マイナンバーカードがそこそこ普及したので、もう言い訳はできない

マイナカードがDXの先兵に 宮崎・都城、給付金1週間で(日本経済新聞)

住基カードでも5割以上の普及を達成した自治体がありましたが、そうした自治体がその後デジタル化が進んだかと言えば、そんな事はありません。マイナンバーカードの普及率が高くなると、国からの助成事業等が受けやすくなり、新しいことにチャレンジできる機会が増えるとは言えますが、こうした事業の持続可能性が低い事は、これまで多くの自治体が学んできたところです。

総務省や石川県加賀市など、これまでマイナンバーカードを増やしてきた施策は、どれもお金をばらまくと言うものです。民間ポイントに還元できるマイナポイントがもらえる、地元で使える商品券がもらえる、10万円給付金が早くもらえるなど。。こうした結果は、行動経済学の研究と一致するもので、特に驚くものではありません。

マイナンバーカードがある程度普及した状態で、ようやく行政デジタル化の本番が始まると言えますが、これからはマイナンバーカードの普及を理由にデジタル化が進まないと言い訳できなくなることも意味します。

利用者中心のサービスは、ユーザインターフェイスも重要ですが、最終的にはデータ整備の状況に大きく依存します。ベースレジストリの検討も含めて、国と自治体が一体になってデータガバナンス改革を実行できるかが、マイナンバーカード普及後に問われることになるでしょう。