米国・カナダから学ぶ電子政府ポータルのあり方

NTTデータ DIGITAL GOVERNMENTのレポート「米国・カナダにおける政府ポータルサイト」が参考になります。日本政府のポータル「電子政府の総合窓口」に何が足りないのか。何をするべきなのか。今一度、考えて見ましょう。

以前から指摘していますが、電子政府ポータルは、「政府が保有する情報(コンテンツ)の案内役」となるべきです。自らが多くの機能を持つ必要はなく、ガイド役、コーディネーター役に徹することが大切です。

ですから、電子申請を統合するにしても、「電子政府の総合窓口」のコンテンツとする必要はありません。法令検索機能も法令ポータルとして独立させるべきでしょう。

そもそも、電子申請サービスを一つにまとめることは無理があります。個々の手続には、それぞれ利用者がいて、目的も異なるのですから。

今、「電子政府の総合窓口」がするべきことは、政府が保有するサイト(情報)を分類・整理することです。地方自治体サイトとの連携も必須です。この作業があってこそ、国民に対する案内ができるのです。自分が知らないことを、他人にガイドできるわけがありませんからね。

その上で、検索機能の強化やユーザビリティテストを行うと良いでしょう。

国民のガイド役に加えて、もう一つ大切な役割があります。それは、

増えすぎる政府系サイトの無駄を調整すること

です。同じようなテーマについて、複数の政府機関が、それぞれバラバラに情報収集・情報発信していたら、費用は余計にかかる上に、情報が見つけにくくなります。

そうした無駄を指摘できるのも、政府が保有するサイトの分類・整理があってこそなのです。

電子政府のサービス向上、それは地道で手間のかかる作業を、日々積み重ねていくことなんですよね

このままでは、ドツボにはまる感のある「電子政府の総合窓口」。早いうちに、自身の強みと弱みを見極めて、方向性を改めましょう。

関連>>電子政府ポータルは、政府が保有する情報(コンテンツ)の案内役「e-Gov電子申請システム」がスタート

“米国・カナダから学ぶ電子政府ポータルのあり方” に4件のコメントがあります

  1. 総務省の汎用受付システムの仕様について教えててください
    egovblogさん
    基本的なこと教えてください
    総務省の汎用受付システムの仕様の中にJREを使わなければならないなんて感じの部分があるのでしょうか

    今WEBで公開されている中にはないようですが
    詳細の仕様の中にそれらしい記述があるのなら教えてください

    仲間内で話をしている中でそんな話が出たものですから?
    自分は100%ありえないと思うのですが….

  2. お答え
    elicuriさん、こんにちは。

    詳しくは総務省に問い合わせて頂ければと思いますが、「総務省の汎用受付システム」=「e-Gov電子申請システム(窓口システム)」のことでしたら、その仕様の中でJREの使用を定めたり(あるいは示唆等)することはないはずです。

    行政情報の電子的提供業務及び電子申請等受付業務の業務・システム見直し方針
    http://www.e-gov.go.jp/doc/20040730doc2.txt

    を踏まえて、

    行政情報の電子的提供業務及び電子申請等受付業務の業務・システム最適化計画
    http://www.e-gov.go.jp/doc/2000824doc2.txt

    が定められ、

    窓口システムの概要
    http://www.e-gov.go.jp/doc/2000824doc5.pdf

    が考えられたのですが、基本的には

    申請・届出等手続のオンライン化に関わる汎用受付等システムの基本的な仕様
    http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/010806_1.htm
    汎用受付等システムの構築・運用に関する共通事項
    http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/020329_1.htm

    に準拠してるはずです。

    電子申請等受付業務
    http://www.e-gov.go.jp/doc/2000824doc8.pdf

    で電子申請の現行体系がわかりますが、

    A省:Web型システム
    B省:専用アプリケーションを用いたWeb型システム
    C省:専用アプリケーション型システム
    D省:多様な個別業務システムと連携したシステム
    E省:時系列申請重視型システム

    とあるうちで、JREを使用するのはB省とE省タイプ。これを見ても、電子申請システムにJREは無くても良いことがわかります。

    現行体系に続く、将来体系でも当然ながらJREの記述はありません。

    ただし、「各省庁の汎用受付システム」の多くがJREを使用している関係で、それらの統合を図る「e-Gov電子申請システム」でもJREを使用するという考えはあるかもしれませんね。

  3. Unknown

    過去に担当した事業の会計検査の対応でお礼が遅れておりましたが
    詳細なるコメントを有難うございました、大変参考になりました

    今後ともよろしくお願いします
    こちらも、何か新しい情報があればお伝えできると思います

  4. こちらこそ
    今後とも、よろしくお願いします。

    ご質問は、私自身の勉強にもなりますので、お気軽に書き込んでください。

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