ナンバーディスプレイの偽装表示とスプーフィング
先日、知らない女性から電話があり、「○○と申しますが、お宅から何度かお電話頂いたみたいなのですが、どちら様でしょうか?」と尋ねられた。
とりあえず、作者の名前と電話をかけた覚えが無いことを告げて、事情を聞くと、どうやらナンバーディスプレイに作者の電話番号が表示されていたらしい。
この場合、考えられる選択肢は二つ。
1 個人情報入手等を目的としたウソ(詐欺)電話
2 ナンバーディスプレイの偽装表示(発信元の偽装)があった
「主人が○○関係の仕事をしているので、仕事関係の方から電話があることも。。うちの主人は○歳なのですが、もしかしたら同じ年代の方ですか?」
うーむ、なんとも微妙な質問だ。
耳を澄ますと、自宅ではなく事務所から電話しているような雑音も聴こえる。
どうもウソ電話の可能性が高くなってきたので、適当に誤魔化しつつ、丁重に電話を切らせてもらった。
ウソ電話だとしたら、電話口の女性は、なかなかの演技派である。
けれども、「ナンバーディスプレイ偽装表示」の可能性も、捨てきれない。
一時期、固定電話も携帯電話も発信番号偽装が簡単にできたので、振り込め詐欺などに悪用された。
その後、偽装させない対策があったものの、偽装される可能性はゼロではないようだ。
ちょうど、米国のABCニュースで、電話を使ったスプーフィングに関するレポートが放映されていたので、紹介しておこう。
Crooks Trick Your Caller ID for Identity Theft – ABC News
スプーフィング:spoofingとは、ごまかし、偽まね、いたずらといった意味があり、インターネットやセキュリティ用語としては、主に「なりすまし」として使われている。
IP spoofing や web spoofing などと使われる。
関連>>なりすましとは 【spoofing】 – 意味・解説 : IT用語辞典
ニュースで取り上げられたスプーフィングは、米国にある一般的な電話サービスで、このサービスを使うと、発信者の電話番号だけでなく、声までも簡単に偽装できてしまうという、何とも恐ろしいものだ。
家族や勤務先の電話番号を知っていれば、簡単に成りすましできてしまうので、日本だったら振り込め詐欺に悪用されるに違いない。。
同じようなことは日本でも可能なようだが、別途、機械や装置が必要だったりで、今のところは米国ほど簡単にはできないようになっている。
作者が体験したような電話を受けた時は、
・電話をかけていないことを告げ
・相手に自分の個人情報は教えずに(教えても名前ぐらい)
・「気になるようなら、電話会社か警察に相談してください」と言って
・早々に電話を切る
とするのが良いかな