添付書類の電子化より、省略を(国税庁)
国税に関する意見です。
●本人確認に、電子署名以外の方法も
平成17年度における国税電子申告・納税システム(e-Tax)のアンケート実施結果
http://www.e-tax.nta.go.jp/topics/topicse17.html
によると、「開始届出書提出後、利用していない理由」として、電子証明書に関連するものが多くなっています。
また、現状の紙による申告の場合、記名押印で足り、成りすましや否認防止の配慮は特にされていない中では、オンライン電子申告において、必ずしも電子署名が必要とは思えません。
諸外国の例を参考にしながら、企業コードや納税番号等を活用した、より簡便な認証方法を採用し、国民に選択肢を提供することが有効と考えます。
●添付書類の電子化より、省略を
オンライン申告の場合、添付書類を別途郵便等で送付することは、利用者の大きな負担となっています。また、紙の書類をスキャナで読取り電子化し、さらに電子署名を付するといった方法は、利用者の負担を増やすばかりか、システムや行政事務への負担も大きくなります。
現行の紙申告においても、多くの証憑類が「本人保存」という方法を採用していることを踏まえると、オンライン申告において、源泉徴収票、証明書、領収書等の第三者作成の添付書類について送付を省略しても、特に問題があるとは思えません。
よって、オンライン申告の場合、添付書類を不要として、申告内容に疑問がある場合などに限り、添付書類の提出を要求するとするのが有効と考えます。
●受付時間の延長
確定申告期においては、土日を含む24時間、またはそれに近いものを実現し、利用者の業務実体に合わせた受付時間とする必要があります。
なお、紙による申告の場合、窓口の開庁時間に制限はありますが、24時間いつでもポストに投函できるようになっています。
●還付申告については、一週間以内を目指す
還付申告について、「処理期間を通常の6週間程度から3週間程度に短縮を目指す。」とありますが、これではインセンティブとしての魅力に欠けますので、少なくとも「一週間以内」を目指すことが必要と考えます。
現在の「3週間程度」という目標は、おそらくは、現行の業務フローを前提にしたものと思いますが、「一週間以内」となると、業務フローの改善なしには実現が困難です。
処理期間を「一週間以内」とすることで、行政内の業務改革や事務処理の効率化も進むことが期待できます。
●来署型電子申告の導入は、利用率の向上よりも利用者の利便性向上に配慮を
現在検討されている「来署型電子申告」の導入については、オンライン利用率の向上策としてだけでなく、紙による申告書控えの即時交付など、わざわざ来庁してくれる利用者の利便性を損なうことがないよう、十分な配慮が必要です。
また、通常のオンライン申告と同様に、利用者へのアンケートを実施して、サービスの改善に役立てることも必要です。
●「確定申告書等作成コーナー」経由の電子申告は、簡便さを損なわないように
「確定申告書等作成コーナー」から直接電子申告できるようにすることは、オンライン利用率向上策として有効と思いますが、それにより「確定申告書等作成コーナー」の魅力である「簡便さ」が失われないよう配慮することが必要です。
電子申告との連携により、「確定申告書等作成コーナー」の利用設定や利用方法が複雑化し、サービスの品質を低下させないことが必要です。
●地方税電子申告(エルタックス)との統合により、手続の簡略化を
申告・納税者の負担を軽減するために、国税庁のイータックスと地方税のエルタックスを統合し、税のワンストップサービスを目指すことが望まれます。
同じような申告手続を、国と地方にそれぞれ行うことは、国民の大きな負担となっています。国税データ(源泉徴収など)を地方と共有することで、地方自治体への手続(給与支払報告などの)を不要とすることも可能であり、積極的な手続の簡略化が望まれます。
また、サービス、システムを統合することで、重複する構築・運用費を節約できる効果もあります。
★補足コメント:
諸外国においては、電子申告サービスは、非常に人気のあるオンラインサービスの一つで、税制度の違い等を考慮したとしても、日本の利用率(数パーセント)は、ある意味で異常な数字なのです。
基本的な考え方とアプローチの変更が必要ですが、「よりシンプルに」というのが一つのキーワードとなるでしょう。
また、国税庁のイータックスは、他省庁の電子申請システムと比較して、桁が一つ違う費用がかかっており、費用対効果が良くないのも特徴です。
業務・システム最適化と連携しながら、更なる効率化が必要と言えるでしょう。
Unknown
課税は電子化のためにやっているわけではない。
重要なのは適正な課税の確保である。
