電子政府サービス、「提供」から「お届け」へ

電子政府・電子申請サービスを「提供する」ことと「届ける」ことは、似ているようで全く異なるもの。「提供」で満足してしまうと、使われないサービスとなってしまうので要注意!

電子政府・電子申請に対して市民が望むことは、たくさんありそうですが、実は簡単なものです。

1 欲しい(必要な)サービスが簡単に見つけられること
2 サービスが簡単に利用できること

の二つ。そう、たった二つなんです。

ところが、現在の電子政府・電子申請サービスの多くが、たった二つの要望に応えるどころか、真逆を行っているわけで、それで「使われない使われない」と騒いでいるのですから、見ていてホント不思議に思います。

ですから、電子政府・電子申請サービスを「提供」するだけでは、市民の要望に応えていると言えないのです。「提供」は、途中経過に過ぎません。実際にサービスを市民の手元に「届ける」ことを目指しましょう。

「提供する」から「届ける」へとレベルアップすると、チェックする指標も変わってきます。

「提供する」では、
・手続きのオンライン化率
・利用サービスの種類
・トップページ等へのアクセス数

などを見るのですが、

「届ける」では、
・人気検索キーワード
・人気サービスのランキング
・サービスにたどり着いた方法(どのサイトから?)
・トップページからサービスまでのクリック数と所要時間

などをチェックしなければいけません。どれも、かなり基本的なサイト分析ですね。でも、されていないのが現実かと。。(もちろん、先進自治体など、やっているところもあります。)

「提供」は、政府がお金をかければスケジュール通りに実現できる、まさに「箱もの行政」ですが、「お届け」は、市民の反応によるところが大きく、民間サービスのノウハウが必要となります。

電子政府を「政府」が運営している限り、「お届け」までたどり着くのは難しいかな~