霞が関WAN、LGWANの積極的活用
電子政府評価委員会へ提出した意見。今回は、「霞が関WAN、LGWANの積極的活用」です。
●統合による費用対効果を
・各府省が個別に地方公共団体とネットワーク接続しているシステム
・霞ヶ関WAN、LGWANへ統合されたシステム
を明らかにすると共に、統合による費用対効果についても明示することが望まれます。
現時点で、統合できないとされるシステムについては、その理由を明らかにすると共に、統合の可能性について、CIO補佐官会議等の外部専門家による検討を行うことが必要と考えます。
★補足コメント
府省内LANは、比較的に最適化をしやすいので、公開されている資料を見る限りでは、割と順調に改善されていると思います。
単純に考えると、霞ヶ関WAN(中央省庁間のネットワーク)、LGWAN(地方自治体のネットワーク)があれば、電子政府・電子自治体に必要な情報交換・共有ができるわけで、住基ネットも必要ありません。
後は、職員の認証(誰が)とログ管理(何をしたか)をしっかりチェックできる仕組みにして、サービスの利用時に本人から「手続に必要な範囲で、他の行政機関に照会等を行い、個人情報を共有・利用しても良い。」と承諾(チェック)してもらえば良いのです。
「利用を承諾する」を選択した人は、その窓口(オンラインも含む)で全ての手続きが完了、各種証明書等の添付書類も必要なし、とします。
他方、「利用を承諾しない」を選択した人は、自分で各役所に行って必要な書類を取得したり、申請・届出の手続を行う必要があるとすれば良いのです。
日本における国民ID管理の経緯や、現在の世論(国民、マスコミ)を考えた場合、住基ネットのような中央集権型のネットワークは、どんなに頑張っても理解や信用を得ることが難しく、構築も運用も大変、でも使いづらい(世論に合わせた修正により)となってしまうでしょう。
もっとシンプルに、もっと使いやすく。政府の情報通信ネットワーク基盤の活用について、今一度の検討を望みます。
もう一つ、大事な点を。
情報共有は「情報を共有したい」という意思が必要です。この意思が無い限り、いくら立派な線が繋がったところで、情報共有は行われません。
逆に言えば、「情報を共有したい」という意思さえあれば、ネットワークがなくても、電話、手紙、訪問など「使える手段」を駆使して情報共有が行われます。
つまり、本当に「霞が関WAN、LGWANの積極的活用」を実現したいのであれば、「縦割り」の意識や仕組み(仕事のやり方)を変える必要があるのでございます