オンライン登記情報提供制度、電子政府は健全な競争が大切
法務省が、「オンライン登記情報提供制度の利用料金が引き下げられました!」と告知しています。もう何年も前から主張しているのですが、少なくとも電子申請を利用する場合には、オンライン登記情報の利用は無料とするべきです。
例えば、個人の申請・届出等では、住基ネットの稼動により、住民票の写しを提供する必要が無くなり、証明書交付の手数料も不要となっています。行政側で、住基ネットを経由して確認できるからです。
パスポート申請に住民票の写しの提出が不要となりました(外務省)
ところが、企業の申請・届出等では、登記簿謄本等の提出が不要となっていません。オンライン登記情報制度を利用すれば、不動産や法人に関する登記情報は、行政側で確認できるはずなのに。。。
現在、オンライン登記情報提供制度は「財団法人民事法務協会」という法務省の外郭団体の独占業務となっています。協会から見れば、オンライン登記情報提供制度は、「打ち出の小槌」みたいなものでしょう。システム運用を業者に任せて、利用料金の一部がチャリンチャリンと毎日フトコロに入ってくるのですから。。
電子政府を進める過程では、こうした利益構造は生まれがちです。
役所の人は、電子政府が進むと、自分たちの仕事が減り、職員が減らされると思っているのかもしれません。これも、大きな勘違いなのですが。。(電子申請で、人(公務員)が減らされる?)
しかし、電子政府が健全に発展する中で、いびつな利益構造は必ず淘汰される運命にあります。
オンライン登記情報提供制度についても、近い将来、そのあり方が見直されることでしょう。例えば、
・電子申請で利用する場合は、無料となる
・電子申請以外で利用する場合は有料であるが、民間企業が参入して、サービスや価格の競争が行われる
なお、オンライン利用促進のための行動計画(案)には、次のような意見を出しておきました。無料化、健全な競争化が実現されるまで、地道に主張して行こうと思います
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法務省の
No.2 不動産登記に係る登記事項証明書等の交付請求手続等
No.4 商業・法人登記に係る登記事項証明書等の交付請求手続等
■インセンティブ措置
登記事項証明書の提出に代えて、登記情報提供サービスの照会番号を提供するものについては、手数料を無料とするべきである。
個人の申請・届出等では、住基ネットの稼動により、住民票の写しを提供する必要が無くなり、証明書交付の手数料も不要となっている。法人についても、申請方式(紙、オンライン)に関係なく、同様の措置をする必要がある。
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関連>>「オンライン利用促進のための行動計画」について|法務省電子政府構築計画|法務省における個別業務・システム最適化について