静岡県の「電子申請システムASPサービス利用」の調達公告
静岡県電子申請共同運営協議会における「電子申請システムASPサービス利用」の調達について、公告がありました。地方公共団体のネットワーク「LG-WAN」を利用したASPサービスですが、機器構成はシンプルですね。簡単なSLA(サービス基準協約)の記述もあります。
総務省が策定した「総務省仕様」への準拠を基本としながら、決済基盤については、複数のMPN共同利用センターとの接続も可能とするようです。
「補足資料」で、なんとなくですが、サービスのイメージが見て取れますので、気づいた点をコメントしておきましょう。
・手続きの分類やキーワードとの関連付けなどは、市民や市民団体、窓口担当者等の意見を参考にして、整理していくのが良いでしょう。ここをベンダーさん任せにすると、とても使いにくいものになってしまいます。
・リピータの獲得を目指すのであれば、利用履歴を活用しましょう。例えば、以前と同じ手続きを利用する場合は、日付等の変更箇所だけ入力(選択)すればOKとする。最低限、これぐらいのサービスレベルにしておきましょう。
・事前登録でID・PWを発行するのであれば、基本情報は自動入力されるようにしましょう。また、提出先は住所地の市町村をデフォルト(初期設定)にするといった工夫も必要です。
気になるのが、利用期間が63箇月(5年程度)と長いものの、サービスを改善する仕組みが仕様で決められていないことです。サービスを改善する仕組みとは、利用者の声を吸い上げて分析する仕組みや、定期的なリニューアル(一年ごと等)を義務付ける条項などです。
作者だったら、
・利用者の声を吸い上げて、自動で簡単な分析・整理する仕組みを仕様書に記載する
・その分析結果を行政側で検討し、必要な改善点をまとめる
・改善点に従って、ベンダーが定期的にリニューアルすることを義務付ける
なお、リニューアルに伴う費用については、必要となる作業(量、質)を分類し、無料~上限金額などを契約で決めておきます。
(今回の仕様では、「ASP料金以外の経費について」記述があります。)
それでは、静岡県における、使いやすくて市民に愛される電子申請サービスの実現を期待しています
コメント有難うございます
参考にさせていただきます
利用期間を63箇月に想定したのは、リース契約の変形でしかASPをとらえることのできない事業者がついて来れないと考えたからですが
毎年度契約更新としてあるので、サービスレベルの提供が芳しくなければ1年で契約終了もあります
そういう緊張感を事業者に与えながら、著作権等を留保せずにASPによる事業展開のチャンスという、事業者に旨みを与えるニンジン戦略で考えているのですが…
当初の経費以外に想定できるものを明示するようにしてありますが
通常の利用料以外の保守経費を要するものは、基本的に評価が大きく下がるものと認識しています
「契約」が目指すところ
elicuri、こんにちは。
いつも、ありがとうございます。
さすがに、色々と工夫されているんですね。
確かに「緊張感」は大切と思います。
私が目指す「契約」は、当事者を束縛したり、損得を競ったりするものではなくて、
・当事者間の理解を深め
・誤解をなくし
・相互の利益を最大化し
・(適度な緊張もある)良好な関係を形成し
・より良いサービスに発展、成長する仕組みを提供する
というものです。
電子政府・電子申請のように、まだまだ未成熟な段階にあるものを作り上げる際には、特に注意が必要ですね。