調べ物をしていて、偶然に港区ポータルサイト（東京都）にたどり着きました。民間サイトにも負けない非常に優れたサイトなので、ぜひ紹介しておきたいと思います。

まず、トップページには、必要な情報が過不足なく整理されて掲載されています。

今回は、「くらし・手続き」の検索機能を見てみましょう。

●使いやすい「くらし・手続き」の検索機能

「くらし・手続き」をクリックすると、

・ライフイベントからさがす
・キーワードからさがす

といった選択肢があります。

よく分類・整理されていますが、「各種証明書の発行」、「ペット」といったキーワードも欲しいところですね。

ここで、ライフイベントから「就職・退職」を選んでみます。

すると、

・就職・転職する
・技術・知識を身に付けたい
・退職する

といった選択肢が出てきます。

つまり、簡単な質問に答えてもらうことで、利用者に合ったサービス・手続きを提供してくれるわけです。

●有効なカスタマイズのサービスとは

役所の手続きのように、めったに利用しないサービスの場合は、個々の手続きごとにカスタマイズ（＝利用者の希望に沿った個別サービスの提供）することが有効となります。

利用者登録して、たくさんの質問に答えて、カスタマイズする。といった方法は、あまり有効ではありません。

次に、「退職する」を選んでみます。すると、

・国民健康保険の手続き
・国民年金の手続き
・退職者医療制度
・転入・転出・転居の手続き

などの案内（概要、問合せ先など）が表示されます。

●検索結果の見せ方にこそ気配りが必要

電子申請システムでよくありがちなのが、「法令に従った手続きの名称だけ」がずらりと表示されるもの。

これでは、専門家でもない限り、必要な手続きを見つけることはできませんので、簡単な説明を付けることが最低限のマナーとなります。

港区ポータルサイトのような手続き検索であれば、

「退職」にあたって、どんな手続きが必要なんだろう？

といった人でも、簡単に自分の必要な手続きを探し出すことができるでしょう。

また、こうした仕組みを作るためには、窓口や現場のノウハウが必須となりますので、システム部門と現場部門の協力・連携（→現在の電子申請に欠けているもの）も促進されることでしょう。

●クッキーを利用したお気に入り登録を

民間サービスでは、サイト内にある特定の情報を「お気に入り登録」する機能が付いています。

例：クーポングルメサイトのホットペッパー.jp
・my候補店リスト
・最近見たお店一覧など

「役所の手続き」検索サービスでも、次のステップとして、クッキーを利用した簡易なお気に入り登録ができると良いでしょう。

●役所用語には説明を

港区ポータルサイトでは、ライフイベントの「引越しへ」を選択すると

・転入する
・転出する
・転居する

といった選択肢が表示されます。

さて、果たして一般市民は、この選択肢の意味や違いを正確に理解できるでしょうか。

役所用語については、簡単な説明を付けるか、下記のように、市民が理解できる言葉に翻訳？してから掲載しましょう。

・港区以外の地域から、港区へ引越しされる方
　（ようこそ港区へ）
・港区から、港区以外の地域へ引越しされる方
　（さようなら、またいつか港区へ戻ってきてください）
・港区内で引越しする
　（引越しお疲れ様です。今後とも港区をよろしくお願い致します）

ところで、　『日経パソコン』のe都市ランキング2006では、全1613自治体（アンケート回答自治体）の中で、港区は総合29位となっています。

ベスト10を目指して、今後ともがんばってくださいね

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