憲法上要請されている国民の義務である税負担を適正に徴収することの方が重要である。
申告納税方式を採用している以上、国税側が当該申告の適正性を確認するためにエビデンスを求まるのは当然のことではないか。
金があっても給食費を払わないような日本人が存在し、日本人のモラルの低下が著しい昨今、何の証明もなく申告が適正であると信じるほど、税務職員はお人好しではない。
e-taxのさらなる推進のためには、もはや納税者番号制度の導入しか残っていない。
課税の適正な徴収よりも課税の電子化の方が重要であるかのような議論は本末転倒である。
だからこそ
こんばんは。コメントありがとうございます。
電子申告が「適正な課税の確保」のためにあるのは、全くおっしゃるとおりです。これを忘れてしまうと、せっかくの電子化がおかしな方向へ行ってしまいますね。
「適正な課税の確保」を実現するためには、
・より早く
・より正確に
・より安く
・より公平に
税金を徴収することが求められると思います。
この時に、「国税側が当該申告の適正性を確認するためにエビデンスを求めること」は当然のことですが、それを「申告者に求めること」は必須ではありません。
申告者に負担をかけず、もっと正確で効率的で安く上がる確認方法があれば、そちらを採用することが「適正な課税の確保」に繋がります。
国民のモラルが下がり、行政サービスや納税に対する考え方も変化していく中で、今までの申告・徴収方法だと、どうも限界があるようだ。何か良い方法はないのかなあ。。と考えたときに、電子申告という方法(選択肢)があるのだと思います。
今の電子申告だと、1000円の税金を徴収するのに、1万円を使っているようなもので、「適正な課税の確保」からは遠ざかっているように思います。
納税者番号制度の導入は、「適正な課税の確保」そして「e-taxのさらなる推進」の手段としては、非常に有効と思います。
ただ、私自身は、もう少し別のアプローチで、国民が喜んで使ってくれるようなサービスの実現を目指したいと考えています。
Unknown
unknownさんは
上記牟田さんの文章を読み違えてると
思います。
課税の電子化をしようとしているのは
税務署のほうでそのやり方があまりに
うまくないんで牟田さんはいろいろ提言
されてるだけだと思いますけど。
Unknown
納税コストのことをいうならば、納税者番号制度の導入を主張すべき。
これ以外に「別のアプローチ」があるならば、適切に具体案を示すべき。
納税者番号制度の導入をおそれる理由は何か。
貴殿は適切な納税を行っていないのか。
添付書類というエビデンスのない納税を実現して税金をごまかそうとしているのか。
適当なことを書いて世の中を惑わせるのは慎むべき。
Unknown
皆様、おはようございます。
コメントありがとうございます。
世の中を惑わせるぐらい影響力があれば良いのですが。。
これまで納税者番号制度が導入されなかった経緯や、住基ネット導入時のマスコミや国民反応を考えると、導入とその後の活用が難しいと考えています。
「別のアプローチ」は、やはり透明性や公平性を向上させることだと思います。
国民が税金の取り方や使い方に不信感を抱いている中では、納税者番号を導入しても、期待するほどの効果は上げられないでしょう。
Unknown
外務省パスポート手続と同様
申告納税方式は電子化に向かない
ということで、終了。
添付書類の「省略」などという
適正課税の確保につながらない
納税のごまかしを助長するような
主張はやめるべき。
行政の意識改革とブランディング
多くの諸外国で、申告納税方式でオンラインサービスが行われていて、利用率も高くなっています。もちろん、添付書類等の省略も実施されています。
それにより、不正な申告が多くなったという報告は見たことがありません。むしろ、行政も市民も多大な恩恵を受けている状況です。
成功要素としては、行政の業務・意識改革、国民との関係改善などが挙げられます。
ところで、Unknownさんは行政関係者(税務?)の方でしょうか。もしそうなら、Unknownさんの発言も、国民との関係に影響を与えるということをご理解頂ければと思います。
税金を徴収する側から見れば、国民は「いち納税者」に過ぎませんが、一人一人の国民は感情を持ち、それぞれ生活も違います。そうした国民が、Unknownさんの発言を読んで、どう感じるでしょうか。
国民が少しでも納得して税金を払えるようになるには、行政は何ができるのだろうか。。電子政府を上手に活用すれば、申告・納税者の負担を減らすことができるんじゃないか。。そんな風に考えて頂ければ、とても嬉しく思います。
私自身は、「添付書類の省略」にこだわっているわけではありません。
国民の負担を減らし、より納得・理解して税金を払えるようになる良い方法があれば、喜んで私の主張を撤回させて頂きます。