「電子自治体オンライン利用促進指針」の策定、現場力を生かした電子申請を
総務省から、「電子自治体オンライン利用促進指針」が意見募集の結果と共に公表されました。「オンライン利用促進計画策定にあたっての留意事項」、利便性、提供手段、メリット、広報・普及についての「具体的対策例」など、とても参考になる内容です。
別添の「電子自治体オンライン利用促進マニュアル」では、より具体的で実践的な方法等が書かれており、電子自治体関係者はもちろん、中央省庁の電子政府・電子申請関係者にも読んでもらいたい内容ですね。
自治体の電子申請を担当される皆さんには、「50%の利用率」という数字に踊らされること無く、利用者(住民や行政職員)との対話を通じて、利用者が現在抱える不満や問題を整理し、利用者ニーズの理解に努めて欲しいと思います。
その上で、利用者の問題を解決しニーズを満たす方法として、電子申請が有効であると判断できた場合にのみ、電子申請の構築や利用を推進していくのが良いと思います。もちろん、費用対効果を考えながら。。
例えば、住民票(の写し)交付サービスなどは、千葉県市川市による「住民票の取次ぎ制度(電話1本で住民票をコンビニや取次所にお届け)」など、電子申請以外の方法が有効かもしれません。
「オンライン利用促進対象手続」についても同様で、指針で決められた対象手続きは、あくまでも参考と捉えて、利用者のニーズを基礎とした優先度、電子化の効果が高いもの、電子化しやすいもの等を考慮しながら決めていくのが良いでしょう。
自治体や地方出先機関の窓口等で働く現場職員の皆さんには、電子申請に対する誤解をなくし、より良いサービスを実現するために、実務者としてのノウハウを提供して、力を貸していただければと思います。
今のうちに、実務で使える電子申請や電子決裁等を準備しておかないと、人員や予算が削減される今後に対応することが困難になるでしょう。
市民と行政職員に喜んで使ってもらえる電子政府・電子申請サービスを実現し、その様子を見て、電子政府・電子申請の担当者がベンダーさんと一緒に喜べる。
それが、「50%の利用率」より大切にしたい、作者が考える電子政府・電子申請の形です。