活性化委員会(第4回)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/yubinkyoku_kasseika/02ryutsu13_04000045.html
青森・六戸町が電子投票休止コストが壁で普及せず
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO30383270R10C18A5ML0000
六戸町が電子投票を開始した2004年1月は、日本の電子政府バブル絶頂期でしたから、導入・維持費用は安いものではなかったことでしょう。エストニアは、電子投票ではなく「インターネット投票」ですが、地方選挙も含めて国の関与度が高いので、各自治体でバラバラに電子投票を導入するといったことは起きない仕組みになっています。
AIネットワーク社会推進会議 環境整備分科会・影響評価分科会 合同分科会(第4回)
平成30年4月26日
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ai_network/02iicp01_04000129.html
国際的な議論及び海外の議論の動向、AI及びAIネットワーク化と競争政策・産業組織、分野別評価(行政に関するユースケース等)、エコシステムの展望、留意事項、AIネットワーク化の進展に関する指標、『報告書2018』骨子など。
・各種給付金や補助金等の申請に関して、申請書に不備等がないか確認するとともに、支給の条件を満たしているか必要な情報と自動的に照合し、支給の可否を判断する。
つくば市役所の単純業務、自動代行ソフトで8割減 通知の発送業務も80時間→14時間
https://www.huffingtonpost.jp/2018/05/13/admin-work-automated-tsukuba_a_23433403/
民間企業と進めていた単純業務の自動代行システム「RPA」(ロボティック・プロセス・オートメーション)の共同研究で、単純作業だが多くの労働時間を費やす税金の申告や住民への通知発送など計6業務を対象として、約8割分の業務削減効果があったと。
スモールビジネスでは、民間の無料サービス等で自動化を進めますが、自治体の場合はそうもいかないので、費用対効果を考えながらのRPA活用が進むのかな。
関連>>RPAソリューション Windows操作ロボット「WinActor」
http://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/winactor/index.html
仮想通貨 指定暴力団、300億円洗浄 仲介役証言
https://mainichi.jp/articles/20180514/ddm/001/040/179000c
仮想通貨と現実通貨との交換を認めた時点で、仮想通貨が投機やマネーロンダリングの対象になることは自明でしたよね。eレジデンシー等の信頼性の高いデジタルIDを活用するなど、デジタル社会に対応した口座開設時の身元確認(KYC)の仕組みを確立し、KYCの無い口座への送金禁止等の国際ルールを整備する必要があるでしょう。
一部仮想通貨の取り扱い廃止のお知らせ 2018.5.18 コインチェック株式会社
https://corporate.coincheck.com/2018/05/18/56.html
トレーサビリティを確保できない仮想通貨は、表舞台から消えていくのかな。
廃止日:2018年6月18日
詳細内容:Coincheck上における一部対象仮想通貨の売買、入出金、保有、当社への貸し出しの廃止
対象通貨:XMR、REP、DASH、ZEC
関連>>マネー・ローンダリング対策の沿革|JAFIC 警察庁
https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/maneron/manetop.htm
金融庁調査、地銀などのマネロン対策不備目立つ 立ち入り検査も=関係筋
https://jp.reuters.com/article/fsa-local-banks-money-laundering-idJPKCN1C70NS
仮想通貨のマネロン対策、協調がカギ G20、各国対策強化で一致
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/180322/mca1803220500001-n1.htm
仮想通貨でもマネーロンダリング対策はできる
世界の金融当局、仮想通貨の「疑似匿名性」に懸念
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22119270R11C17A0000000/
モナコインへの攻撃から、ブロックチェーンへの攻撃やマイニングを深掘りする
http://blockchain.gunosy.io/entry/2018/05/18/164219
Block withholding attack、Selfish mining、取引所における各個人の資産量の管理方法、マイニングの中央性、使用するハッシュアルゴリズムの影響などを解説しています。
17年間の改修でソースコードがスパゲティ化、国交省のチェックツールに不具合
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/mag/nc/18/020600011/042600007/
国土交通省の電子納品チェックシステムの不具合について。2000年前後から急速に進んだ日本の電子政府も、そろそろオーバーホールが必要な時期かもしれません。。
関連>>電子納品に関する要領・基準 国土交通省
http://www.cals-ed.go.jp
電子化が進まない省庁、実態が明らかに
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/mag/nc/18/042700046/042700001/
電子化率はシステムを利用できるPCが存在しないなど「導入環境が整備されていない部署」の決裁文書を除外したもの。防衛省は、総務省発表の92.7%に対し除外文書も含めた電子化率は6.5%にまで低下すると。
データは国内に保管、グーグルがBigQueryで日本企業に配慮
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/00444/
企業向けパブリッククラウド「Google Cloud Platform」の「Google BigQuery(データウエアハウス)」では、ユーザーが東京周辺にあるデータセンター群「東京GCPリージョン」を指定してサービスを利用できるようにしたと。
インドネシア、統計管理にブロックチェーン活用模索
http://diamond.jp/articles/-/169915
インドネシアはより正確な統計記録を確保するため、国を挙げてブロックチェーン技術の活用に乗り出したと。納税証明や不正投票の防止、農家向けの補助金などでの活用にも触れています。
医療ビッグデータ利活用へ、次世代医療基盤法が施行
http://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/feature/15/327441/051300516/
患者本人が拒否しなければ同意したとみなされ、患者情報が第三者提供できるが、情報提供するかどうかは医療機関の任意と。
朝日も読売も優生思想丸出し記事連発の過去、過ちを認めないマスコミ
http://diamond.jp/articles/-/170194
旧優生保護法の前身にあたる旧国民優生法成立後、優生思想礼賛記事をバンバン掲載し、世論形成に大きな役割を果たしたのは他ならぬマスコミ各社。にも関わらず、自らの罪をスルーする厚顔無恥な報道姿勢は醜悪と。そう言えば、「健康優良児表彰」ってありましたね。
「精神障害者雇用義務づけ」のそもそもの難しさが分かる3本の映画
http://diamond.jp/articles/-/170316
患者と医師の社会的な関係などを分析する「医療社会学」という学問では、患者と医師の情報格差が大きい点に着目しつつ、医師の判断が患者を無力化させる危険性が論じられてきたと。
たぶん成立しない野党の生活保護改正案は「貧困解消」の切り札だ
http://diamond.jp/articles/-/170318
「あの人たちのために、私たちの税金を使われるなんて許せない」という憤りは、一度「あの人たちのために、私たちの税金を使ってもらうことで、私たちを含めて全員で幸せになれるかもしれない」という希望によって検証される必要があると。
カドカワ川上量生社長が語る、サイトブロッキングの必要性
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/00469/
法制化に当たっては、「DNSブロッキングだけでなく、IPブロッキングまで検討するべき」、「(特定のキーワードがあるデータやコンテンツをブロックする)データブロッキングは検閲になるので、そこに踏み込むべきではない」と。