日本でも進むガブテックへの期待と現実
民間のテクノロジーを活用して、政府の問題解決や公共サービス改善を進めようとする「ガブテック」という動きがあります。
GovTech(ガブテック)が行政を効率化する可能性~ICTで行政サービスを変革せよ
世界で注目される「GovTech(ガブテック)」に関するまとめ
大きな可能性を秘めたガブテックですが、いくつかの課題があります。一つは、「適用分野が限られること」です。わかりやすく「社会課題」や「地域課題」として認識されている分野や問題に対してはガブテックは有効ですが、賛否が分かれるようなグレーな問題や分野にはあまり向いて言いません。また、企業が進出するためには、収益性が期待できる市場があることも必要です。そうした分野は、かなり限定されてしまいます。
もう一つは、データの問題です。ガブテックは、通常、行政が肥大化する中で「できるだけ公務員や税金を使わない」ことを目指します。その代わりに「政府が保有するデータを提供する」「データを使いやすい環境を整備する」といったことが大切です。そのため、公共データに関するガバナンスが重要になるのですが、日本の場合、統治構造の関係もあり、ガブテックやデジタルガバメントに対応できるデータガバナンスを確立できていません。これら二つの課題に対応できるかどうかが、日本のガブテックの発展の鍵を握るのだと思います。
「21世紀の『公共』の設計図」(報告書)
2019年8月6日 経済産業省
https://www.meti.go.jp/press/2019/08/20190806002/20190806002.html
「公共」分野でも、個人を含む誰もがサービスの担い手・受け手としていつでも簡単に参加できるよう、再設計が必要。政府の役割は、これを実現する“プラットフォーム”、すなわちデジタルID、電子認証、データ共有の仕組みなどデジタル公共財を提供する役割にシフトしていくと。エストニアのデジタルガバメントが目指しているのも、これに近いです。
ソフトウェア開発業者の方へ(マイナポータルAPI提供) : マイナンバー(社会保障・税番号制度)
https://www.cao.go.jp/bangouseido/case/business/developer.html
各府省への手続の申請・届出を行うAPI仕様等を記載する「申請API 1.0ドラフト版(更新日:2019/7/18)」を公開。
申請系のAPI提供は、開発業者とのコミュニケーションが大切なので、民間企業をパートナーとする真の連携・協業を目指してほしいですね。ハッカソンを開催するのも一案かと。
関連>>人事担当者の方へ(就労証明書作成コーナー)
https://www.cao.go.jp/bangouseido/case/business/shuroushoumei.html
スマホで法人設立が可能に、内閣府が「マイナポータル申請API」の仕様公開
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/02674/
マイナンバーのサイト、100億円かけ利用率0・02%
https://www.asahi.com/articles/ASM7F3TKPM7FUUPI002.html
一般の人が「マイナポータル」を利用する機会は少ないですよね。エストニアでも個人ポータルの利用率は、それほど高くないので、今後も利用率の大幅な向上は難しいのではないかと思います。
凸版印刷、自治体窓口の業務電子化 2020年夏に販売へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48312930X00C19A8000000/
紙の申請書への記入をタブレット端末に切り替えて電子化するシステムとのこと。ブックオフなどの買取窓口にも同じようなシステムがありますよね。「日本型ガブテック」は、こうしたデジタル化が進むのかな。
スピードエントリーガバメント(動画:トッパン公式チャンネル)
自治体向け窓口申請業務電子化サービス「Speed EntryR Government」を開発ペーパーレス化・業務効率化を推進
https://www.toppan.co.jp/news/2019/08/newsrelease190806.html
住民票の写しをオンラインで請求可能に 大阪府四條畷市が実証実験
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190802-00000022-ascii-sci
こちらもガブテックの事例。個人的には、楽天やアマゾンで購入できる方が嬉しい。
東京メトロのベビーカー向けルート案内「ベビーメトロ」、8月本格始動
https://japanese.engadget.com/2019/07/30/8/
利用したい駅名を検索すると「地上から駅のホームまでエレベーターだけで移動できるか」「他の路線への乗り換えにエレベーターが使えるか」「ホームベンチやおむつ替えのスペースがあるか」などを調べられると。日本の電子政府でも、こうした身近で使いやすいサービスを官民連携で増やしていくのが良いかも。
科学技術政策の動向について
令和元年7月 総務省 国際戦略局
http://www.soumu.go.jp/main_content/000635373.pdf
Trusted Quality AI(AIの品質保証)
・個人データなどの保護と流通を促す技術
・説明出来るAI(現在の深層学習の原理を理論的に解明し、結果の根拠等を理解可能化)
・AIからのアウトプットの品質保証 等
関連>>国立研究開発法人情報通信研究機構の最近の取組
