アクセンチュアの電子政府レポート2006

アクセンチュアから電子政府レポート2006年度版(英語:PDF)が公開されています。「行政サービスに関するグローバル調査レポート:Leadership in Customer Service – Building the Trust 」と銘打っているように、行政サービスにおける電子政府の存在は、今や当たり前となりました。「国民と政府間の信頼が大切」としたのは、さすがはアクセンチュアですね。

関連>>プレスリリース(日本語)

調査対象国は21カ国と少な目ですが、電子政府や行政サービスの先進国から、多くのことが学べます。

レポートにあるように、電子政府は「国民と政府間の信頼・友好関係」が大切です。これは、今に始まったことではなく、インターネットを活用した電子政府が生まれた時から、最重要の要素なのです。

インターネットという新しいコミュニケーション手段を持つことで、政府と国民の距離がぐっと近づきました。近づいたことで、政府と国民の関係にも変化が表れます。

同じ屋根の下に住むようなものですから、今までのようにお互いに無関心を装ったり、無視したりすることもできません。ならば、お互いの理解を深め、より友好で信頼でき、必要であれば協力・連携できる関係を築いていきましょう、となります。

この変化こそが、電子政府がもたらす最も大きな果実なのです。

「国民と政府間の信頼・友好関係」において重要なキーワードが、「sustainability(持続可能性)」です。

例えば、政府が多大な費用や労力を使って(=無理をして)、電子政府サービスを提供したとします。国民からすれば、サービスが良くなって満足度も上がるでしょう。しかし、その一方で政府は疲弊していきます。国民からは、「もっと良いサービスを」と要求され、政府は更に疲弊していきます。仮に、電子政府を止めてしまえば、国民の満足度は一気に下がってしまうでしょう。

こういった電子政府は、一見するとレベルが高いようですが、「sustainability(持続可能性)」に劣っており、「国民と政府間の信頼・友好関係」を築くことも維持することもできません。

つまり、電子政府を評価する際に、最も重視すべき指標が「国民と政府間の信頼・友好関係」なのです。

提供する電子政府サービスや関連施策が、「国民と政府間の信頼・友好関係」にどれだけ貢献できたのか。これを確認すること無しに、電子政府を評価することはできないのですね。

電子政府サービスの質を向上し、国民の満足度を得ることは、確かに大切なことです。しかし、それはゴールではなく、通過点に過ぎないことを理解しておきましょう。