「e-Gov電子申請システム」がスタート
電子政府の総合窓口の「e-Gov電子申請システム」がスタートしました。各府省への電子申請の窓口を一つにしようとするもので、利用可能な手続は順次追加されるとのこと。
「e-Gov電子申請システム」は、各府省が構築・維持する電子申請システム(汎用受付等システム)を一つにまとめることで、利用者と行政の負担を軽減し、業務を効率化しようとするのが狙いです。
体験システムも用意されており、ヘルプデスクとして「電子政府利用支援センター」も開設されました。
実際、各府省でバラバラだった電子申請が統合されることで、維持費用も少なく済むはずですし(行政、国民による監視が必要)、利用環境や事前準備などが統一化されれば、利用者の負担も減ることでしょう。
使い勝手については、今後のサービス改善に期待するところですが、実際に利用者を獲得することは、非常に難しいと思います。理由はたくさんありますが、2点ほど指摘しておきましょう。
1 使ってもらえないサービスを集めても、やはり使ってもらえない
現在稼動している電子申請システムは、使いにくいものが多い。「e-Gov電子申請システム」が同様のサービスレベルにある限り、やはり使ってもらえない。統合されてサービスが低下したと言われないように、「e-Gov電子申請システム」が最強の電子政府サービスとならなければ、期待した効果は得られない。むしろ、足を引っ張るリスクもある。
2 専門サービスが埋もれてしまい、探すのも使うのも大変になる
社会・労働保険や不動産・商業登記といった手続きについては、電子申告のように専門サービスとして独立させた方が良い。こうした利用件数の多い手続が「e-Gov電子申請システム」に埋もれてしまうと、各手続の性質や傾向を考えた柔軟なサービスができなくなる。また、既存のコンテンツを活用したサービス提供を妨げる可能性も高い。
もちろん、「e-Gov電子申請システム」の考え方は、悪いものではありません。
ですが、手続の追加については、慎重に進める必要があるでしょう。
やるべきことは、山積みであり、それらの一つでも怠るのであれば、当たり前ですが、利用者の増加は無いと考えた方が良いのです。
関連>>行政ポータルの整備方針(PDF)
JRE依存は変わらない
興味を持ってe-Gov電子申請システムのサイトを探ってみたのですが相変わらずJRE依存のようです
3月26日付け朝日新聞にそのあたりを取り上げられたばかりで、間に合わなかったといえばそれまでかも知れませんが…
2年計画で各省庁でバラバラのJREのバージョンを統一するそうですが、それでは根本的な問題解決にならないことに気づいていないのでしょうか?
省庁レベルで統一が出来たとしても、地方の自治体で進んでいる電子申請のJREとの統一の問題もありますし、そもそも年に数回バージョンアップがされるJREへの対応等の問題は置き去りのままです
電子申請の利用件数が少ないからこそ、あまり大きく取り上げられることは無いですが、利用件数が飛躍的に伸びたとしたら…その反響の大きさを考えると、「本当にこのままでいいのと?」総務省の担当部局にそっと聞いてみたいきがします
JREを使わない方法を考えて欲しい
elicuriさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
ご指摘の件、ごもっともです。
JREの問題は、何年も前から言われていますが、なかなか解決されないですね。
オンラインバンキングやショッピングなど、インターネット上で提供されるサービスで、「ご利用の際は、JREなんたらかんたら・・・」なんていうのは見かけませんよね。
そんなことしたら、相手にされないってわかってますから。。
e-Gov電子申請システムの体験システムも、「体験してみよう」と思えないですし。。
電子政府で採用する方法は、「利用者が日常的に使用しているもの」、「既に広く普及しているもの」とするのが大原則なのですが、行政やベンダーの人たちにはなかなか理解してもらえません。
私が責任者であれば、JREを使わないシステムを作らせるのですが。。。
この問題については、また改めて取り上げたいと思います。