http://www.soumu.go.jp/main_content/000635374.pdf
量子鍵配送(QKD)と秘密分散を融合した「いかなる計算機でも解読不可能」なQKD秘密分散ストレージ技術の原理実証に成功。
情報通信審議会 情報通信技術分科会(第144回)配付資料
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/bunkakai/02tsushin10_04000426.html
第21回 健康・医療戦略推進会議 2019年7月23日
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisinkaigi/dai21/gijisidai.html
健康・医療戦略及び医療分野研究開発推進計画の次期に向けた検討、次期健康・医療戦略の推進体制など。
個別化医療/予防等の研究開発に不可欠な基盤として、全ゲノム情報をはじめとする、大規模かつ質の高いゲノム・データ基盤を整備するとともに、すべてのゲノム・データ基盤においてデータシェアリングを進め、個別疾患の研究、疾患横断的な研究、未知の疾患解明のための研究等への利活用を促進すると。
関連>>健康・医療戦略推進本部(第二十四回)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisin/suisin_dai24/gijisidai.html
脳に電磁刺激を与えれば、高齢者の記憶力が“若者並み”に改善される:研究結果
https://wired.jp/2019/07/30/brain-magnets-memory-loss/
海馬は脳の深い部分にあるため、磁場を到達させることはできないので、海馬と連携している脳領域のひとつで、左耳の上辺りに位置する頭頂葉に刺激を与えたと。
デンマークにおけるデジタルヘルスの動向(3)
データの利活用とその課題 2019年7月12日 富士通総研
https://www.fujitsu.com/jp/group/fri/knowledge/newsletter/2019/no19-004.html
医療と個人番号が紐づくようになって42年が経過し、医療に関する個人の様々なデータが蓄積されているデンマークでは、バイオバンクに蓄積されるデータを活用した精密医療の発展に注力していると。エストニアとデンマークに共通する特徴は、
1 個人に確実に紐づけされた「使いやすい患者識別番号」があること
2 官民学が共同でデータやルールの共通化・標準化を実施していること
3 医師による医療データの提供・共有が義務化されていること
日本でも、この3点が実現できると、質の高い各種データベースの構築・運用が可能になり、信頼性の高いデータに基づく電子処方箋や患者ポータルといった各種サービスやアプリケーションの実現・維持管理も円滑に行えるようになるでしょう。
当たり前の「家族介護」が細るドイツ、共同生活へ舵を切った事情
https://diamond.jp/articles/-/210309
キーワードは自己決定とQOL(生活の質)であると。ドイツには、現金給付の制度があるんですね。現金給付は、自宅で家族や友人、近所の人、あるいはポーランドなど東欧諸国からの移民労働者などから介護を受けた時に、要介護者自身に支払われる。その報酬を、要介護者が「雇用主」として介護者たちに介護量に応じて渡すと。
放射脳だった僕が、放射能のこと勉強した結果
https://note.mu/168526/n/nfe7f131a8c9c
・2017年から世界的に甲状腺癌検査はやらないように推奨されてるデメリットの方が大きいとされる検査
・検査するメリットよりデメリットの方が大きいから、検査するのは辞めましょう
・2011年は、まだ甲状腺がんのスクリーニングが有効と思われてた時期だった
・3.11後に甲状腺癌が増えてるとかも嘘であると
関連>>大阪大学大学院医学系研究科甲状腺腫瘍研究チーム
若年者の甲状腺がんの過剰診断についての情報
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/labo/www/CRT/CRT%20Home.html
がんの過剰診断の問題を議論する場合に必ず出てくるのが「早期診断・早期治療のどこが悪いんだ!」という話です。しかし、若年型甲状腺がんは早期診断・早期治療してはいけないことが人類史上初めて証明されたがんなのですと。
千葉市:千葉市動物公園 amazonほしい物リスト
https://www.city.chiba.jp/zoo/news/20190704amazon.html
新たな寄付制度としてamazonの「ほしい物リスト」の活用を開始しましたと。これは良いですね。
三菱UFJニコスとMDIS、行動データによる個人認証の実証実験
https://news.mynavi.jp/article/20190628-850510/
個人の行動データ(スマートフォンの位置情報やWiFi情報、サービスの利用履歴など)を活用した新しい個人認証技術で、セルフレジや無人店舗での決済を想定した実証実験を実施すると。
ブロックチェーン及び顔認証技術とマイナンバーカードを活用したインターネット投票を実施
https://www.excite.co.jp/news/article/Prtimes_2019-06-26-28199-155/
つくば市では、マイナンバーカードとブロックチェーン技術を活用したインターネット投票を8月下旬に実施する。昨年行った、投票内容の改ざん防止や秘匿性の確保などについて検証に加えて、2019年度は
(1) スマートフォン等を活用し、場所にとらわれない投票を実現
