パスポート電子申請から学ぶ、電子政府サービスの引き際
外務省から、パスポート電子申請の停止についてが公開されました。これにより、パスポート電子申請は、9月末で申請受付が停止となります。
「高知県の電子申請が休止、前向きな休止はサービス改善に繋がる」でも指摘した通り、利用率の低迷等を理由としてサービスを停止することは、悪いことではありません。
しかし、費用対効果や行政サービスの改善などを考えた場合、停止の方法については慎重に検討する必要があります。
電子政府サービスを評価する場合、投資の内容(時間、お金など)、これまでの経過・成果等を踏まえて、おおよそ次のような選択肢があります。
1 そのまま継続(この調子でがんばりましょう)
2 改善を指示(もう少しがんばりましょう)
3 条件付で可:縮小、分離、統合、代替措置など(赤点→補習でがんばりましょう)
4 予算凍結して廃止(なむ~)
今回のパスポート電子申請では、おそらく4が選択されたものと思います。
しかし、今までたくさんのお金や時間を費やしたこと、そこから生まれた成果物などを考えると、作者は3を提案したいのです。
●パスポート申請ポータルサイトの充実
現在、パスポートに関するポータルサイトとして機能するのが「パスポートA to Z」です。内容は充実しているのですが、使いやすさ、見やすさといった観点からは、改善の余地が多々あると言えるでしょう。
パスポート電子申請用に作成された「パスポなび(パスポート申請に関する情報サイト)」と統合して、より快適なサービスの実現を目指しましょう。
●申請書作成サービスの提供
パスポート申請における面倒な作業は、おおまかに分類すると次の三つ。
1 戸籍謄本等の添付書類の取得
2 申請書の記入・作成
3 窓口への提出・受取
このうち2については、「申請書の記入例」が提供されいてるだけで、申請書のダウンロードサービスもありません。
パスポート電子申請用に作成された「申請書作成プログラム」を活用して、国税庁の確定申告書等作成コーナーのようなサービスをウェブや窓口で提供すれば、電子政府サービスとして国民に使ってもらえるでしょう。
国民が望むのは、「電子申請」ではなくて、行政サービスの向上であり、便利で役に立つ電子政府サービスなのです。「電子申請」ばかりが電子政府サービスではありませんし、「電子申請」だけで行政サービスが改善するわけでもありません。
「パスポート電子申請の停止」は、他省庁や自治体の電子申請にとって、決して他人事ではありません。他山の石と考え、そこから多くのことを学び、行政サービス・電子政府サービスの改善に役立てるようにしましょう
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評価する以前
一日も早く今年度上半期の法務省オンライン件数と、オンラインPTの数字を公開してください。電子政府の会議にまにあわないです。