住民が使いたくなる電子申請、工夫の余地は無限にある
新風【かぜ】2006年5月号の特集で、「住民が使いたくなる電子申請」と題して、3つの先進事例(静岡県裾野市、静岡県牧之原市、沖縄県那覇市)を紹介しています。主として、厳格な本人確認を必要としない「簡易な電子申請」ですが、実際に使ってもらうことで、その後に展開する電子申請サービスにも大きな影響を与えます。
公共施設や市民講座の予約など、まずは使ってもらえる電子申請サービスを提供することは、とても大切なことです。その過程で、
・市民と行政が電子政府・電子申請サービスについて学び
・ウェブサイトを通じた信頼・有効関係を構築し
・新たなサービスの改善・発展へと繋げる
ことができるからです。
「電子政府・電子申請サービス」という漠然としたものが、実際のサービスとなり、実際に市民に使ってもらえることで、その効果やイメージが明確になってくるのですね。そして、ここでの成功体験が、大きな自信にも繋がります。
・シンプルな手続で
・厳格な本人確認を必要とせず
・添付書類を必要とせず
・市民からメール等での問い合わせも多く
・情報提供するだけでも価値があり
・安価にシステム構築できる
(既存のソフトウェアやASPサービス等が利用できる)
そういうものから電子申請サービスを始めると良いでしょう。
中央省庁でも、国民が参加できる政府企画のイベント(公聴会や公開審議会なども含む)を総合的に紹介するページを設けて、ウェブ経由で申込みができるようにすれば、それだって立派な電子申請サービスとなりますね。
また、関連するサービスとして、パブリックコメント(意見募集中案件一覧)がありますが、利用者視点を考慮して、キーワード検索やテーマ分類ができると、ぐっと良くなるでしょう。
さらに上を目指すのであれば、論点や特に意見を聞きたい点を整理して掲載し、選択式と自由記述の欄を設けるなどすると、国民からの意見も集まりやすくなります。
電子政府・電子申請サービスを良くするためには、「お金を惜しんで、手間を惜しまず」の精神が有効でございます
「学び、共有し、成長する」という考え方いただきます
市民と行政が電子政府・電子申請サービスについて学び
ウェブサイトを通じた信頼・有効関係を構築し
新たなサービスの改善・発展へと繋げる
その考え方、そのまま、いただきます
電子サービスの実現に否定的な考え方をしている人がいます
まだ早すぎるとか、ニーズがないとか….
事実全国の先例や、国の電子申請の実情を見ると、それも一理あるかも知れません
しかしながら、だからといってこのまま放り投げておいて、
誰が行政の電子サービスの市場調査をするのか…
何処かが成功するパターンを見て、それを参考に後追いする…
それが行政のお決まりのやりかたでした
近隣はどうかとか、県内の情況はとか、言い出す人は自分の周囲にも大勢います
その考え方も、全く否定するものではありませんが
確かに周辺自治体の行政サービスに比べて、明らかに劣る情況はいかがなものと思いますが…
周辺に比べて先を行くことに否定的である必要はないと思っています
住民の行政に対する電子サービスのニーズを掴むという意味で
最小の経費で、電子申請に取り組んでいく意味は大きいと思います
サービスを提供しながら、共に学び、価値観を共有し、
電子自治体の実現に向けて成長する、そういう共同作業によって
住民も自治体も成長してくのだと思っています
最近、近隣の自治体からの問合せがありました
未だPCが職員一人一台の情況にあらず、インターネットに繋がるPCは一部
メールアカウントは所属のもののみ、グループウェアの導入なし….
私のところでは数年前に実現済のことについて、実情はどうかとの問合せ
今から準備して対応するとなると、職員に浸透し、根付くのは数年先…
自治体間のデジタルデバイドが既に存在すると感じました
この経験の差というのがとても大きくて、
システムとして導入するのは予算化されれば1年で追いつけますが
それが職員に浸透し、機能するようになるまでにはエネルギーと時間を擁します
行政と住民の間のみならず、行政の情報部門と一般職員の間にも
「学び、共有し、成長する」というプロセスが必要なのです
因みに、紹介されていた事例の裾野市においてはこんな取組もされています
参考までに….
http://www.city.susono.shizuoka.jp/joho/gyoumu/elg-sinsei.jsp
これで、何かが劇的に変わるとも思いませんが、
少なくとも、こういう継続的な取組が、いつか効果をあらわす時が来ると思います
Unknown
elicuriさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
考え方、どんどんいただいちゃってください。
そして、elicuriさんの行動や言葉で、たくさんの人に伝えていってください。
電子政府・電子申請サービス、作るのも動かすのも使うのも、そこから何かを感じるのも、人なんですよね。
ご指摘の通り、人が変わるのは手間も時間がかかります。
だから、今できることを少しずつでも積み重ねていくことが、とても大切と思います。
行政の情報部門と一般職員の間での「学び、共有し、成長する」というプロセス、すごく大切ですよね。異文化コミュニケーションのようなスキルが必要ですし、時間もかかりますが、そこから得るものは大きいです。
ご紹介いただいた裾野市の取組
http://www.city.susono.shizuoka.jp/joho/gyoumu/elg-sinsei.jsp
とても良いですね。
ちょっとした工夫や配慮で、サービスも利用者との関係も、ぐっと良くなります。