(2) 顔認証技術等を用いた本人確認により投票の利便性を向上させる
といった技術的課題にチャレンジすると。
【ネット投票の足音(中)】露呈する「紙選挙」の限界 失敗の電子投票、教訓生きるか
https://www.sankei.com/politics/news/190719/plt1907190016-n1.html
「社会状況の変化に合わせて投票制度も変化していくべき」「まずは離島や災害時の投票といった例外ケースでネット投票を導入し、段階的な拡大を検討することも必要」といった指摘を紹介しています。
関連>>【ネット投票の足音(下)】ゲーム感覚で不安? 「選挙離れ」克服する日
https://www.sankei.com/politics/news/190720/plt1907200008-n1.html
2段階認証の落とし穴、ヤマト運輸が不正ログインを許したワケ
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00598/073100024/
クロネコメンバーズの2段階認証はユーザーが有効に設定しても、パソコンでアクセスしたときのみ有効で、スマートフォン向けのWebサイトやスマホアプリでは有効にならなかったと。
暗号化とハッシュ化の違いは? 間違うと赤面のセキュリティー用語
https://active.nikkeibp.co.jp/atclact/active/18/060300118/060300001/
利用するアプリケーションやライブラリーが、どのようなアルゴリズムでハッシュ化しているかを確認する必要があると。
がん患者情報3000件漏洩 横浜市立大病院、誤送信
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48212460V00C19A8000000/
ぼうこうがんの患者の生年月日や名前、症状などの個人情報約3400件分を、宛先不明のメールアドレスに誤って送信し、漏洩させたと。メールで送るとか匿名の状態で管理するルールを守っていなかったとか、ちょっとひどい。。「臨床研究データを関係者で共有する仕組み」が確立されていないことで、こうした事件も起きやすくなると思います。
関連>>臨床研究における患者様情報の漏えいについてのお詫び
https://www.yokohama-cu.ac.jp/fukuhp/news20190805.html
消費税におけるインボイス制度とは?4年後に日本にも導入される可能性が!支払領収書等に注意!
https://www.dreamgate.gr.jp/contents/column/c-accounting/64453
2023年10月を目途に、段階的に「インボイス制度(適格請求書等保存方式:課税事業者の登録番号等が記載されたインボイス)」が導入される見込み。登録番号を発行してもらえない免税事業者にとって大きなデメリットとなる可能性があると。
デジタル経営改革のための評価指標(「DX推進指標」)
2019年7月31日 経済産業省
https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190731003/20190731003.html
2018年9月に発表した「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」における指摘等を踏まえ、経営者や社内の関係者がDXの推進に向けた現状や課題に対する認識を共有し、アクションにつなげるための気付きの機会を提供するものとして、「DX推進指標」を策定したと。
「楽器の演奏」が、英語と理数系科目の成績を上げる:研究結果|WIRED.jp
https://wired.jp/2019/08/06/music-enhances-academic-scores/
音楽が発達中の脳に与えるよい影響をうかがわせると同時に、学校教育の一環として音楽を取り入れる重要性を再認識させると。これは確かに、そうでしょうね。私も、子供の頃から音楽をやっておけば良かった。。運動なら、サッカーやハンドボールが良いと思います。
韓国向け輸出、厳格管理下で一部再開 半導体材料3品目
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48340580X00C19A8MM8000/
経済産業省が個別審査した結果、兵器転用の恐れがないと判断したと。
関連>>「ホワイト国除外」と「信用状」ー「輸出管理措置の見直し」についての誤解
https://note.mu/okanenomanual/n/n88004a38a504
「ホワイト国除外」が適用されると、多品目に渡り韓国向け輸出そのものに経済産業省の個別許可が必要となるため、輸出そのものが許可されなければ「信用状」も発行されないと。
花王がFAX一掃作戦 5千社との取引移行
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47623890S9A720C1000000/
私の個人事務所では、かなり前にFAXを止めましたが、花王ほどの規模になると大変でしょうね。がんばれ~!
「スポ根」を感動ドラマに仕立てる甲子園はブラック労働の生みの親だ
https://diamond.jp/articles/-/210468
中学・高校で起きる事故の半分以上が運動部で起きており、その数は年間35万件。その中の多くは、スポーツ科学の「か」の字も知らぬ、“ド根性監督・コーチ”が課したオーバーワークによる「人災」だということが、さまざまな調査で明らかになっていると。